87歳男性 前立腺Ca., RCC既往歴。嘔吐、意識障害発症でCT撮影

今日は前置きのいつもの話はなく
ダイレクトで 症例提示します。

(タイトルの世界遺産は、クロアチア、プリヴィツェ湖群国立公園の原生林と滝)

87歳男性
他院より転送搬送
既往歴に前立腺癌陽子線治療、腎癌手術があり。
20XX年2月XX日 夕方頃からふらつき、めまい、血圧上昇あり。
血圧は180を超えていました。様子を見ていましたが、改善せず、
翌日起床時から反応が乏しく自発動作も見られなかったため、救急要請。
他院受診時に静脈洞血栓症によるくも膜下出血と診断がされた方です。

3月初旬 嘔吐、意識レベル悪化でCT施行したところ、、、

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以下のような所見となりました。

そして6日後です。

どのようにお考えになられるでしょうか?

以上です。本日もメルマガご購読ありがとうございました。

以下は締め切りもうすぐです。

なんとなく行う非体系的救急画像診断を理論的画像診断に変えるヒントを世界的エキスパートの松本先生がわかりやすくこの正月に解説しますが、、、

 

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大腿出血の時、昨日の症例の回答

駅前のドトールより
イチロウです。

(今日のページの写真はクロアチアのプリトヴィツェ国立公園内。純粋な水の湖、緑の森のカラフルな春の景色をistockphoto より購入添付しています)

先週の土曜日 ほぼ病院からは休みに
連絡など来ないのですが、
循環器外科のDr. より 病院から直接連絡が来ました。

理由は、緊急血管造影をして欲しいとのことでした。
実は1週間ほど前もそのような話があり
CTを見させていただくと左大腿の筋肉内に血腫があって
血腫内の嚢胞性変化部分に造影剤濃度の液面形成が複数箇所にあるのです。

しかし、造影剤の直接の血管外漏出はなく、
直前くらいには出ていたが、止まった? ようでした。
アンギオの依頼でしたが、軟部組織なので
やはり第一は圧迫ではないかと思ったので
圧迫止血を推奨しました。

ところが、、、

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5日経過した土曜日の朝 私のストレッチ中に
病院から、患者様が大腿部を痛がっていて、貧血の改善が得られていない
という電話を先生から直接してこられました。
CTを撮ったのか? を聞くとまだだというので
CTを撮ってください。私もサイト関連ですぐには行けず1時間後には行きます。
通勤時間を含め約2時間後に病院に向かうと電話を切りました。

すると、、、30分後に電話がかかり
止血方法を変えると言われました。
止血用の道具を使うというのです。正確な手法は聞きそびれましたが
その後もう一回かかってきて、CTをとったがエクストラはないとの
ことでした。出血していることは間違い無いですが、
今すぐ止めるような出血はないというのです(背景にはDICがありますし、ヘパリンも
心臓の血栓予防に使用しています)

原因血管は浅大腿動脈からの分岐血管ですが、
細すぎて入れられる自信はないように思えましたし、圧迫止血を推奨したのですが
結局5日間のうちそれでは止血が得られておらず、かつ今出血していない(extravasasionなし)
状況で 血管造影はするべきでしょうか?

これ以上伸ばしてもと思い、私個人的には血管造影だけはやっぱトライはしてみよう
とは思っていますが、もし入らなかったらバイアバーンなどカバーステントで
枝があるであろう場所に留置して終わるということになるかもしれません。
浅大腿動脈のアンギオなんて経験値がなさすぎて困っています。

IVR専門にやられて、経験値の高い先生(JDr.ら)お教えいただけると幸いです。

一方、昨日 ご提示させていただいた症例ですが
年齢も若くて、広範囲の脳梗塞を生じ、出血性梗塞にもなり
会話は片言、片麻痺は完全で寝たきり状態となってしまった方が

痙攣重積発作 と同時に炎症反応かなり高値で血圧低下、腹痛あり
CTを撮影しました。
すると昨日のような結果となりました。

頭部CTは右中大脳動脈領域の広範囲の梗塞と出血で脳室穿破


20日前のCTではやや胆嚢が腫大しており、壁も若干肥厚しているかも知れません。
しかし、頭系の病院だったので、特に症状が乏しかった?ためか
特にこのCT結果からは何もし無かったようです。

そして、上記理由で当院に搬送された時のCTが2枚提示されています。
最初のはダイナミック造影早期で、20日前のCT以後に留置された胃瘻
とよく見ると胆嚢は20日前より腫大しており、一方で壁の肥厚は目立ちません。
小腸の拡張と液体貯留、壁の肥厚が見られています。


そして通常条件だと一瞬では分かりにくいですが、wide window の後期相で
腹腔内遊離ガスがあることがわかります。腸間膜脂肪織も一部で汚さが見られています。

結局手術がなされ、腹壁と胃壁がきれいに固着しておらず、そこから腹腔内に
胃内容物が流れ出し、腹膜炎を呈していたのです。胃瘻の周囲が汚いことがわかります。


そして、胆嚢は壊死性胆嚢炎 と考えられる真っ黒な様相を呈していたので
切除されました。

手術結果は 汎発性腹膜炎(胃瘻の圧着不足による胃穿孔状態)と壊死性胆嚢炎
ということでした。
ショック状態から脱出しましたが
神経症状は悪く、脳波の活動は見られないとのことで近医のそのような病院へ
転院されました。

胃瘻は比較的低侵襲に増設できるため、全国的に爆発的に普及しており
合併症事態も当院ではほとんど見たことがありません。

腹腔内遊離ガスも留置後20-60% 認められるとのデータもあり
必ずしも有意所見とはとれません。しかし、
今回の症例のように腹膜炎症状が確実に出ている場合
やはり合併症として腹壁との圧着不足による胃穿孔が問題となります。

当院ではこのような合併症は未だ見たことがない(忘れた?)のですが
実は他院(おそらく神経系病院)で非常勤のDr. が胃瘻を造設したようでした。
このような合併症も決して忘れてはならないと思ってご提示させていただきました。

なお、胃瘻造設・カテーテル交換に係る 死亡事例の分析
という 一般社団法人 日本医療安全調査機構 が2021年3月に出されたものがあるのですが、
数例の造設時腹膜炎穿孔、死亡例を提示しています。

①80 歳代、誤嚥性肺炎、胃管の自己抜去を繰り返している介護施設入所中の患者。胃体前壁小彎に造設。 術後 1 日目、白湯を注入後に四肢冷感、腹痛、呼吸促迫あり。初回の栄養剤の注入を開始した約 2 時間半後、心肺停止で発見し、術後 3 日目に死亡。 死因は、腹膜炎(疑い)

②70 歳代、進行性食道癌の治療目的に当該医療機関へ転院。経口摂取が困難となり、治療に向けた栄養状態改善のため、胃瘻造設を決定。手術直後から創痛、嘔気持続。術後 2 日目に腹膜刺激症状が強くなり、CT検査で胃壁が腹壁から脱落し、遊離ガスを認めた。緊急手術で刺入部の開大あり、腹腔内洗浄を行うが、術後 22 日目に汎発性腹膜炎で死亡。

③10 歳代、脳性麻痺、てんかん在宅療養中の患者。意思疎通困難、側彎、四肢拘縮あり。腹腔鏡下胃瘻造設術で左季肋部に造設。 術後 9 日目に発熱。術後10 日目、血圧低下し、心肺停止。 CT検査で腹水貯留と遊離ガスを認め、術後 11 日目に汎発性腹膜炎にて死亡。

胃瘻カテーテル交換時の瘻孔損傷・腹膜炎に対して保存的治療が奏功した4例 というのも報告されています。https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/53/2/53_2_248/_pdf

いずれにしても腹膜炎症状は重要な所見で手術をするか否かを判断する必要がありそうです。

以上 救急疾患に関してご提示させていただきました。

DR. Matsumoto の動画を勉強するのもありかもです。

PI-RADS は締め切りました。

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遠隔読影室問題、46才女性に生じた腹腔内の異変

駅前のドトールより
イチロウです。

(今日は世界遺産カッパドキアの熱気球を貼ってみました。)

遠隔読影室 つまり職場から遠いが
自宅からは近い読影室を 職場と同じ使い方で
行う場合、いろいろな問題点があるのは認識しています。

まずは通信速度です。病院でやっているのと変わらない速度であれば
良いですが、すぐに止まってしまうような状況だと
イライラして、できなくなると思います。

これが最低条件であり、これがクリアできないのであればやっても仕方ない
と思います(もし既にやっておられる先生がいらっしゃったらご意見いただけると
幸いです。)。

次に共同で他の遠隔読影室使用者も利用するわけで、
共同利用となります。そうなると部屋をきれいにしておく人間が必要です。
その最たるものが トイレ
今まで病院勤務においては全く気にする必要が無かったものです。

しかも知っている人間であるにしても
流石に他人が汚したトイレを 掃除なんてできません。

今までの人生で他人の汚したトイレなんて
掃除したことなんて、小学校までさかのぼることになります。

そんなこんなで、自分だけが使うのなら考えもしなかった
遠隔読影室の 大問題が見えてきました。

そして、今日の症例はそれとは全く無関係ない
46才、女性の 腹痛です。
既往歴は 数ヶ月前の 脳の疾患ですが、、、

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他院で全介助状態の脳梗塞発症。出血性梗塞。
発語は単語で会話は可能だったようです。
発症から3ヶ月後、入院中の他院にて痙攣重積発作あり。
CRP 25.5、WBC 13000 の状況
同時に血圧も低下。CT撮影にて腹腔内遊離ガスあり、
腹膜炎が疑われ、当院搬送となっており、

以下 脳梗塞発症(発症時頭部CT)から
数ヶ月後の腹部CT, 今回他院から紹介されて
当院初診時、撮像されたCT  を提示します。
今回何が起きているでしょうか? 2つのことが重なっているのですが
その2つのこととはなんでしょうか?

お考えいただけると幸いです。

以上 イチロウでした。

ありがとうございました。

さて、以前は3日限定でしたが、11日間限定の正月、成人の日を
挟んだ 時間帯に松本先生の動画をお勉強されてはいかがでしょうか?
以前 お聞きになられた先生は重複なので、余程のことがなければ
申し込まれないでください。参加したことのない先生よかったらどうぞ。
締め切りまで時間がないので、よろしくお願い申し上げます。

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すぐさすべきか否か、、、昨日の症例回答

駅前のドトールより。
イチロウです。

昨日 腎外傷後の気腫が顕著な膿瘍形成した症例を
泌尿器科に相談されました。
部下が休みをとっており、多分部下はやりたがらないだろうなあ
と思ったのと、私も翌日外勤でさせそうにない状況
(部下はいつまで経っても一人でやろうとしません。)
だったので、とっとと一人で差してしまおうと思ったら
患者さんが元気なので明日でいいと言われました。

でも明日は私がいないのでやれないかもしれないというと
翌週月曜日でいいと言われました。
しかし、やっぱり不安だったので
尿管ステントを入れてもらいました。

うーん 部下の非積極性にも影響され、私の外勤と重なり
また、泌尿器科のDr. は患者がとても元気なので
月曜日でも大丈夫と言ったので
しょうがないな。となった次第です。CRP>30, WBC 2万ごえ

ちなみに現状投与中の抗生剤は感受性ありとの結果のようでした。
なのですが、この対応で間違っていないでしょうか?

IVRを普段施行されている先生 ご意見をお聞かせください。
ブログへの書き込みでも良いです。
お願い申し上げます。

さて、昨日の問題ですが、、、

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(メルマガ読者の先生はこちらから)

左睾丸にT1WIでは非特異的な低信号腫瘤がみられ、
T2強調像では比較的均一な淡い高信号腫瘤として描出されます。
拡散強調像で強い高信号、ADC 値はかなり低く
もしかして、悪性リンパ腫? と思ってしまう先生もあるでしょう。

しかし、年齢を考慮すると30才台なので
胚細胞性腫瘍のうちの最も頻度の高い Seminoma を考えなければいけません。
そんなことはわかってますよと言われそうですが、、、
ただ、画像から高信号腫瘤で隔壁構造がよくよく見ると認められ
今回の症例ではあまり目立ちませんが、時に多結節状として描出されることもあります。

ADC値は 睾丸よりも低くなる点はSeminoma として大事なことのようです。
なので、今回のような成人でも30歳台と若い場合には
たとえ、ADC 値が低くても、リンパ腫を先にあげず
Seminoma を先にあげるのが大事です。

逆にリンパ腫の場合は年齢分布としては60才以上となります。
そうだとしても精巣腫瘍の中では結構まれな腫瘍となるでしょう。

以上 本日は比較的若年に発症した均一な淡い高信号で 拡散制限の
結構ある多房性の充実性腫瘤を見たときは Seminoma を考える
という症例でした。

さて、イーパイは本日12:00 締め切りですので、
正月、成人の日を挟んだ時間を勉強に有効に使うように設定した
ので、ぜひ、この機会にご参加いただけると幸いです。

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画約4週間見放題企画 12月募集(12/23締め切り)

なんとか月曜日には救急画像診断セミナー申し込みアップしたいと思います。

また、管理加算関係のアンケートはこちらから年末までオープンします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeBkiVCiWnMo4DooZq1UQ0eEcCaePnTQG_2F0cCYogvi2UAYg/viewform

 

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管理加算、遠隔読影(外注)、遠隔地読影(自分の病院の読影)

駅前のドトールより

イチロウです。

さて、1昨日にアンケートさせていただいた
管理加算関係のお話。

途中の経過ですが、
現時点では管理加算2を取られている施設が多いようです。
1施設専門医が2人以下の施設が73%
当院のように遠隔読影を外注をしてることのない施設は68%と一番多いようです。

どしどしアンケートにお答えいただき信頼度をあげたデータが
欲しいです。よろしくお願い申し上げます。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeBkiVCiWnMo4DooZq1UQ0eEcCaePnTQG_2F0cCYogvi2UAYg/viewform

さて、今日は30歳代の男性の睾丸腫瘍の症例です。

15年前から左精巣腫大を認めていましたが
最近になって圧迫感あり
3日前に、前医受診。鶏卵大の腫大を認めています。
超音波では低エコー腫瘤です。
MRIが撮像されました。いかがでしょうか?

以上イチロウでした。

本日もありがとうございました。

 

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画約4週間見放題企画 12月募集(12/23締め切り)

松本先生のも頑張ってみます。募集はもう少し先です。

 

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管理加算、遠隔読影、遠隔地読影について

駅前のドトールより
イチロウです。

実は今日は病院のコーヒーショップで
4つアイスコーヒーを買って
昨日 結構臨床医側の不手際?に対し毒を吐きまくっていた
同僚に 1つおごりました。
少しだけでもドレナージできたでしょうか?

昨日話していた働きかたの話に戻ると
自宅近くにマンションを物色し
実は駅近2分の物件が見つかったのです。

それは、、、、

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(メルマガ読者の先生はこちらから)

1LDK の一部屋がベッドルームで 後は
キッチンのシンクが部屋側を向いている
8-10畳程度の部屋を含む41mm2(へーベー)程度の広さのマンションです。

物件物色にあたり、
セキュリティを重視するあまり
オートロック付き、エレベーター付きの
鉄筋コンクリートのマンションタイプを考えました。

そうは言っても年間固定費を抑えなくてはいけないので
物件価格も15万円以下に抑える必要がありました。
そして、電車でくる先生のために
駅近物件であることが条件としていたところ
たまたま、駅から徒歩2分で上記条件を
満たす、築浅物件が出てきました。

速攻で押さえにかかりましたが
事務の方の対応が遅かったため、というか
業者の対応が遅い? ため、7階の物件が間に合わず
4階の物件となってしまいました(たまたま同時に2件空き)

ま、階の違い程度の小さいことなのでいいのですが、
この(病院から考えて)遠隔地読影室を運営するためには
放射線科として稼がなければなりません
なので、今まで取れていなかった加算1をとることにしました。

というかとる約束をしたから
遠隔地読影室のプランが病院に通ったというわけです。

そこで%name1%先生に時間があれば、以下のサイトから
加算取得、遠隔読影(外注)、遠隔地読影室運営についての
アンケートを取りたいと思います。

もちろん結果はこのメルマガでお知らせいたします。
目標は100件 ですが、そこまで行かないかもしれません。
できるだけ現状のご意見をいただけたらと思います。

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeBkiVCiWnMo4DooZq1UQ0eEcCaePnTQG_2F0cCYogvi2UAYg/viewform

よろしくお願い申し上げます。

PS. 今日 非常勤で来ていただいている先生にそうなるかもとお伝えすると

僕はみんなに会って話がしたいから、そっちにはきっといきません。と言われてしまいました。悲しい。その先生も私が予定している遠隔地読影は、彼の家からはかなり近くなるのですが、、、

以上 イチロウでした。

イーパイ募集中ですが、
間に合えば、松本先生の救急画像診断も前回できなかったので
正月休みにでも聴けるようセットアップしたいと思います。

よろしくお願い申し上げます。

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画約4週間見放題企画 12月募集(12/23締め切り)

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前回の回答:一般病院ならこう考えるのが普通かもしれません。

駅前のドトールより
イチロウです。

最近、読影室をもう一個作る話が
とんとん拍子に進み
使用するマンションも確定しました。
まだ、前の住人が住んでいるようなので
どうなるかはわかりませんが
なんとか前に進むようになりました。

というのも

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メルマガ読者の先生はこちらから

私も定年が近くなってきて、いろいろと
考えるのですが、非常勤として
いろいろな場所で読影していくパターン
常勤としてどこぞの病院で再就職するパターン
今の病院に残って、1年1年の単年契約で続けていくパターン
とそれぞれあり得るのですが、、、

一番リスクが少ないのはどの選択肢なのか?
と考えたとき
やっぱり最後なのかなあと思えるわけです。

いろんな定年後の働き方を見てきましたが、
教授という肩書を持っていても
他の病院の院長として迎え入れられない先生もいらっしゃるし
結局どこぞの小さい病院の一人部長として働く先生もいらっしゃるし
結局、必ずしもハッピーな働き方はないのかなあと
思っています。

少なくとも来年は常勤が3人専門医になるので
超超久しぶりに 加算1が取れるようになりそうです。

それに乗じて私の自宅近くに遠隔読影室をマンションを借りて作ることにさせていただきました。これに関連して
近いうちにアンケートさせてください。

さて、前回の回答が遅いまま、そのままとなっていましたが、

回答は 素直に考えて、傍神経節腫 paraganglioma
となります。
たまたま、外注していた遠隔読影の先生が リンパ腫 を第一に挙げられていたので
え? と思って、問題に出してみました。
なぜか、横断像しか見ていなくて血管貫通所見に見間違えたのかもしれません。
部位といい、多血性といい、最初にあげるのはやはり
傍神経節腫ではないかと思ったので、私の考えは間違い?
と思い問題にしたので、ひねりの聞いたよくなんとか診断の問題に出てくるような
かなりレアーな回答を要求していたわけではありません。

しかも、MIBG シンチグラフィをやれば一発で回答が得られます。以下画像

以上です。
イチロウでした。

さて、また イーパイを募集しますが、年末を挟む形にして
勉強をしやすいようにしました。いい機会だと思いますので
よかったら お申し込みください。

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腹壁、後腹膜腫瘍編 2-1

駅前のドトールより
イチロウです。

一ヶ月前くらいのこと
最後にお会いしたのがいつだったか忘れてしまっていた
以前お話しした叔母とは別の叔母が
突然亡くなりました。とはいえ90歳代前半くらいで
リウマチを患っていた割にはかなり長生きをされていました。
お通夜に出かけたところ、想像していたのとは異なり
かなり綺麗なお顔でとても90歳代で亡くなったとは
思えないような状態にしていてくださいました。びっくりでした。

年齢も年齢なので、ほとんど親戚しかいないので
程なく、お坊さんのお経の時間となりました。
すると、えーーーーー ままじでー! ということになり
私と一緒に参列した妻はそれに気を取られ

お経に集中できなくなったと言っていました。

それは、、、、

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お坊さんが 黒髪でサーファー風、そして
顔や手が日焼けして真っ黒けだったからです。
それでもちゃんとお坊さんの格好はされていて

お経をお読みになられている間、
違和感が増大していました。
時代はとても変わりました。

さて、気を取り直して

70歳代の男性ですが、
糖尿病と高血圧でフォローアップ中
IL-2 が 634とわずかに上昇、IgG4 も215と上昇していました。
抗核抗体は40倍 アドレナリンは 1341と上昇 です。
さて、何を考えますでしょうか?
純粋に画像のみから考えてください。

今日は以上です。

メルマガご購読ありがとうございました。

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腹壁、後腹膜腫瘍シリーズ1回答

駅前のドトールより

イチロウです。

 

最近、思っていることがあります。それは

お墓。そんな年齢になりました。

 

以前、ほとんどというか30−40年以上付き合いのない

叔母から私の姉に先祖のお墓の管理を私にして欲しいと

頼んできたことがありました。

 

私からすると突然のことで、寝耳に水といったところでした。

先祖のお墓がどこにあるのか(仙台のどこか)さえ知らず、行ったこともなかったからです。

叔母から姉への話では、今まで供養料金というのを

支払ってきたというのです。

それがどれくらいの額なのかもわかりません。

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とはいえ叔母夫婦は先祖からもらった東京の土地を

私の父(叔母の夫の兄に当たります)に黙って住み続け、

まあ形的には長男家から横取り(正式な相続をせず)していたので

今更、そんなことを言われても という感覚でした。

 

その話はそのまま現在は立ち消えになっていますが

本日、父の墓参りに久々行ってみて、お墓って

本当に引き継いでいくのは大変なことだなと思った次第です。

 

さて、今日はこれくらい(続きはいずれ)にして

昨日の続きですが

 

こちらは、画像的には一度診断してしまうと

あ、あれね。ということになるのですが、知らないと

え? 名前に一致してねー? となるものです。

 

おそらく体表から触ったり、視診からそのような名前が

ついたものと考えられます。

 

回答は

”インスリンボール”  なのですが、

ボールという呼称には違和感があり、病理学的な結果から

アミロイドーマ と呼称する人もいます(視診的にはボールにも見えなくもない)。

 

果たして、何がこの画像が問題なのかというと

インスリンの効きが悪くなることが最も問題となります。

そもそも、患者さんは右利きか、左利きかによって、お腹に打つ場合

どうしても自分の利腕の近くに打ちがちです。

そうなると、右利きの人は右の腹部に打ってしまいがちです。

この患者さんも右腹部の上下に2つのそれがみられます。

 

しかも、一度インスリンボールができると同部への注射が

痛みを感じにくくなるため、患者さんは楽さを取ってその部位に繰り返し

注射をしがちとなってしまい。ますますボールは大きくなっていきます。

 

なので、糖尿病医が血糖コントロールが悪くなってきた場合は

このインスリンボールのことは念頭に置くことになりますが、

放射線科にCT依頼する時にはインスリンボールの有無などという

依頼目的はほぼ書かれません。私も個人的にそのような依頼目的を見た経験がありません。

 

大抵彼らは血糖コントロール不良で膵腫瘍を含めた悪性腫瘍の除外目的

と書くことでしょう。なので、私たち放射線科医もそっちに集中して

なんか皮膚にあるけど、無関係かもしれないと思って

気にもかけないということが生じえます。

 

しかし、もし悪性腫瘍も見つからなかった場合(この方は盲腸癌が見つかる)、

このインスリンボールが見つかった場合、

糖尿病医は視診で認識しているかもしれませんが

患者さんの衣服を脱がして全身くまなく診察する癖のある糖尿病医でない限り

インスリンボールの存在の認識に至れないかもしれません。

 

そこで放射線科医がすかさず、インスリンボールと読影しておけば

糖尿病医も全身をくまなく診察する必要もなく、狙って、患者さんのその部位を

視診で確認し、そこにはインスリン注射を打たないように指示できるのです。

 

日本語論文ですが、このことに注目して

実際にこのインスリンボールの病理がどうだったのか、

果たしてインスリンの効きが悪くなるのかを検討した論文があります。

それは、楠 和久 ら。インスリン注射による皮下腫瘤の病理組織,画像所見 およびインスリン吸収についての検討。糖尿病 58(6):388~397,2015 です。

これによれば

 

インスリンボールの40%にアミロイド沈着、60%に膠原繊維増生を認めた。

とあります。

後者は、おそらく前者の前段階の状態で、いずれはアミロイド沈着が起こるだろう

と推察しています。

そして、アミロイド沈着が一度起こると同部位からのインスリンの吸収障害が起こる様

なので、前段階の膠原繊維増生の段階(この段階でも吸収障害起こることあり)で見つけて、

早めに患者の指導を行うこと重要です。

 

我われが見ることの多いCTでの画像所見では

毛羽立ち像のような線状影のみの段階が膠原繊維の段階のようで

今回提示したような帯状のある程度の厚みを生じているとアミロイド沈着がみられるようです。

なので今回の症例のような状態ではすぐにでも注射部位を変えることを

患者に提示して、血糖コントロールの状況を確認することが大事と思われます。

ちなみにアミロイド沈着が起こると不可逆状態のようで

今回提示症例は、月日の経過で分厚くなり、石灰化も厚くなってきていました。

 

今回の症例の2021年のカルテに インスリンボールを避けて注射中という

記載があったので、代謝内科医はインスリンボールのことをこの時

認識されたと思われます。

 

もう一度14年前と今回のCT症例を添付しておきます。

14年前に指摘していたらと思います。この時はもしかすると

アミロイド沈着はなかったかもしれません。

今日は以上です。

EASY PI-RADS 一ヶ月見放題いかがでしょうか?

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画約4週間見放題企画 11月募集(11/3締め切り)

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腹壁、後腹膜などの疾患シリーズ

駅前のドトールより
イチロウです。

最近、コロナ肺炎はほとんど見なくなりました。
世の中が、正常っぽくなっているのに
病院内は常にマスク着用が続いているので
なんだか そちらの方が普通で、
マスクしていない方に接するのが怖い感じはします。

さて、今回からしばらく腹壁や後腹膜疾患に絞ってお届けする予定です。
最初の症例は、すぐに答えがわかってしまうかもしれません。

73才女性、1年前に盲腸の2型Ca.で手術を施工されている方。

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メルマガ読者の先生はこちらから

まず、1年前の盲腸Ca.の画像

次に14年前の画像

今回の画像

先生のご意見はどうでしょうか?
この疾患を指摘する意味はあるでしょうか?

特に14年前の時点でですが、、、

PS. EASY PI-RADS 11月一ヶ月見放題プラン募集します。

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画約4週間見放題企画 11月募集

 

 

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