休みを取る心理的壁 さて今日の症例はとても簡単です。

駅前のドトールより
イチロウです。

当院は、完全週休2日性を前院長先生が実行され
非常に働きやすくなりました。
特に放射線科医は当直ができないので
16年前に完全週休2日を実施してから
休みの日に出勤したのはIVR症例の止血で10回以下です。

さらに年間有給休暇が夏休みを入れて24日あり
初期の頃の休みが取れなかったmax 20日分は合算することができるので
勤続年数が長い私の場合毎年初年度は44日有給休暇を理論上は取ることができます。

とはいえ、日常業務があるのに44日取ることはnext to impossible(不可能に近い)です。
通常、辞める先生が一気に消化して消化する場合が多いです(そういう先生に限り
勤続年数は5年以内の先生が多い様です。やめてやるぜーという感じでしょうか)
そうは言っても今までほぼ消化できなかったので定年までの間になんとかゆっくりでも少しづつ
消化したいと思い月に数日づつ取っていこうと考えたのですが
部下の手前なかなか心理的に取りづらいです。

そこで、部下にも休みは自分で好きなだけとれと先日ついに言いました。
部下はまだ入職歴が4年目と浅いですが、繰り越しを入れて休みは年度始めに24日あります。
この24日を自由に取得しよう思うと夏休み4日を除くと
20日もあります。なので、念のため3日程度残すとしても17日も存在するのです。
単純に月に1日はデューティで取得してもらって、さらに5ヶ月は2日づつ消費することになります。
でも、それを言った瞬間に今月は半日休みを追加していました(子育て世代だからでしょう。子供の送り迎えなど用はたくさんあります)。

相手に言ったのに私の方の取得に対するブレーキがさほど緩和されていないのは何故でしょうか?

さて、私の休みに関する心理的抵抗感の話なんてどうでもいいですよね。
今回は比較的簡単な症例です。一髪で正解を言い当てることができるでしょう。
前回同様脾臓症例です。

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69歳男性で、糖尿病、背部痛から上腹部痛があり ダイナミックCTを近医から依頼されました。
画像はdynamic CT, dynamic MRIです。

診断はいかがでしょうか?よく見かけると思います。

本日締め切りです。21:00頃には終了します。

すでにご参加の先生は動画をご覧になっていることと思います。

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大谷さん。元気ありがとう。昨日の症例回答

院内のコーヒー専門店で購入して
読影室で飲んでいるイチロウです。

最近、野球観戦がつまらなくなり
いつの間にか大谷選手を応援しています。
妻は大谷くんがMVPを取ったあたり以降づっと注目している様です。
全く野球なんて興味ないのですが、、、

そういえば、昨日は29号を打ったにもかかわらず
チームは負けてしまいました。
チームは応援していないので、あまり気にならず
大谷くんだけを応援している自分もいます。

日本人の活力の一つとなっているのかもしれません。
(あ、野球になんの興味のない先生にはすいません。)

さて、昨日の症例ですが、、、

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喘息があるため、CT, MRI(乳がん症例なので造影できないということで
当時は乳腺DWIBSもスタンダードではなく、MRIは未施行で、CTは全て非造影検査)
は造影がなされていませんでした。それは残念ですが

左腋窩にLNメタ出現ということで、一緒に腹腔鏡下に脾臓を摘除しました。
ゆっくりとした成長だったのですが、明らかに増大している点で外科医は気になったのでしょう。

回答は 脾臓過誤腫です。
病理では被膜のない境界明瞭な腫瘤で、割面では内部に繊維化病変が認められ、
組織学的には白脾髄様構造は見られず、、赤脾髄様構造が主体をなすが、
脾洞は細く、、脾索優位な所見が認められるとあります。
また、肉眼所見同様に内部に繊維化が見られる。とも記載されています。

脾臓過誤腫の所見で、悪性所見なし
とのことでした。

脾臓過誤腫については 日本語教科書の 腹部のCT第三版 脾臓p294より
単純CT上脾実質と比較してわずかに低吸収域〜等吸収域を示し、腫瘤を指摘困難なこともあり
ダイナミック造影早期に不均一に造影され、平衡相では遅延性増強効果を呈し
平衡相で等吸収域を示すときは指摘困難であると述べられています。
赤脾髄の中の脾洞と繊維成分のなかに造影剤が停滞するためにそうなるのだと言っています。

肝胆膵の画像診断改定2版 p624-5 では
画像所見は多彩だが、主に脾洞組織と繊維成分の多寡に依存し、
脾洞組織が多いとVascularityが高くなると言われ、赤脾髄型や混合型では
脾実質に類似した所見を認めることは特徴と言われています。

血管腫との鑑別という点では血管腫ほどの高信号にならないということくらいでしょうか。造影遅延相は類似するでしょう。

Ramani M, et al. Splenic hemangiomas and hamartomas: MR imaging characteristics of 28 lesions. Radiology. 1997 ;202:166-72
では23個の脾臓血管腫と5個の過誤腫とを検討しています。
脾臓の血管腫は19個の血管腫が進行性の求心性造影パターンを示し、
遅延相で均一濃染を示し、肝臓のそれに類似していたと述べられています。
5つの過誤腫のうち4つのみT2WI が撮像され、3つは脾臓と比較して高信号、1つは低信号(様々な信号)
過誤腫のダイナミックでは早期にびまん性に不均一濃染を示し、遅延相で均一濃染しています。と述べられています。

また、Wang JH et al. Multi-modality imaging findings of splenic hamartoma: a report of nine cases and review of the literature. Abdom Imaging. 2013 ;38:154-62.
では9人の9つの過誤腫について述べられています。
非造影CTでは等吸収域3個、わずかに低吸収域 4個、3個の病変は石灰化あり。
MRIではT1強調像で等信号3個、低信号2個、T2強調像では不均一な低信号2個、わずかに高信号2個、高信号1個を示していました。結局様々
ダイナミック造影では動脈相でびまん性の軽度の不均一濃染が6個、顕著な濃染1個、造影なしが1個
やはり、信号強度の違いは上記病理像での脾洞組織と繊維成分の多寡に依存しているのかもしれません。

最後に Metser U, et al. Solid splenic masses: evaluation with 18F-FDG PET/CT. J Nucl Med. 2005 ;46:52-9.
で脾臓病変の良悪性の鑑別診断のPETの能力について述べています。これによると
脾臓の良悪性充実性病変鑑別における 18 F-FDG PET/CT の
感度、特異度、陽性的中率 (PPV)、および陰性的中率 (NPV) は 悪性病変がある場合
100%、100%、100%、100% で
背景に悪性病変がない場合は、それぞれ 100%、83%、80%、100%。 でした。
既知の悪性疾患を有する患者では、SUV 閾値 2.3 は、感度、特異度、PPV、NPV がそれぞれ 100%、100%、100%、100% で良性病変と悪性病変を正しく区別しました。 既知の悪性疾患のない患者では、偽陽性結果はブルセラによる肉芽腫性疾患によるものでした。

つまり、FDG-PETでの脾臓充実性腫瘍の良悪性鑑別は非常に診断能が高く
今回の症例もほとんど集積しておらず、良性と判断できます。

今回の症例も、造影が全然できない中、PET-CTは役に立ちましたが
手術が選択されて、結果的に結果を知ることができました。

以上です。

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明日締め切りです。

また、EOBも7/8でいったん販売終了です。

何を今更 EOBなんて勉強するんですか?

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急増する消化器内科医、60才台女性の増大する脾臓腫瘤

駅前のドトールではなく
病院内のコーヒー専門店から 持ち帰って飲んでいる
イチロウです。

最近ローテーションしてくる若者の傾向として
手に職をつけたい研修医が増加している様に思われます。
若い段階からすでに人生の設計図を
お金を稼ぐという方向に行っている様に思われます。
そのためには手に職をつける、例えば消化器内科医です。
外科ほど大変なのは嫌だけど、内科系で手に職をつけられるのは
消化器で、将来潰しが効くのでは無いか、ぼんやりと思っている様です。

鼻いや端(はな)から大学に残って研究なんてやろうと思う若者は極めて少ない様です。
当然一般病院にこられている研修医なので
バイアスがかかっていることは間違い無いのですが、
少なくとも当院においては消化器内科医が急増しています。
こんなに必要なのかと思うほどいます。

そうなると病院は 真っ赤な方向へと進むことになるのでしょうか?
ちょっと心配はしています。
当然、消化器内科医が増えてくれば、競争が激しくなる分
開業後の(患者の取り合いで)食い扶持が少なくなることも考えられるのですが、、、

さて、以前も言いましたが、パソコン内を整理していて
症例が蓄積しているので
今日から数例の脾臓症例を提示します。

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メルマガ読者の先生はこちらから、

脾臓疾患って極めて少なく、巡り合ったのに画像が不十分であるという
皮肉に巡り合わせてしまい
え、造影もないのかよ。MRIってとってないのかよ。というのも
ありますが、実際の臨床ではわかる範囲で判断しなければならないこともあるので
一応、挑戦してみてください。

では、

今日の症例は 60歳女性で 右乳Ca. にて手術を施行。
喘息があったため、全て単純CTのみで、造影のMRIもされていません。
また、当時はDWIBS の概念もなかったので、造影ができないという点で
乳腺のMRIも撮像されていません。

あるのは経過を追った単純CT と最後に脾臓を摘出直前のPET-CTのみです。
先生はどの様にお考えになりますか?
ちなみに、乳がんは切除されていますが、左腋窩リンパ節の再発をきたしたのと
同時に脾臓が腹腔鏡下で摘出されました。

今日は以上です。

EASY-PI-RADS は締め切りは7/2 まで。
視聴スタートは7/1 からです。
よかったらどうぞ。

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また、今更聞けないEOBMRIは動画4つを一つのパネルに
まとめたものを作りましたので
順々にメール配信に従って送られてくるのを見るというより
先に動画だけでも視聴して勉強できる様にしました(7・8申し込み分まで)。

ご案内は7/8までです。

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よかったらどうぞ。

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車に興味がないのに3兆円の不思議 回答

駅前のドトールから
イチロウです。

最近、ローテーションしてくる研修医は
全く車に興味がなく、
同僚放射線科医の息子さんも公立大学医学部に最近合格したのですが
その息子さんも弟さん(高校生?)も全く
車には興味なく、家の駐車場は家族の
4台の電動自転車だけが駐車しているようです。

にもかかわらずトヨタの営業利益は3兆円を超える活況ぶりです。
不思議です。

そんな話はどうでもいいですよね。
そういえば昨日の症例ですが、、、

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メルマガ読者の先生はこちらから

色々、回答してくださってありがとうございました。

回答は、背部の皮下の境界明瞭な腫瘤で
軟部組織吸収域を主体とした内部にそぼろ状の脂肪織を含有する
鑑別は Spindle cell lipoma,  liposarcoma などです。
弾性繊維腫も挙げたくはなりますが、深部の線状に脂肪の入り組んだ感じで
境界も不明瞭で、全体が紡錘状です。骨軟部疾患の画像診断(弾性繊維腫p372)より
ただし、血管腫も鑑別となるかもしれません。厳密にはliposarcomaは除外困難です。

Spindle cell lipoma は中年男性の頸部、肩、背部などの皮下に存在する
脂肪細胞、紡錘状細胞で構成される良性の腫瘍です。
本症例は何年か前からあったとのことなので、経過からも良性の可能性がありますが
完全に脂肪肉腫を否定するのは難しいかもしれませんね。

AJR 181, 2003, p1173-1429
Clin Radiol. 2020;75:396.

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寒気と頻尿。皮下腫瘤の回答は?

おはようございます。
病院のコーヒー専門店から持ち帰り
読影室より
イチロウです。

約1ヶ月前、読影していたら、急に寒気に襲われて
全身がだるくなって、それでも
部下もいることだし、頑張ってなんとか17:00まで読影を
続けていました。それでも
耐えられなくなり、数件を残して無念の定時帰宅を
しました。

翌日、目が覚めて直っていると思いましたが
やはり寒気と倦怠感は変わらず、37.5と
大した発熱ではなかったですが、大事をとって
休みとしました。

早速、近所に発熱外来で分離診療を行っている内科を
受診したところ、、、

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コロナもインフルエンザも陰性
じゃあ大丈夫だあと思ったのですが、よくよく思い出すと
夜中の頻尿がひどく、お恥ずかしいことに尿もれまで

ま、まじか、ついに俺も終わり、お迎えがきた
と思ってしまいました。

しかし、冷静に考えてみると
夜間の頻尿、と尿もれ、倦怠感、う?
医者ならわかるやないかーい。
もしかしたら、前立腺に炎症? と気がつき
近所にできた新しい泌尿器科を受診。

結局、直腸診をすれば、判断できますが
男性なので前立腺炎の方が確率が高いですね。と言われ(直腸診はせず)
ニューキノロン系の昔頻繁に使われていた
レボフロキサシン500mg7日間投与で直ってしまいました。

特に悪い遊びはしていませんが、残尿がある人は
なるそうです。自分としては頻尿は20−30才台からの日常のことで(弟も同じ)
一日12回なんてのは当たり前だったので気にも求めていなかったのです。
(コロナが否定できたことに安心してしまって本質に迫れなかった?)
流石に夜間頻尿は不眠にも繋がっていたので
生まれて初めての泌尿器科受診に至ったわけです。

さて、そんな私の恥ずかしい話は置いておいて、

さて、今日は 61歳男性の皮下に生じた腫瘤の症例を紹介いたします。
左背部の皮下の腫瘤を触知し近医受診。数年前から自覚はしていたようです。
初診時4cm 大の弾性軟の皮下腫瘤で、可動性は一部不良。

何を考えますか?

今日は以上です。

イーパイ1ヶ月見放題 募集します。

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昨日の回答 簡単すぎていたからこそ 確認。

病院の地元コーヒー専門店から
イチロウです。

先週の土曜日 私のメルセデスを点検に入れました。
毎日かなり距離を乗るのでそろそろ値打ちがなくなるのではないかと
不安になって聞いたところ

ちなみにそろそろ5万キロに達しそうです。5000kmの中古で購入したので
4.5万キロも走行したことになります。
車検は1回通して、あと今回1年点検となります(距離が多いので1年持ちませんが)。
今回の点検ではブレーキパッドを含めて多くの部分を交換したので
15万円ほどになるそうですが、事前点検費用を16万円前払いしていたために
一銭もかかりませんでした。

あと、2回点検を無料でできるので車の価値は減りますが
もったいないので、乗ろうと思います。メカニックにはそう勧められました。
あ、そんな話はどうでもいいですよね。

昨日の症例は すぐにお分かりになったと思いますが、、、

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胃から連続する病変としてすぐにGISTをあげられたと思います。

しかし、日常GISTが石灰化することってあったでしょうか?
実際にはほとんど見ないというのが実際ではないでしょうか?
したがって、鑑別としては粘液性の肉腫系腫瘍を
挙げざるをえなくなってしまいます。一択 とはならないのです。

実際にGISTが石灰化するのか?ですが、
日本語の論文で  Progress of Digestive Endoscopy Vol.80, No.2 2012年, p84-85
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pde/80/2/80_84/_pdf

論文内にて ”GISTにおける石灰化の報告 は少なく,胃GISTにおいてPub Medおよび医学中央雑誌で我々が検索し得たのは過去に6例のみであった” とあります。

また、”本症例を含めた7例は平均69.3歳,男女 比4:3,
発生部位は穹窿部および体上部に多かった。 石灰化の形態としては,
塊状4例,結節状2例,巣状 1例,
腫瘍径は28mmから110 mmまで様々で,
NIHの リスク分類では,低リスク4例,中間リスク1例,高 リスク2例となった。
本症例を除く6例では胃部分切除術が施行されており,
1例が肝転移再発したほかは, 再発なく経過していた。
石灰化を伴う胃癌は,印環細胞癌や粘液癌が多く,予後不良であることが知られて いるが,
GISTにおける石灰化の臨床的意義は不明で あった。” とあります。

Impact factor は0.15と低いですが、タイの論文では

Pinaikul S, et al. 1189 Gastrointestinal stromal tumor (GIST): computed tomographic features and correlation of CT findings with histologic grade.
J Med Assoc Thai. 2014;97:1189-98.
では石灰化の頻度は50人中 7人の14%と述べられています。

Cai PQ, et al. CT Characterization of Duodenal Gastrointestinal Stromal Tumors. AJR Am J Roentgenol. 2015 May;204(5):988-93. doi: 10.2214/AJR.14.12870. PMID: 25905932.
では胃原発ではなく十二指腸原発ですが、3/34(8.8%)例と記載されています。

また、症例報告ですが

Salati M, et al. Heavily calcified gastrointestinal stromal tumors: Pathophysiology and implications of a rare clinicopathologic entity. World J Gastrointest Oncol. 2017:135-141.
では胃の9.5cmの広範囲で顕著な石灰化を伴う胃GISTを提示しています。

Fig.1より引用

2例の報告ですが
Kim HS, et al. Gastrointestinal stromal tumors of the stomach with extensive calcification: report of two cases. Intern Med. 2012;51:2555-2558.
2例の胃(8cmと6.5cm も症例)
これほど顕著な石灰化であっても、GISTの可能性は否定できない
という例でもあります。

Fig. 1Aより引用

Fig.1Cより引用

他、日本人の顕著な石灰化の症例報告を提示します。
Yoshida H, Mamada Y, Taniai N et al:Spurt bleeding from a calcificated gastrointestinal stromal tumor in the stomach. J Nippon Sch, 72:304-307, 2005

Fig.1より引用

竹林正孝,徳安成郎,豊田暢彦,他:吐血で発症した高度石 灰化を伴う胃GISTの1例.日臨外会誌, 70:2336-2340, 2009

Fig. 2より引用

まとめ
石灰化したGISTの頻度は決して高くないものの(8.8〜14%程度)、
GISTは様々な程度の石灰化をきたすことがあり、
時に顕著な石灰化を呈することもあるのは知っておくべき事実である。

今日は以上です。
メルマガご購読ありがとうございました。

また、今更聴けないEOB-MRIもよかったらどうぞ。

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憩いのコーヒー。症例の提示

おはようございます。

イチロウです。数年前に院内にコーヒー専門店が
できました。
値段も、氷がめちゃめちゃ多いドトールと違って
コーヒーの量が多いのに 250円 とかなりリーゾナブル
設定でした。

しかし、

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**メルマガ読者の先生はこちらから続き**

最近突然物価高の煽りを受けて、一気に50円も値段を上げてきました。
でも、ドトールよりうまいので300円となっても
(ドトールはコーヒー量がより少なくて350円します(Large sizeが同等))
買ってしまう自分がいます。ある意味仕事頑張っている自分へのご褒美です。

さて先生には小さい日常の贅沢ってありますか?

前置きはこれくらいにして
イチロウもあと5年ほどで常勤医師を引退したいなあと思っています。
引退に向けて、パソコンを整理し、今まで
学んで教訓を得てきた症例をパソコン上で部位別に整理しました。

こんなにたくさん学んできたんだと思うとともに
やはり多くの先生と共有した方がいいかなあとも考えています。
今日はありふれた症例ではありますが

聞いたことがあっても、自分で症例を体験するか否かとは別なので
提示しようと思います。

80才台の男性で心窩部不快感で近医を受診され
同院で胃の腫瘤を疑われて紹介となりました。

既往歴には特記事項はない方です。

何かかわったところはありますか? 鑑別診断を一択にできないわけ?

診断は?

簡単すぎますね。

 

さて、ご好評のイーパイ講座 6/28-7/2まで申し込みできます。

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2日前の問題の解答例?

駅前のドトールより

イチロウです。

さて、2日前に提示させていただいた以下の画像

DWI, ADC, T2WI, Dynamic MRIで見えていたもの、、、

辺縁域左側はADC map で低信号を示している部分がありますが、拡散強調像では低信号で回答としては、

移行域の病変ですので T2WIを見て考えるのが基本です。

症例としては均一、不均一の判断が難しいですが

一応、均一症例と考えます。以下

実際の結果はご意見もあるかも知れませんが、私なら Category 3の移行域病変とします。

とても微妙な症例で難しいですが、T2WI上移行域に一部被膜様の構造を有する歪な形態の内部不均一から均一にも見えなくもない症例で、2とも言い切れず、3とするかも知れません。さすがに被膜様の構造物(赤矢印)が一部に見えているので4と取れません。また、たとえ2と判定したとしても拡散強調像でScore4の部分があるので、アップグレードして3となりますでしょうか。難しい症例です。

生検10箇所で、上記を狙ってか多めに生検していますがいずれも陰性でした。

手術標本でないので完全に正解とは言い切れませんが、、、

以下

 

以上です。

もし、先生がお興味おありであれば

連休を含む3週間を使って PI-RADS を勉強してみませんか?

病理と対比した症例のみを扱っていますので

答え合わせをせず、ただただ読影だけして出力し続けている先生は

一度そういう機会を持ってみるのもありだと思います。

Easy PI-RADS v.2.1 イーパイ2023年動画3週間見放題企画

 

 

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連休中にPI-RADS まとめて勉強はいかがですか?

駅前のドトールより

イチロウです。

今日は実はインターチェンジでスタバでしたけど。

さて、コロナも落ち着いてきて

数日前ついに加藤厚生労働省大臣が昼の会見で5・8より5類になるむねを発表していました。実際2020年に吹き荒れたコロナ 典型CTなんてここ1年見ていませんし、それはそうだろうなと肯けます。

ところでそろそろゴールデンウィーク到来ですが、個人的には仕事を開始してからこのかた 混んでいるし何もかも高いこの時期に旅行などは行ったことがありません。近場でやや高めの食事をしたりで済ませることが多かったです。1日中だらだらと過ごすのもありですが その一部を使ってこの時期は勉強のチャンスでもあります。

コロナ が始まった年を最後にセミナーをやっていませんでしたが、一番人気のあったPI-RADS seminar を再開しようと思います

そうは言ってもだいぶ自分が作成したセミナーの内容を

もう一度自分で聞き直して、あーとかうーとかを極力取り除いてみました。内容的に修正する箇所がほとんどなかったので少しの加筆にとどまりました。

幸い PIーRADS2.1はそのままでバージョンアップはされておらず、ダイナミックの取り扱いについても変わっていませんでしたので

セミナー内容に問題はないこと確認しました。

実際私がバイトしている某病院はばりばりの基幹病院でありながらいまだに、おそらく今更勉強するのはめんどいと言う理由?からPIーRADSで私が読影することを拒絶されています。それで読まれると、要望が多くなることは目に見えているので困るのでしょうか、私には前立腺の読影は回ってきません。

それにはやはり、読影のポイントと事例を一度に大量に見るチャンスがないからだと思いました。寄せていただいた感想文の中にそれを如実に、実に具体的jに表したものがありました。それは

「PI-RADSという単語を初めて聞いたのがほんの1,2週間前でしたが、今では遠い昔のようです。生検・手術結果のついた実症例が多数含まれ、かつ理路整然と構成された講演をみっちりと聞いたことで、ついこの間初めて聞いたシステムとは思えないほどの理解をすることが出来ました。自分で勉強しようとしたら、マニュアルを読んで、参考になる論文を探して、自病院の症例を探して病理結果も探して・・・と気の遠くなるような作業が待っていたことでしょう。その上、自学自習の場合には移行域読影のエッセンスに到達することがいつになるのか想像も付きません。今回の勉強結果を実践し、頭に染み込ませて行きたいと思います。」

次の症例はどのように読まれるでしょうか?

PI-RADS を知っていて読む場合と、そうでない場合では異なってくるでしょうか?すでにセミナー受講した先生は自分なりにカテゴリーをつけてみて下さい。

2年前に開催されてからしばらく開催されていなかった

イーパイにご興味あられたらこちらをご覧ください。

http://medicaldirect.jp/easy-pi-rads-v-2-1-%e3%82%a4%e3%83%bc%e3%83%91%e3%82%a42023%e5%b9%b4

 

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違和感の正体

おはようございます。

イチロウです。

前回出させていただいた肝腫瘍

S3とS7に血管腫があるのですが、S3の血管腫は典型として

S7の血管腫はやや大きめの分葉状で中央部にCleft like area という水の溜まりがあります。

ここまではよく見られる所見で、5−6cmの血管腫の特徴と言ってもいいかもしれません。

超古い論文ですが、1989年のAJRに掲載された論文で、若い頃に読んだ記憶があります。

Choi BI, Han MC, Park JH, Kim SH, Han MH, Kim CW. Giant cavernous hemangioma of the liver: CT and MR imaging in 10 cases. AJR Am J Roentgenol. 1989 Jun;152(6):1221-6. doi: 10.2214/ajr.152.6.1221. PMID: 2718858.

https://www.ajronline.org/doi/10.2214/ajr.152.6.1221

しかし、個人的に違和感を感じたのはそれではありません。

前回の質問1の答えは  血管腫 ですが、

質問2の違和感の回答は、血管貫通です。

先生はどう思われますでしょうか?

hepatic cavernous hemangioma, vascular penetration

でPubmed 検索ではでてきません。

ご経験のある先生はおられるでしょうか?

前回メルマガで 明らかに血管貫通している自分の肝臓に発生した腫瘍を血管腫と信じたかったという先生の

お話をしましたが、その読影を頼まれた超読影早い先生は30年のご自分の放射線科医の歴史で見たことがない

とおっしゃっていました。

 

ちなみに、その先生の診断をされていたのは最終結果としては

Cholangiolocarcinoma (CoCC)でした。

結局は血管貫通の代表例の一つでした(リンパ腫と胆管癌は言うまでもありません。)

イチロウでした。

PS.  今更聴けないEOBについて 以下   CoCCのまとめも動画で見れます。

何を今更 EOBなんて勉強するんですか?

 

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