加算、遠隔地読影についてのアンケート結果:その2

駅前のドトールより

イチロウです。

(アイキャッチ画像は白川郷の冬景色です)

質問3では 遠隔読影を外注していますか?

という質問でしたが、

自分が井の中の蛙だったことが判明です。

76.7%という高い数値で遠隔読影を外注していない施設が多いんだなあと

びっくりでした。

内訳を見ると

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遠隔読影は外注せず、自前と非常勤で賄っている:76.7% と最も多く

残りはいずれも3%  で

遠隔外注と非常勤一人、月に数件だが外注、非常勤医が自宅で遠隔読影、学会など2人とも不在の時に外注、ドック分のCTCとマンモを外注、遠隔読影外注のみ などがありました。

当施設の様に常勤2人なのに外注という施設はなかったので

皆さんかなりの量を一人で読影されているのだなあと感じました。

 

私の知人で常勤部長をしていますがあまりに読影が早くて、50件程度(頭が含まれていますが)を数時間でこなせるので、一人で加算2を取るから給与を上げてくれ

と院長と交渉していた先生がいました。

でも、皆一律で、おそらく年功序列で、給与は上げられないと言われ

50件のままにしている様です。実力的には80件程度は簡単に一日

読影できるのですが、、、

日本のダメな年功序列制度の弊害でしょう(やる気のない人も給与が同じ)。

多分常勤医師として標準件数以上を読影している彼ですが

彼の場合、非常勤医としてバイトしている他病院の件数の方が多いかもしれません。

 

日本放射線専門医会・医会の雑誌でも32件程度/日というのがありましたから

日本の放射線科医は働かされすぎなのだと思います。

32件だと月に20日労働とすると640件/月 なので

知人の50件/日 というのは働きすぎの範疇に入るかもしれません。

ちなみに私は600〜700件/月程度の読影です(ただし、頭はほとんど含まれない)。

同僚の若者はいつも軽く700件を超えて読影していますが、、、

 

質問3ですが、遠隔外注ではなく

自分の働く病院から離れた遠隔地または病院が遠いため自宅などで遠隔読影をしているか?という質問ですが

半分以上の56.7%が遠隔地読影も自宅読影もしていないということでした。

つまり昔と変わらない雇用形態のまま働いている施設が半分以上だったということです。

それ以外は頻度の高い順に並べると

自宅で遠隔読影をしている  20%

自分の病院よりは自宅に近い遠隔読影室で読影している 6.7%

残りはいずれも3.3%で

日当直帯に相談があれば自宅で読影

土日や夜間の緊急読影依頼対応で(自宅?)

夜間緊急と土日の分は自宅から遠隔読影している

院内で他施設の遠隔読影

バイトで自宅読影している

というものでこの5つのうち最初の3つは24時間365日読影対応しているということで大変ご苦労されているなあと感じました。頭が下がります。

残りの2つはちょっと趣旨が違って、院内で他施設の遠隔読影なんてできるの?業務違反にならないの? とちょっと思った次第です。誤解なら謝ります。

バイトで自宅読影は他にもやっておられる先生は多いかもしれませんね。大学時代私もやっていました。このアンケートの趣旨とは異なるということで他の選択肢に該当されなかった先生が入れられたのかもしれません。

 

最後に意見をお伺いした中からピックアップしておきます。

ご意見

①遠隔読影は、人の交流やフィードバックがしっかりできる環境なら良いなと思いますが、そうでないと(バイトでない)主軸にするには辛いと感じます。

②一人の読影医では、すべての科の読影は難しく、外注契約している時点で取得できない管理加算は緩和して欲しい。

③当院では常勤1+7コマの非常勤で加算2を維持していますが,非常勤の2コマが大学教授です.この教授の読影単価が1件●万円程度で,しかも〇〇連発です.病院長は常勤医派遣に対する対価として割り切っているようですが,加算がこのようなかたちで喰い物にされるのは,常勤医としては不本意です.加算が放射線診断医の就職の援護となっているのは事実ですが,一方で悪用する偉いひとがいることも否めません.便乗愚痴で失礼しました。

イチロウの感想

①のご意見はごもっともです。私もたった一人常勤を9年間やった経験からとにかく人と話したくなります。それは技師さんでもなく、看護師さんでもなく、事務さんでもなく、自分たち放射線科医のことをわかっている人、つまり放射線科医と会話がしたくなるものでした。当時、まだ、今も働いてくれていますが、よく会話をしてくれる某先生が週に半日きていただいていたことは今でも頭がおかしくならなかった理由の一つだと思っています。彼には感謝しています。一方、フィードバックという点では完全に遠隔読影のみとなってしまって、カルテが見られない環境だとスキルがアップしないだろうと思います。遠隔地で主病院の勤務をしていくにはカルテ閲覧が基本かもしれません。

②のご意見。同感なのですが、素人なりに本を調べて読影しています。それがいいことなのかわかりませんが、骨軟部専門の非常勤医、遠隔読影医の先生を探すのはかなり困難なので、加算を取得する(あるいは今後していく)という観点からは致し方ないのかなあと思っています。それにしても月に数件流しただけで加算が取れなくなるという制度はどうなんでしょう。前回も書きましたが、お偉い読影をしていない先生が決めたことなので仕方ないかもしれませんが、20年以上経っても改善しません。せめて管理加算1については月100件まではO Kなどとして欲しいものです。

③のご意見はごもっともです。常勤医師を派遣しているもとの大学病院放射線科教授なら病院管理者にとってはある程度納得できるかもしれませんが、常勤放射線科医には納得できないですよね。若くてバリバリ働いてくれる先生に来ていただいてその先生に給与を支払いたいものです。当院にも教授でもないくせに給与を食い物にしていた非常勤医師が長く働いていたことがある(実質2,000万円以上の損失)ので働かないで給与が高いというのは非常に感情的にはかなり頭にくるものです。

以上です。

今日もご購読ありがとうございました。

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