以前お話ししていた定年後の人生とは?

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像:ヴェルサイユ宮殿の公園にあるオランジェリー庭園)

個人的に定年近い年齢のため、話がどうしてもその関係になるのを
ご容赦ください。

以前 マンモの検診で知り合っていたある先生が
引退されて、ヨーロッパを悠々自適に旅行している
引退後は、マンモ検診だけで生きていくらしい
と言うような話をしたことがあります。

実は、彼はその後お会いした時

ブログへ、、、、

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引退するのは放射線科医だけで、放射線科医としてはマンモの検診にだけ
来るのですが、
本業を完全に 消化器内科 に鞍替えしてしまったようです。
よくも65歳を超えてから挑戦できる情熱があるなあと思います。

しかし、職を変えるにしても 科 を変えるのならまだ
ちらほら見かけるのですが、
近くに、科 どころか 医師免許さえ 使わないで
生きていこうとしている先生に出会ってしまって
衝撃を覚えています。
まだ、現実化していませんが、近い将来必ずや
そうなるだろうことは私には想像できます。

彼が完全に職業を変えて生きていった時にはお知らせします。

って、そんな人の人生には興味はないかもしれませんが、

昨日行っていたストックの中の1例ですが、
検診で右上肺野に異常を指摘された70歳代の男性例です。

 

診断はいかがでしょうか?

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増大する結節の正体とは?

駅前のドトールより
イチロウです。

EASY-PIRADS 今日で3月生締め切りです。

(アイキャッチ画像はギリシャアテネのパルテノン神殿)

昨日からMLBが開幕し、初めてリアルタイムでMLBの開幕試合を見ました。
大谷選手は初回打席が回ってきましたが、ダルビッシュにショートゴロに抑えられ
ダルビッシュもいいピッチングをしていたにもかかわらず
あほの三塁手の暴投エラーをきっかけに1点返されただけで交代となっています(記事執筆時点)。
高校野球も開幕し、1回戦が行われており、
プロ野球も来週からついに開幕となり
まさに球春到来です。

私もプロ野球が子供の頃から大好きだったので
ここからの季節は優勝が決まらない限りは楽しいです。

さて、昨日の症例の答えですが、
おそらくどなたも正解を出しづらいのではないかと思われます。

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70歳代の男性の単発結節が徐々に増大していくという症例ですし
生じた場所もS8という特異性が感じられない場所です。
RAで投薬中であったのですが、症状がひどくてついに生物学的製剤を使用しないと
いけなくなった患者様です。

比較的短期間で増大してきていることから、肉芽腫や肺内リンパ節は否定的です。
また、過誤腫も挙がるとは思いますが、鑑別の一つという感じで
小さいため.内部の性状も読めません。そのため肺野条件のみ提示しています。
リウマチ結節は候補にはなるとは思いますが、

Koslow M, et al. Rheumatoid pulmonary nodules: clinical and imaging features compared with malignancy. Eur Radiol. 2019 Apr;29(4):1684-1692. によると
リウマチ結節のCT所見の特徴は,①4個以上の多発,②辺縁平滑,③空洞形成,④衛星結節,⑤胸膜と接触,⑥胸膜下の軟部組織の被膜を指摘している.さらに⑦皮下リウマチ結節の存在,⑧血清抗体陽性を合わせた8項目中4項目以上の所見を満たすと感度95%,特異度85%で肺リウマチ結節を診断できたと報告している ようですが、
単発結節なので使えません。

感染症として、この時最も除外したいTBですが、単発結節というのはなかなか考えにくいです。
気道散布病巣なく、場所もS8です。
残りは単発のクリプトコッカス症かメタでしょうか?

画像上他に原発巣がなかったので 外科医に頼んでVATSをしてもらいました。
特殊染色(Grocott染色、PAS-アルシアン青重染色)もして、
病理学的にもクリプトコッカス症と診断されました。
実は術前に全く想定しておらず、血清学的な検査は何一つされていませんでした。

さて、クリプトコッカス症は健常者に生じる原発性と 免疫抑制状態の患者に生じる続発性
とに分類されているのはご存知だと思われます。私が若い頃は真菌のくせに
健常者に生じるということ(カンジダと逆)で覚えていましたが。
当然続発性は陰影が派手になるし、症状も伴ってきますので
今回の提示例は健常者とは言い切れないものの、
結節の境界がかなり明瞭かつ単発なので、どちらかというの原発性のクリプトコッカス症
なのかもしれません。わずか9ヶ月のスパンでゆっくりではありますが
明らかに増大していきました。

今回の様に単発結節で来られると 非常に鑑別診断に苦慮してしまいます。
ちなみに一つの肺葉に複数個の結節を生じるのはクリプトコッカス症の診断に使える
特異性の高めの所見であることはよくご存知だと思います。

今日もご購読ありがとうございました。

今日締め切りです。EASY PIRADS 3月募集分。

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まだ働くんですか? 70才台男性 右下葉結節性病変

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像:スペインバルセロナにあるグエル公園:1984年にユネスコ世界遺産に登録)

この間、マンモグラフィ2次検診に行って
3次読影を終了し、事務さんの最終チェック(記載もれなど)を待っていた時のこと

そういえば○○先生最近こられていませんね。という話になり
確か、病院を定年でやめられたと聞きました。その病院にバイトに
いかれている先生が言いました。

私「え? もう定年だったんですか? 若く見えたし、卒年も私より遅かった様な」
誰か「若く見えますよね。かなり」
誰か2「そういえば、定年後はもう働かないそうですよ。このマンモ検診以外」
私「私は定年後もいるつもりですよ。」
誰か2「えー、まだ働くんですかーー。もういんじゃないんですか?」
私「だって マンモだけでは生活できませんよ。」
(ちなみに誰か2の先生はご主人が医者、本人も医者)
この一言を聞いた私の、、、

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誰か2の先生はもちろんダブルインカムでずーっと稼いできていますし
もうお子さんも成人されており、何も心配はいらなくなっています。

なので参考にはなりませんが、少し私の定年後も働こうという
考え方を引き戻す一言にはなったと思います。
また、次回のマンモ検診で定年を迎えた先生に今後どうされるのかを
聞いてみようと思います。ちなみに彼は独身です。

さて、今日は1年も立たないうちに増大していった結節性病変についてです。

症例は70才台の男性

3月にCTを施行したのは炎症反応の上昇です。
実はこの時は、病変が小さすぎて、プロスペクティブに読影されていなかったのですが、

(初回の分の読影は実は私です。見つけていません。)

10月のCT時点で、炎症の原因としてRAがすでに診断されており、
その活動性が高く、生物学的製剤投与を検討中という意味で、Tbの除外、間質性肺炎の有無の評価のために施行されました。
すると右S8の結節がレトロスペクティブに見て増大していることがわかり
読影者(私以外)は、 metastasis を鑑別に挙げ腫瘍マーカーなどの検索を指示しています。
この時CT上は他に異常は見られていません。(以下の図は上記の拡大版)

そして、12月のCTではさらに増大傾向を示し、読影者(私以外)はリウマチ結節と読影しています。
RAがひどく、もしかして、抗酸菌症であった場合、生物学的製剤(インフリキシマブなどのTNF阻害剤)が使えなくなるため
VATS を呼吸器外科に 依頼しました。

さて、先生はどんな疾患を想像されますでしょうか?

今日は以上です。

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私は花粉症? 胆嚢炎なの?

駅前のドトールより

イチロウです。

(アイキャッチ:世界遺産 ストラスブールの街並みです )

*ストラスブールは建築や文化などドイツの薫りを感じさせます。1988年に世界遺産登録されていたグラン・ディル(旧市街)に加え、2017年にノイシュタット(新市街)が登録拡大され、市の全域が世界遺産という世界でも稀な都市になりました。

さて、1昨日の私の答え
感染症リスクは限りなくゼロの私はたまたま有給日だった木曜日
花粉症の薬を求めて耳鼻科を受診しました。
咳もこの頃はかなり増えていたので 花粉症でそうなった
と思ったからです。

ちょっと引っかかったのは受診前日に痰が黄色かったこと。
また、前々日から起床時に両眼が腫れて、目やにが出て
起床から数時間は目が開けにくくなっていたことでした。
ちなみにコロナ検査は念のため発症(強い咽頭痛を発症時と判断)後
48時間経って、行ったところ陰性でした。
これまでの経過を話すと耳鼻科医は
風邪ですね。
私はついつい先入観から かかるはずもないんですが、、、
と診断にイチャモンをつけるやばい患者になってしまいました。

その後、しばらく、咳は発作的に出るには出ますが
全身状態良好のまま 経過は良好の様です。
先生も 風邪 と診断されますか?

って、「お前のことより 一昨日の症例の答えを教えてくれよ」

と言われそうなのでお話ししますと、、、

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症例は70歳代の男性が発熱、嘔吐、腹痛を主訴に来院。

単純CT上胆石を伴って、胆嚢は腫大、壁の肥厚が見られます。
造影ダイナミックでは横断像で胆嚢がくびれの様なものを挟んで腫大している様に見えます。
わずかに胆嚢壁は造影されてはいますが、壁の濃染は良好といえません。漿膜下の浮腫も目立ちます。
冠状断では胆嚢は胆嚢窩に収まらず、下方に茄子状に垂れ下がっています。
矢状断では胆嚢体部で壁が捻れていることがわかります。

この所見を見て、カルテを読んでみるとこれからPTBGAをしようとしていることが
わかりました。ま、まずい と思い。

鬼の首をとったが如く、主治医に電話して、それはやめて外科医に相談する様に言いました。
なぜなら 私は、”胆嚢捻転”を想定していたからです。

フットワークのめちゃくちゃ軽い
当院外科医は私の診断を信じてくださり
早速開腹胆嚢摘出術を施行されました。

しかし、しかし、しかし、、、、、
手術記録には捻転の記録がありません。
しかも、術後の診断名が 急性胆石性胆嚢炎に変化

なんですとー。
絶対に胆嚢窩に固定されないぶら下がり胆嚢、くびれを介して2つの腫大した胆嚢の形態
ありえない、しかも術前の造影後の壁の濃染はあまりよろしくない。

おかしい。と思い病理所見を読むと
粘膜面の凝固壊死、全層に出血、好酸球、好中球を含む炎症細胞浸潤あり
内腔や壁内に膿瘍形成あり、漿膜下層に間質浮腫、線維芽細胞増生とのこと RASもあり
急性胆石性胆嚢炎に矛盾せず とのこと

私は、密かに術前までは捻転があったと考えていましたが、
証明する手段はないのですが、矢状断のCT画像のあの状態の説明ができません。
また、全層性に出血、凝固壊死 というのも気になります。造影ごに濃染不良だったので
やはり虚血を生じていたと思うからです。

あと、MRCP single thick もいかにも捻れている様に見えています。

T2WIでは腺筋症が存在しているのはわかりますが、ややはっきりしません。

MRCPでは矢状断が撮影されていませんが、再構成をガタガタな画像で出すとやはりCTの矢状断と類似していました。

うーん本当に捻れているのでしょうか。私は捻れていると判断しました。

また、臨床経過はどう見ても胆嚢炎を示唆していますので、臨床医は画像からのアプローチでない以上、急性胆嚢炎と考えてしまうでしょう。実際に

念のためPubmed にて acute cholecystitis, CT, torsion で検索をかけると
24件のヒットがありました。

すぐに1件目には
Dhafer H, et al. Acute cholecystitis due to a gall bladder torsion. Int J Surg Case Rep. 2021 Sep;86
が出てきて、胆嚢炎所見で発症した胆嚢捻転例(26歳男性)が出てきます。
Free なので https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8363817/

Rosenblum JK, et al. Gallbladder torsion resulting in gangrenous cholecystitis within a parastomal hernia: findings on unenhanced CT. J Radiol Case Rep. 2013 Dec 1;7(12):21-5.
76歳男性例。

Gabizon S, Bradshaw K, Jeyarajan E, Alzubaidy R, Liew V. Gallbladder torsion: a diagnostic challenge. Case Rep Surg. 2014;2014:902814.
80歳女性例

などなど、捻転から急性胆嚢炎を生じています。
(私は炎症所見がなぜなんだろう、やっぱり捻転と合併は変だよなあと考えていたので
合併するという論文が多数存在するのは今後の勉強になりました)
今回の症例も臨床所見だけだと、急性胆嚢炎と考えられ、臨床医は壁を直接経皮的にさして
しまいそうになりました(病理は固定標本は真っ黒です。穿孔して腹膜炎となっていたことでしょう)。

もちろん壊疽性胆嚢炎などの重症の胆嚢炎であれば、全層性の出血壊死を呈していいのでしょうが、
とにかくねじれて見える矢状断が説明つきづらいです。

病理標本では実はねじれで無くて、体部くびれがありました。(病理医はくびれと記載しています:赤矢印)。

即手術に行ったことは結果的に良かったのですが、
実際に手術記録でも捻転所見を捉えていないのは残念でした。
先生はどの様に思われますでしょうか?

最終私的結論:急性壊死性胆嚢炎、術前捻転と思ったのは単にくびれを見ていた? でもでも、画像的に納得いかないので、術直前に捻転が解除されてしまった? と思いたいです。

PS. 先週から募集していましたが、一応お知らせしておきます。

うざい先生は無視してください。

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私とその胆嚢に何が起きているのでしょうか?

駅前のドトールより

イチロウです。

(アイキャッチ画像はスイスのランドワッサー高架橋を横断する列車。世界遺産に登録されているレーティッシュ鉄道アルブラ線のフィリズール駅とアルバノイ駅の間にある最も有名な橋をランドワッサー橋と言います。)

先週金曜日 出勤時に
家を出る時だけ いかにもスリップする様な雪が降っていたため
電車で通勤しました。

その夜から咽頭痛が酷く
ついに俺もコロナにかかった? と思っていました。
唾液も飲むのも辛かったからです。

しかし、翌日、、、

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咽頭痛は軽減し、熱を図ると36.9度と微妙
さらに 関節痛もなし これってコロナ?
しかも全身状態良好です。

さらに日曜日も咽頭のはれぼったい感じは残るものの
全身状態問題なし、時々咳が散見されます。

花粉は飛び始めていますが、例年花粉症は軽度(アレグラ朝1回でコントロール)

妻は元気です。かなり感染予防は気を付けているのですが、
妻いわく、いったいどこで感染する可能性があるの? でした。
そういえば、電車は早朝なので空いていて、多くの方がマスク着用
くしゃみも咳もする人なし、うつる可能性はかなり低い
同僚もマスクをしていました。しかも近くで会話なし

ということで 私のこの状態はいったいなんと診断するのでしょう?

っていうのが問題だったら ふざけんなーと言われそうなので

70才台の男性ですが、発熱、嘔吐、腹痛で来院された患者様です。
今回は特に画像的に判断して欲しいので提示しました。
いかがでしょうか?

 

以上です。先生の診断はいかがでしょうか? ちなみに私は間違いました。読影後すぐに〇〇をしない様に担当の消化器内科医に電話したのですが、、、

PS. すでに発売しています(3/14から)

よかったらどうぞ。

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48才、腹部腫瘤、前回の回答 

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像は、イギリスのストンヘンジです。もちろん世界遺産)

前回の回答ですが、、、
48才腹部腫瘤を触知、肉眼的血尿を自覚して受診した患者さんですが、

回答は、、、

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Solitary fibrous tumor でした。
単純CT上巨大な右腎腫瘍が見られ、中心部には大きな壊死を示唆する低吸収域を
有する軟部組織吸収域の腫瘤として認められます。

ダイナミック造影では巨大腫瘤内に早期相で蛇行した動脈が入り込んでいくのが
特徴的に見えます。
後期相では辺縁部分が濃染して、中心部は巨大な壊死を生じています。

T2WIでは不均一な中央部分が壊死を示す強い高信号、辺縁が淡い高信号を呈する腫瘤で
T1WIでは脂肪は含まれていません。やや中心部が低信号、辺縁がやや高信号です。
ダイナミック造影ではCTと類似した蛇行した動脈が腫瘤ないに入り込んでいて、辺縁が徐々に造影されてきます。

鑑別としては 腎細胞癌は挙げられますが、
巨大なので悪性の肉腫などの間葉系腫瘍を挙げたくなります。
また、血管の入り込んでいく様は、血管周皮細胞腫(hemangiopericytoma )なども
鑑別に入ってくるでしょうか。

病理所見は腫瘤は約28×18×10cm大で
肉眼的に灰白色調、滑面では多数の嚢胞変性と一部に出血・壊死が見られた
とあります。
ミクロ所見は
血管周皮細胞腫様の構造を示し、線維芽細胞様の紡錘形細胞の腫瘍性増殖を認め
核異型・分裂は乏しかった
特殊・免疫染色ではCD34が血管内皮と紡錘形細胞に陽性であり
SFTと診断されました。

SFTは1931年にKlempererによりlocalized fibrous mesotheliomaとして
diffuse mesotheliomaと区別されて記された疾患
腫瘍の由来は中皮細胞下結合織由来の間葉系腫瘍とされていましたが、
漿膜と無関係ない部位からも発生します。

SFTの病理診断については
紡錘形細胞がいろいろな量の膠原線維を伴いながら無構造に増殖し、
一部にhemangiopericytoma様の構造を持ち、CD34陽性により特徴づけられます。
好発部位は胸膜ですが、
肺内、縦隔、甲状腺、副鼻腔、腹腔内、後腹膜、腎(今回の症例)などの報告があります。

腎のSFTは極めて稀で、平均年齢は50才台です。まとまった画像の報告例はありません。

文献を調べると Solitary fibrous tomor of kidney で92件ほどヒットするのですが
画像に関連する論文は少ないです。画像が見れた報告に関して述べると

Fursevich D, Derrick E, O’Dell MC, et al. Solitary Fibrous Tumor of the Kidney: A Case Report and Literature Review. Cureus. 2016 Feb 11;8(2):e490.
では66才 女性例 腹部腫瘤触知と血尿主訴です。腎から上極外方に突出する腫瘤で
今回の症例と類似した巨大で中央部分が低吸収域で、辺縁が濃染する腫瘤です。
画像はCTの冠状断1枚後期相のみなのでなんともいえません。当提示例との類似点は
大きいことと中心壊死の存在でしょうか。

画像はFig.2より抜粋

Chen Y, Wang F, Han A. Fat-forming solitary fibrous tumor of the kidney: a case report and literature review. Int J Clin Exp Pathol. 2015 Jul 1;8(7):8632-5.
30才女性 例で 60x 45mmの腫瘤で境界明瞭 脂肪を含んだSFTの症例です。
画像はFig.1ですが、拝見すると右腎下極に存在し、外方突出する腫瘤でやや内部不均一なものの上記の腫瘤ほどは中心壊死ははっきりしません。この症例も遅延相のみ1相(腎髄質もよく濃染)撮像の冠状断1枚です。

Ji WT, Hu Y, Wang Y. Case report: Solitary fibrous tumor of the kidney with a NAB2-STAT6 fusion gene. Front Oncol. 2022 Nov 16;12:1045238.

34才女性 例です。大きさの記載は要旨には記載なしですが、画像を見ると結構多血性に見えました。この提示例はダイナミック造影の早期相のみ(髄質は濃染する前)の提示です。一部壊死が見られるものの全体がよく濃染しています。

Tahir M, Campbell R, Moreland H, Madelaire C, Keel CE, Herrera GA. A Rare Case of Solitary Fibrous Tumor of the Kidney. Cureus. 2023 Oct 4;15(10):e46475.

Jiらの例に類似していて、境界明瞭な3−4cm程度の腫瘤で一部に壊死らしきものがある程度で全体がよく濃染しています。早期濃染、後期濃染持続という感じです。

Xie Z, Zhu G, Cheng L, Liu J, Ye H, Wang H. Solitary fibrous tumor of the kidney: Magnetic resonance imaging characteristics in 4 patients. Medicine (Baltimore). 2018 Aug;97(34):e11911.

4例を提示しています。男性2例、女性2例。平均年齢は37.8才です。腫瘤は全部で5個
T2WIでは腎皮質よりも軽度低信号又は等信号との記載がありました。
拡散強調像は病変は正常あるいは軽度高信号、平均ADC値は1.687 とのこと。
手術後24〜36ヶ月の追跡中に1例が死亡されています。

提示画像を見ると拡散強調像ではそれほど高信号を呈しておらず、腎実質よりは高信号です。
T2WIでは腎実質と等信号かわずかに低信号。ダイナミック造影では早期相で濃染して、後期相まで濃染は持続しています。
免疫染色は CD34(+)、bcl-2 (+)など

Wang H, Liao Q, Liao X, Wen G, Li Z, Lin C, Zhao L. A huge malignant solitary fibrous tumor of kidney: case report and review of the literature. Diagn Pathol. 2014 Jan 20;9:13. doi: 10.1186/1746-1596-9-13.
66才女性例ですが、最大径は23cm もある巨大なものでした。症例は悪性のSFTでした。

巨大腫瘤のCTの提示はFig.1の横断像と冠状断像のみで、冠状断像では
当提示例と類似した。腫瘤内に入り込んでいく蛇行した血管が示されていました。
この点は類似していましたが、ちなみ当院の症例は良性のSFTです。

Karaosmanoğlu AD, Onur MR, Shirkhoda A, Ozmen M, Hahn PF. Unusual benign solid neoplasms of the kidney: cross-sectional imaging findings. Diagn Interv Radiol. 2015 Sep-Oct;21(5):376-81.

1例の47才女性例が提示されていましたが、MRIのみでT2WI脂肪抑制像で2cm程度の
小さい結節で、腎実質よりは低信号を示しています。腫瘍の繊維性の特徴を表しているとFig7a で述べられていました。7bではT1WIFS ですが腎実質より低信号、造影単相のを提示していますが、
大きさが小さいためか全体が均一に濃染されていました。

Ichiyanagi O, Ito H, Takai S, Naito S, Kato T, Nagaoka A, Yamakawa M. A GRIA2 and PAX8-positive renal solitary fibrous tumor with NAB2-STAT6 gene fusion. Diagn Pathol. 2015 Sep 4;10:155.

Fig.1で画像がUSとダイナミック造影CTが提示されていましたが、
USでは腎より低信号、単純CTは腎実質と同等かやや高信号、ダイナミック造影で全体濃染し、後期相でも濃染が見られています。

Cheung F, Talanki VR, Liu J, Davis JE, Waltzer WC, Corcoran AT. Metachronous Malignant Solitary Fibrous Tumor of Kidney: Case Report and Review of Literature. Urol Case Rep. 2015 Oct 17;4:45-7. では

悪性巨大20cm以上もある悪性SFTですが、
血管が蛇行して腫瘍内に入り込んでいく様はやはり当科症例に類似しています。

最後にRadiopedia に提示されていた骨盤腫瘍(SFT)はやはり
巨大で中央部分が壊死して、辺縁のみ濃染して、中心部に向かって蛇行した動脈は入り込んでいる様子が部位は異なるものの類似していました。

画像を転載します。

以上、小さい時は全体が比較的よく濃染し、後期相でも濃染は持続し、大きくなるにつれて壊死部分が増加していき、巨大化すると中央の大部分が壊死を示し、辺縁は濃染し、動脈血管が周囲から腫瘍内に蛇行しながら入り込んでいく様な状況になると思われました。

以上です。今日も読んでいただきありがとうございました。
1日前に誤ったメール(未完成メール)を送信してしまい
誠に申し訳ありませんでした。

以下。締め切りが迫っています。
よろしくお願い申し上げます。

佐志先生の教材もお忘れなく

http://medicaldp.com/shoulderMRIthirdversionGeneralVersion8%25.html

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数ヶ月前から腹部腫瘤を自覚していた40才台男性例

駅前のドトールより

イチロウです。

(アイキャッチ画像は、国営平城宮跡歴史公園です。ここは、奈良時代の遺跡が保存・復原された公園で、世界遺産に登録されています。)

私くらいの年齢になるとなぜか年金関連のユーチューブがやたらと流れてきます。以前そういうチャンネルを見たからというのもありますが、年齢に関係しているのかもしれません。

一方、大学病院の若手が専門医をとって辞めてしまうのが多々見受けられます。その様な若手が一体どんな病院に変わっているのかわかりませんが、

絶対にフリーランスでバイトだけで食べていくのはどうかなあと思います。バイトだけだと厚生年金を払うことはないため最終的に年金が減るからです。

厚生年金は国民年金の予算の補填に使われているというダークなことは言われていますが

歳をとってもしかして働けなくなった場合の保険になります。しっかりとした比較的大きな病院であれば、病気をしても半年から1年くらいは6割程度の給与が出るところもあります(どうせならそういう保証も手厚い病院を選ぶべきですね)。

自分がもし65歳すぎても現在と同じペースで働いていられる自信のある人はいいですが、そうでなければ(大半の先生はそれは難しい?)

厚生年金を払ってもらえる常勤でいることがベストではないかと(世間的には引退年齢が近い)私は個人的には考えています。技師さんならおそらくフリーランスで働くことは少ないとは思いますが

医師の場合、放射線科医や麻酔科医などある程度バイトだけでも(ちなみに当院はバイト麻酔科医師が増えて困っています)問題なく現在の生活ができてしまうと、ついついそのことを忘れてしまいます。

80歳超えていて、体が弱ってきているときに年金である不労所得が年200万入ってくるとしたら

いくら現役世代に厚生年金を取られすぎていると感じたとはいえ、強いです。

「いやいや私はそのために莫大な貯蓄をしています」というのならいいですが、

79歳まで働けたとしても、80歳以上で、もし100歳まで20年も生きてしまったとしたら

年金だけで4000万円も不労所得として入ることを考えると、

それを補填できるだけの貯蓄額を事前に用意しておくのはかなり大変な話です。

なので、大学病院を辞めてもできる限り厚生年金を払ってくれる病院で勤めることをお勧めいたします。

人生の生き方は人それぞれなので、あくまで個人的な感想と思って聞いていただけると幸いですが、、、ちなみに年金のYouTubeのインタビューに答えてくれている人で医者の人は見たことがないですが

経営者(自分の厚生年金を自分の会社に払わせていた場合)だった

夫婦公務員だった人などは皆さほど老後暮らしに不安は抱えていない様です。

飲み屋や何かのお店をやっていた人は老齢基礎年金のみなので皆さん老後に大変ご苦労をされている様です。

さて、本日は久々の症例提示ですが、数ヶ月前より腹部腫瘤を触知する様になり、血尿も出てきている40歳台男性例を提示します。さて、どの様に考えられますか?

ちょっと難しいかもしれません。

結構古い症例なので画像の質が悪いのはご容赦ください。

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佐志先生の教材もお忘れなく

http://medicaldp.com/shoulderMRIthirdversionGeneralVersion8%25.html

Dr. Mの救急画像診断も募集

なんとなく行う非体系的救急画像診断を理論的画像診断に変えるヒントを世界的エキスパートの松本先生がわかりやすくこの2週間解説しますが、、、

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加算、遠隔地読影についてのアンケート結果:その2

駅前のドトールより

イチロウです。

(アイキャッチ画像は白川郷の冬景色です)

質問3では 遠隔読影を外注していますか?

という質問でしたが、

自分が井の中の蛙だったことが判明です。

76.7%という高い数値で遠隔読影を外注していない施設が多いんだなあと

びっくりでした。

内訳を見ると

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遠隔読影は外注せず、自前と非常勤で賄っている:76.7% と最も多く

残りはいずれも3%  で

遠隔外注と非常勤一人、月に数件だが外注、非常勤医が自宅で遠隔読影、学会など2人とも不在の時に外注、ドック分のCTCとマンモを外注、遠隔読影外注のみ などがありました。

当施設の様に常勤2人なのに外注という施設はなかったので

皆さんかなりの量を一人で読影されているのだなあと感じました。

 

私の知人で常勤部長をしていますがあまりに読影が早くて、50件程度(頭が含まれていますが)を数時間でこなせるので、一人で加算2を取るから給与を上げてくれ

と院長と交渉していた先生がいました。

でも、皆一律で、おそらく年功序列で、給与は上げられないと言われ

50件のままにしている様です。実力的には80件程度は簡単に一日

読影できるのですが、、、

日本のダメな年功序列制度の弊害でしょう(やる気のない人も給与が同じ)。

多分常勤医師として標準件数以上を読影している彼ですが

彼の場合、非常勤医としてバイトしている他病院の件数の方が多いかもしれません。

 

日本放射線専門医会・医会の雑誌でも32件程度/日というのがありましたから

日本の放射線科医は働かされすぎなのだと思います。

32件だと月に20日労働とすると640件/月 なので

知人の50件/日 というのは働きすぎの範疇に入るかもしれません。

ちなみに私は600〜700件/月程度の読影です(ただし、頭はほとんど含まれない)。

同僚の若者はいつも軽く700件を超えて読影していますが、、、

 

質問3ですが、遠隔外注ではなく

自分の働く病院から離れた遠隔地または病院が遠いため自宅などで遠隔読影をしているか?という質問ですが

半分以上の56.7%が遠隔地読影も自宅読影もしていないということでした。

つまり昔と変わらない雇用形態のまま働いている施設が半分以上だったということです。

それ以外は頻度の高い順に並べると

自宅で遠隔読影をしている  20%

自分の病院よりは自宅に近い遠隔読影室で読影している 6.7%

残りはいずれも3.3%で

日当直帯に相談があれば自宅で読影

土日や夜間の緊急読影依頼対応で(自宅?)

夜間緊急と土日の分は自宅から遠隔読影している

院内で他施設の遠隔読影

バイトで自宅読影している

というものでこの5つのうち最初の3つは24時間365日読影対応しているということで大変ご苦労されているなあと感じました。頭が下がります。

残りの2つはちょっと趣旨が違って、院内で他施設の遠隔読影なんてできるの?業務違反にならないの? とちょっと思った次第です。誤解なら謝ります。

バイトで自宅読影は他にもやっておられる先生は多いかもしれませんね。大学時代私もやっていました。このアンケートの趣旨とは異なるということで他の選択肢に該当されなかった先生が入れられたのかもしれません。

 

最後に意見をお伺いした中からピックアップしておきます。

ご意見

①遠隔読影は、人の交流やフィードバックがしっかりできる環境なら良いなと思いますが、そうでないと(バイトでない)主軸にするには辛いと感じます。

②一人の読影医では、すべての科の読影は難しく、外注契約している時点で取得できない管理加算は緩和して欲しい。

③当院では常勤1+7コマの非常勤で加算2を維持していますが,非常勤の2コマが大学教授です.この教授の読影単価が1件●万円程度で,しかも〇〇連発です.病院長は常勤医派遣に対する対価として割り切っているようですが,加算がこのようなかたちで喰い物にされるのは,常勤医としては不本意です.加算が放射線診断医の就職の援護となっているのは事実ですが,一方で悪用する偉いひとがいることも否めません.便乗愚痴で失礼しました。

イチロウの感想

①のご意見はごもっともです。私もたった一人常勤を9年間やった経験からとにかく人と話したくなります。それは技師さんでもなく、看護師さんでもなく、事務さんでもなく、自分たち放射線科医のことをわかっている人、つまり放射線科医と会話がしたくなるものでした。当時、まだ、今も働いてくれていますが、よく会話をしてくれる某先生が週に半日きていただいていたことは今でも頭がおかしくならなかった理由の一つだと思っています。彼には感謝しています。一方、フィードバックという点では完全に遠隔読影のみとなってしまって、カルテが見られない環境だとスキルがアップしないだろうと思います。遠隔地で主病院の勤務をしていくにはカルテ閲覧が基本かもしれません。

②のご意見。同感なのですが、素人なりに本を調べて読影しています。それがいいことなのかわかりませんが、骨軟部専門の非常勤医、遠隔読影医の先生を探すのはかなり困難なので、加算を取得する(あるいは今後していく)という観点からは致し方ないのかなあと思っています。それにしても月に数件流しただけで加算が取れなくなるという制度はどうなんでしょう。前回も書きましたが、お偉い読影をしていない先生が決めたことなので仕方ないかもしれませんが、20年以上経っても改善しません。せめて管理加算1については月100件まではO Kなどとして欲しいものです。

③のご意見はごもっともです。常勤医師を派遣しているもとの大学病院放射線科教授なら病院管理者にとってはある程度納得できるかもしれませんが、常勤放射線科医には納得できないですよね。若くてバリバリ働いてくれる先生に来ていただいてその先生に給与を支払いたいものです。当院にも教授でもないくせに給与を食い物にしていた非常勤医師が長く働いていたことがある(実質2,000万円以上の損失)ので働かないで給与が高いというのは非常に感情的にはかなり頭にくるものです。

以上です。

今日もご購読ありがとうございました。

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加算についてのアンケート集計結果 その1

駅前のドトールより

イチロウです。

(世界遺産:エジプトギザの墓地にあるピラミッド複合体と大スフィンクス)

さて、以前遠隔地に読影室を作って読影をする予定であるというお話をしました。

最近物件が見つかり、それもかなり駅近物件が見つかりました。

しかも駅からも歩いて200m もないくらいの便利な場所にです。

 

物件が確保でき申し込みも内覧も済んで、契約へ進むことになり

1-2ヶ月以内には本格的に運用ができる運びとなりました。

 

問題は端末の速度です。病院にいる時と同じ様に動かなければなりません。

ただ、業者をよんで伺ったところ

通信速度については大学病院と分院で結んでいる通信インフラを手掛けた実績のある会社である

ということ

実際の通信速度は、その地域でどれだけの人間がインターネットを使用するかどうかに

かかっているだけだということを伺いました。

そして物凄い数のアクセスがその地域(マンション内という意味でなく、NTTが扱っているエリアごとにそれは決まる様です)に生じる環境にならない限り

速度は問題ないと言ってくれました。実際には体感してみないと実感できませんが、、、

 

で、以前これに関連してアンケートをお願いさせていただいて、

もうそれが集まらなくなったので集計結果をご報告したいと思います。

 

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まず、質問1では加算幾つをとっているかという質問でした。

加算1が13%, 加算2が60%、加算3が13%、

加算が取れていないのが13%という結果でした。

意外にも加算2の割合が多かったのには驚きでした。

加算が取れていない理由としては

遠隔画像に外注しているため、月に2-3件程度、院内読影医の不得意分野を外部の遠隔読影医に出しているから、一時不在時に遠隔外注しているため

という結果でした。つまりわずかであっても遠隔に流した瞬間

加算1が取れなくなるという厳しい現実がある様です。

 

実際1人で病院の全部を読影されている先生は、加算をとろうとすると

夏休みなんて休んじゃいけない ということになるわけです。

また、数人であっても読影依頼の数がキャパを超えていたら当院の様に

外注せざるを得ず、加算は取れないということになります。

 

昔、加算の締め付けが緩かった当時、遠隔に出しまくって、

加算2をとっていたという施設が槍玉に上がり遠隔1件でも流すと

アウトという厳しい加算に対する締め付けになってしまった様です。

 

しかし、現実的にはおかしな話です。加算を取りたかったら休むな、終わるまで

何時になるまでも働けと厚生労働省に言われている様でひどい話だなと思います。

月に何件以上はアウトというくらいに緩めて欲しいものですが、、、

 

逆に加算2については大学病院のみならず中小の市中病院でも案外とっている病院は

多いかもしれず、60%という数字になっているのかも知れません。ただ、毎日毎日80%

読影しなければならないというノルマに縛られ、読影の要求が無い様な

脳外科や神経内科のCT、整形からの骨のCTなども読まなければならないのかと

思うと憂鬱になりそうです。加算2を頑張って維持されている先生には敬服いたします。

 

質問2ですが、常勤は何人ですかという質問ですが

専門医10人以上は10%との回答で、おそらく加算3を取っている施設だと思われます。

専門医6人以上10人未満の施設も13% あり、

上記質問1で加算3は13%あったので、その一部は加算3を取っているのだと思います。

専門医5人の施設は0%

専門医4人が3%、専門医3人が6.7%、専門医2人が30%、専門医1人が36.7%と最も多かった様です。

専門医だけの数を出したので、もちろん専門医直前や一次試験を通った専攻医の

数を含めてみないと実態はわかりませんが、専門医の人数からの参考値です。

大学病院は会議もカンファランスも学生担当もいるのでかなりの雑用が多い中で

頑張って加算をとっておられる(取らされている?)のかもしれませんが

専門医の数で言うと1人や2人しかいないにもかかわらず

頑張って加算1や2をとっておられる一般病院の先生がいらっしゃることには頭が下がります。

 

私の知っているある施設ではCT2, MRI 1しかなく専門医3人と非常勤4−5人

で余裕で加算2を取っている施設もありました。

私の施設ではCT3, MR2, RI 1なので専門医2人しかいない状況ではやはり

加算は取ることが難しい様です。

つまり実際はモダリティの数と専行医を含めた放射線科医全体の数を見ないと実態はわりません。

あくまで参考です。

 

さて、今日はかなり長くなったので結果報告はここまでとします。

 

以上です。イチロウでした。

今日もメルマガご購読ありがとうございました。

 

PS. イーパイ2月分を募集します。

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2024年動画約4週間見放題企画 2月募集

締め切りは2/6です。

PPS.

救急画像診断セミナーは 需要がほとんどなくなってしまった様で

今回募集するかわかりませんが、できる様だったら募集します。

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あけましておめでとうございます。先週の問題の回答

あけましておめでとうございます。

駅前にいかず、ドトールにも行かず
コーヒーも飲んでいない
少し酔っ払っていることをご容赦ください。
イチロウ です。

(タイトル提示の画像は金山区の万里の長城です)

昨年は、コロナ復活でなんとか頑張って
EOBの商品を3年がかりで完成させ、なんとか世に出しましたが
ほとんど予測に反してご参加いただけませんでした。
これは流石に凹みました。

しかし、年後半の PI-RADS のイーパイシリーズはやはり人気でした。
年末クールにご参加された先生は今もお勉強されているかも知れません。
ありがとうございました。募集して良かったと思っています。

さて、昨年末問題だけ出しておいて
宙ぶらりんになっていた80才台の男性の症例についてですが、、、

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(メルマガ読者の先生はこちらから)

他院より転送搬送
既往歴に前立腺癌陽子線治療、腎癌手術(8年前)があり。
20XX年2月19日 静脈洞血栓症によるくも膜下出血と診断され入院

入院より3週間後に 嘔吐、意識レベル悪化にてCT施行。
胃の周囲に遊離ガス、門脈気腫あり。造影CTでは腸管虚血は診断されず。
外科は消化管穿孔とカルテに記載がありましたが、脳出血で状態が悪いため
手術適応なしとなりました。家族も希望せず。
その後保存的治療で経過を見ていると約1ヶ月後の3月末までには
状態が改善し、近医に転院となっています。

提示されたCTでは胃璧に沿った空気が見られ、門脈ガスを伴っています。
その割に造影CTで消化管の壊死を疑わせる様な所見に乏しく
胃壁の濃染もあるように見えます。

しかも、5日後のCTで全て改善していることから


気腫性胃炎というよりは、胃の気腫とそれが門脈に流れただけ
と考えられます。

Radiopedia より Gastric emphysema 胃気腫 の原因について記載されているのを日本語訳し、追記しました。原因は様々です。
1. 気腫性胃炎(胃蜂窩織炎のうち,ガス産性菌による もの);死亡率41-60%と高い報告もあり。
起炎菌としてEnterobacter属, Enterococcus属,Klebsiella属など
2. 胃自体の虚血
3. 腐食性物質の摂取
4. 胃内圧の上昇 原因として内視鏡時、過食、激しい嘔吐、消化管拡張時など
5. 穿孔性胃潰瘍
6. 外傷:内視鏡時の生検など、胃管挿入時など
7. 特発性
他、胃外の原因として
8. 小腸や大腸の虚血
9. 壊死性胆嚢炎
10. ブラ破裂などによる肺由来のもの

今回の症例は画像とその後の経過を考慮すると1, 2, 3, 5, 6 8, 9, 10は考えにくく
4, 7 が考えられます。原因はわかりませんが、胃内圧が上昇したか、特発性です。
症状に嘔吐と記載があるものの、原因なのか結果なのかはわかりません。

ジョイス先生正解です。素晴らしい。

以上です。

本年もよろしくお願い申し上げます。

イチロウでした。ありがとうございました。

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