横浜で行われたいつものカンファランスの内容1 問題編

駅前のドトールより
イチロウです。

今、New PACS と奮闘中の
イチロウです。
同時に読影室もリユーアルしていて
かなりドタバタしています。

結構大変な状況ですが
メルマガの発行は忘れないようにしたいと思います。

先先々週 横浜イメージングカンファランス(第56回)が
開かれました。
いつものように難しい3問が提出されました。
1例づつ2日、開けて、2日、開けて2日と
合計6日で 問題と回答をアップしていきますね。

1例目はタイトルが
「緩徐に増大し、診断に難渋した肝腫瘍の1例」です。

まずは回答の選択肢から
①FNH, ②血管腫, ③HCC, ④ CCC, ⑤悪性リンパ腫
です。

70歳代の男性  腹部膨満感あり、超音波で血管腫が疑われました。
超音波上は境界明瞭な内部高エコーの腫瘤がS5, 6に隣接して
存在しています。確か辺縁は低エコーの2重構造だったと
記憶しています(メモ書きより)。

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写真を撮るわけにはいかないので
メモ書きと覚えている限りしか書けませんが

単純CT上増大した後の状況では内部に点状の石灰化が多発していました。
造影ではほとんど内部は造影されません。
T1WI はほとんど記憶にないのですが
T2WI ではより小さい結節(実際はS5, 6の腫瘤以外に1−2cm程度の小さいものもあり)
が認められ、

それは液面形成を呈していました。
S5, S6のは増大傾向を有しており、辺縁高信号ですが
中央部分はなんと低信号でした。

1−2cm大の小さいものは内部が結節状に濃染していました。
一方、S5, 6のはほとんど濃染が見られていませんでした。

腫瘤は緩徐な増大傾向を示していました。
その時間的な経過はどれくらいなのかは
伏せられていました。なので緩徐と言う表現以外の
具体的な時間の長さはわかりませんでした。

さて、先生は上記の選択肢のうちどれを選びますか?

選択肢
①FNH, ②血管腫, ③HCC, ④ CCC, ⑤悪性リンパ腫

画像がなく、字面だけなので想像力を要しますが
次回の回答はどうなるのか?
を考えながら、想像してみてください。

イチロウ拝

明日の回答をお楽しみに

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Fitz-Hugh-Curtis syndrome typical case

駅前のドトールより
イチロウです。

昨日は平日じゃないとできない用があって
休みを取りましたが
やるつもりだったことの
半分も出来ませんでした。

本当言うと何んもせずぼーっとする
休日が欲しいです。

さて昨日で 松本先生セミナーは締め切りました。

ご参加の先生ありがとうございました。

一昨日にご提示させていただいた症例については
放射線科医であれば 1秒 もかからないで診断できると思います。
しかし、肝は 診断をするための準備が
重要です。

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当院は急性腹症には 夜の現場で技師さんや研修医が
症例ごとに悩んでしまわぬように
単純CT, 造影はダイナミックで行っています。
それをルーチン化しています。

理由は悩んでしまう場合、どうしても夜間は
端折る方向にいくからです。

なので、ルーチン化しています。
それがいい方向に働いて今回のような綺麗なCTが
得られました。

もし、単純CTで終わっていたら・・・
もし、造影単相のCTだけで終わっていたらと思うとぞっとします。

診断ができなかったからです。
多分のレベルで治療をすることになるからです。

一応、解説と言うほどではないですが、
画像のまとめと
キーポイントを添付しておきますね。

ちなみに診断は 確認ですけれど
Fitz-Hugh-Curtis syndrome

ですよね。

回答と症例ポイントは以下

イチロウ拝

PS. 今回のセミナーが終わったら、真剣に確定申告しないと・・・
今回は 2月18日(15日ではなく)から3月15日ですから。

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AIが一瞬で診断してしまんでしょうね。撮像方法が重要!

駅前のドトールより
イチロウです。

松本先生セミナーは
本日までがディスカウント終了です。

http://medicaldirect.jp/archives/5649

本日は20歳代女性の症例
1ヶ月前中絶手術施行。その後月経なし

今回は歩行時の右側腹部痛を自覚し、響く感じあり
徐々に症状増強してきて婦人科受診するも
痛み止めが効いている時はいいが
痛み止めが切れると疼痛出現。
WBC 8500, CRP は16.00と高値でした。

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今回は 動画で3相をお示しします。

正確に言うと
単純のみ先に施行されています。やや時間差があります。

研修医は 単純CTでは緊急性なし と判断しました。
うーん。単純CTのみで何がわかる?!
と言う典型症例です。

ただ、〇〇を否定したいとのことで
造影CTを依頼したようです。

なら、なんで単純CTのみ最初にやるの?
ですが。

回答は明日。

松本先生セミナー しつこいかもしれませんが

http://medicaldirect.jp/archives/5649

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駅前のドトールより
イチロウです。

松本先生の申し込みもできなくなり
大変申し訳ありませんでした。
松本先生のセミナー
http://medicaldirect.jp/archives/5649

また、昨日の症例提示の画像を
添付し忘れたことも、大変申し訳ありませんでした。

22:10にブログにアップしたので
回答は夜に配信しました。
ブログ自体は朝からアップしていましたが
メルマガ読者の先生は
このメルマガが届いた時が
ご覧になる時間と思いますので
ブログ配信時間をずらしています。

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前日は、穿孔はなかったので
やはり、穿孔したのは入院当日と思われますが
いったいどこから穿孔したのかが
本当に迷いました。

状況証拠からはS状結腸穿孔と言いたいのですが
それはちゃんと画像を読んでのことなのか?
と自問自答しながらコンサルトを受けたため
非常に曖昧な回答となっていました。
それを物語るのが

添付しました恥ずかしい限りの私の読影レポートです。

ご覧ください。

回答です。

イチロウ拝

今だに世界からの講演オファーの絶えない松本先生のセミナーを
聞いてみたい先生はこちら

http://medicaldirect.jp/archives/5649

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50才代女性 急性腹症 先入観の方が診断可能? でもそれって画像診断?

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、昨日から
松本先生セミナー募集開始しました。

2・17締め切りに間違えて設定してしまい申し訳ありませんでした。以下大丈夫です。

http://medicaldirect.jp/archives/5649

そういえば、
先入観が真実を言い当てることはありますが
それは決して 客観的に画像を見ていない可能性もあります。
以前に50才代の女性の
1ヶ月間に腹痛、そして前日にも腹痛2回あり
2回とも対症療法で帰宅、

しかし、ついに3回目
の当日受診となりました。

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ということで
主訴は 腹痛と嘔気ですが
それを繰り返し
ついにはとどめ という感じで腹痛が激しくなって
当日に受診となりました。

しかし・・・ 数年前に赴任してきた
外科医が 単純CT ばかりしかとらないので
本当に困っています。自分は単純CTで十分に診断できると
思っているようです。

なので、前日の昼下がり、当日のCTともに単純CTのみです。

以下 3つのスライドですが。
最初の1枚が 前日のCTで、対症療法で帰宅。
次の2枚が、緊急手術となったCTです。

 

一体どこからそれが生じたのでしょう?
イチロウは自信がありませんでした。

回答は明日以降。

イチロウ拝

PS. 松本先生セミナーは2月23日土曜日14:00サイトオープン
14:00開始です。よかったらどうぞ。

2・17締め切りに間違えて設定してしまい申し訳ありませんでした。以下大丈夫です。

水曜日までディスカウントに延長します。

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火曜日まではディスカウント

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松本先生申し込み開始  イチロウがIVR手順を書いていいんでしょうか? 

駅前のドトールより
イチロウです。

今年はセミナー準備で
確定申告ができず困っています。
今年から電子的に手続きできるように
IDとパスワードを以前休みをとった時に取得しておいたことも
油断している要因かもしれません。

先生は確定申告されましたか?

さて、昨日 急性?というか亜急性の経過で
虫垂炎の診断がくだされ、
膀胱直腸窩の膿瘍をドレナージして欲しいとの外科医からの
ご依頼を受け、

イチロウもまたまた、久しぶりなのですが
CTガイド下膿瘍ドレナージ術を施行しました。
久しぶりでもやはり自転車の運転と同じなのか
体が覚えていました。
でも、助手に着くはずの若手はIVRの経験値が
少なく、手順を教えるところからやりました。

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もう、下の添付図の中に記載してしまったので
改めて書くほどではないのですが、

①シート状のマーキングを穿刺予定の皮膚面に線が縦になるように直接添付し固定してスカウト像撮影
②撮影されたCT横断像から適切なスライス面を決定し、どのマーキングを穿刺点とするかを決め、そのスライス面の位置情報をもとに実際の患者さんの皮膚面にマジックでマーキングする
③23Gの麻酔針でテスト穿刺して刺入部に問題ないかを確認。この時、腔内まで穿刺できる安全な予定距離を測定しておく。
④実際に( 18Gの外筒内を035のアンプラッツガイドワイヤーが通過できることを確認した)穿刺針で穿刺。膿瘍腔手前でルート確認。方向修正後、⑤問題なければそのまま膿瘍腔内までの安全な距離まで刺入する。
⑥膿の排泄(膿瘍臭がする)を確認したのちアンプラッツガイドワイヤーを抵抗のない程度に膿瘍腔内にぐるぐると挿入
⑦ピッグテールカテール(10F)を留置。
⑧、⑨しかし、矢状断、3D画像では先端の位置が悪く、患者様にうつ伏せになっていただかないと十分なドレナージができない。先端位置の修正が必要なことがわかる。

カテーテルの修正
❶再びカテーテル内にアンプラッツガイドワイヤーを挿入してぐるぐる巻きにして重力側・肛門側をそれが通るようにした。
❷ワイヤーの先端は比較的肛門側の重力側に位置することを確認。
❸、❹、❺アンプラッツガイドワイヤーに沿わせてできるだけピッグテールのドレナージチューブを挿入したのち、アンプラッツガイドワイヤーを抜去してチューブ先端を肛門側、重力側に位置させたことを確認。これにより患者さんが仰臥位に近い体位でもドレナージが可能
❻調整前の3D画像と比べると違いがよくわかる。

となり、めでたしめでたしでした。
穿刺ルートの関係から患者様は完全に仰向けは
難しいでしょうが、ドーナツ状の枕を買っていただいて
お尻が痛くないようにしていただきました。

翌日のポストラウンドでは元気そうにされていました。
チューブからの排泄もあったので一安心です。

今は、電子カルテの時代なので
患者さんの様子が読影室にいても瞬時にわかるので
心配しないで済みますが、
その分 足が遠のくというデメリットもありますね。

イチロウ拝

PS. 松本先生の救急画像診断セミナーは火曜日の夜までに
申し込んでいただければ、早期申し込み割引をいたします。

申し込み手順は
①サイト内の申し込みの画面上の姓 名  を記入し、
②メルアド記入し(いつも見に行くメルマガで)
③申し込みボタンを押すと
④自動的に PAYPAL のページに飛びますので
⑤そこで決済画面から 決済を行ってください。

お申し込みはこちら
http://medicaldirect.jp/archives/5649

メルアド登録しただけではセミナー受講はできませんので
宜しくお願い申し上げます。

以上です。

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昨日の回答:急性・・・ 松本先生のセミナーでTop10に入っているものです。

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、昨日の回答は
もちろん男性だったので

急性虫垂炎で間違いありません。
そしてその
穿孔 ということは放射線科医であれば
当然かもしれません。

できれば・・・

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腹壁への癒着の可能性まで
言えれば かなりプロフェッショナル
かもしれません。

でも、膀胱直腸窩の病変についてはどうでしょうか?
さすがにこの所見を見落とすことはないでしょうけれど
CT値も7.7HUという状態で
果たして強く膿瘍ということができるでしょうか?

ちょっと残念なのですが、
術中こちらへのアプローチがされず
(アプローチするには深すぎるということかもしれません)
結局、術後に放射線科へさしてほしいとの
依頼となりました。

あ、ちなみに回盲部切除が行われ
診断は虫垂炎穿孔、膿瘍形成です。

放射線科医である私はCTを見て
比較的容易にさせそうだったので
やりましょうと 快諾しました。

当院では超音波ガイドは
外科の先生が簡単にさしてしまいますが
CTガイド下となった瞬間に
放射線科医への依頼となります。
その結果については明日お話しします。
IVRをやられている先生にとっては
特段 高度な手技を必要とするお話しではありませんが・・・

イチロウ 拝

PS.   さて、明日、2月16日のおそらく20:00頃には
松本先生の救急画像診断セミナーの募集を行います。

日本でトップクラスの救急放射線科医である
松本先生のお話を聞きたい先生はエントリーしてみてください。
参加締め切りは木曜日 21:30を予定しています。

以上です。

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えー単純CTしかないの? 2週間後のIVRの依頼を予測せよ。

駅前のドトールより
イチロウです。

いきなりですが
告知していたように
来週2月23日土曜日 松本先生の救急セミナーを
14:30−17:30まで行います。
お申し込みは2月17日 日曜日の夜からです。

さて、本日は
循環器内科にOMI で通院中
ある月のはじめ心窩部痛が出現.その後症状治まったが,
腹部不快感は継続,
食欲不振もあり
その月の月末に循環器内科受診

腹部は平坦で柔らかく
右下腹部にわずかな圧痛がある程度

ところが 白血球は 1万以上に上昇しており、
左方移動あり、CRP も 3.60と上昇

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腎機能は eGFR=20程度しかないため
単純CTのみで判断しなければなりません。

CTはこちら

症状もわずか
CTは単純
でも、幸いに男性だったことは
この症例のコンサルトを受けたとして

放射線科医はそれほど悩まずにすむので
ラッキーかもしれません。

このCTの2週間後に
外科からある依頼がありました。
その依頼とは一体なんでしょう?

もちろんこの時の単純CTが読めなければ
それも想像できませんけれど。

その依頼をうけてイチロウはあれを施行しました。すると・・・

回答は 土曜日に。

以上 イチロウでした。

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Eur Radiology のPI-RADS 最新論文(2019年)では・・・

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、昨日までの割引だったのですが
このメルマガを書いているだけで
時間がいっぱいいっぱいとなったので
本当に本日火曜日まで延長します。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

お早めに。本日は 価格を修正する時間がありそうなので
本日21:00までとします。

実は今日も 若い先生からこれどう思います?
という前立腺 MRI の症例を見させていただきました。

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メルマガ読者の先生はこちらから

それはPSAが16以上と確実に癌がいそうな値なのですが
前回まで 12個の生検を行っても
Negative でした。

また、PSAが上昇傾向なのでMRIを撮影したのですが・・・
やはり移行域で悩ましくなりました。

そこで今日は移行域についての論文をピックアップしてみました。
演題は カナダ発

Krishna S1, Schieda N2, McInnes MD1, et al.
Diagnosis of transition zone prostate cancer using T2-weighted (T2W) MRI:
comparison of subjective features and quantitative shape analysis.
Eur Radiol. 2019 Mar;29(3):1133-1143.

移行域の前立腺癌をBPHと区別するためのT2WI画像の評価 が目的です。

根治的な前立腺全摘術MRIマップを用いて診断された
30例の連続症例のBPH結節 と
22例の連続した前立腺移行域の癌とが
比較されました。

2人の放射線科医 R1とR2 が主観的に
形状(円形・楕円形 vs. レンズ状)
辺縁(境界明瞭 vs. 境界不明瞭)
低信号のリム
2人の放射線科医が定量的な形状特徴(円形度など)を
抽出する病変をセグメント化しました。

カイ二乗(主観的特徴)、マン – ホイットニーU(定量的特徴)、
コーエンのカッパ/ブランド – アルトマンおよび受信者 – 操作者特性分析を
用いて統計的検定を行った。

ちょっと本論文全体を読んでいないのでやや
曖昧な話になりますが、Key Point を引用すると
• Presence of a complete T2-weighted hypointense circumscribed rim accurately diagnoses BPH. • Round shape accurately diagnoses BPH and can be assessed quantitatively using circularity. • Lenticular shape accurately diagnoses TZ PCa and can be assessed quantitatively using convexity.

つまり、完全なT2WI上の低信号のリムは正確にBPHを診断
円形の形状はBPHを正確人診断し、円形度を使用して定量的に評価が可能
レンズ状は移行域のCa.を正確に診断し、凸の形状を使用して定量的に評価ができる

というものでした。
でもやはり実際の症例を見てみないと・・・
上記論文を取り寄せるのもよし、
昨日の 感想文 の先生のように
時間を短縮して 多くの実際の症例で学んでコツをつかむのもよしです。

いずれも選択は先生の自由です。

はっきりしているのは
セミナー割引は今日の21:00までということ
セミナーには
特典が3つついてくるということだけです。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

以上です。

イチロウ拝

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泌尿器科医 vs. 放射線科医 アンケート実施が論文に

駅前のドトールで
コーヒーを買ってきて
飲んでいるイチロウです。

最近病院通いが多くて
金、土が結構 潰れます。
昨日はついにブリッジしていた歯の
一本が腐って(10年は神経なしで持ちこたえたのですが)
抜歯となりました。
インプラントになりそうです(泣き)。

私たちの世代は本当に虫歯が多かった。
食後に歯を磨く なんて習慣は
全く歯医者から指導されず、
朝起きたら磨けとしか
言われていませんでしたから

小学校、中学校、高校生の頃には
歯医者通いが大変でした。

今の若い世代は 私の娘も含め
虫歯が一本もありませんね。

あ、歯の話なんて どうでもいいし
今日は休みの日なんで、
PI—RADSに全く興味のない先生は
読み飛ばしてください。

米国ではとにかく7人に1人が前立腺癌となるので
これに関する論文も多いです。

****************

メルマガ読者の先生はこちらから

AJR 2018:210:101-107 では
A Comparison of Radiologists’ and Urologists’ Opinions regarding prostate MRI reporting: results from a survey of specialty societies.
Spilseth B1, et al.

では
前立腺MRIの読影レポートに関する
放射線科医と泌尿器科医の意見を比較したものが
しっかりとした論文としてAJRで通っているのです。

米国の泌尿器科癌学会の会員と
腹部放射線学会の会員 とに
ネット上で回答できるようにして
アンケートを行った調査結果です。

結果:

全体の解答率は結構低く10%で

放射線科医の回答率  12%(135/1155)
泌尿器科医の回答率は 8%(54/663)でした。

・自施設でPI-RADSを採用しているか?の質問には

放射線科医、84%、

泌尿器科医、78%

・患者ケアに対する影響を理解しているか?

放射線科医、89%、

泌尿器科医、71%

・放射線科医がPI-RADS v2カテゴリーを正しく適用していることに同意するか?

放射線科医57%

泌尿器科医61%

・PI-RADS v2.を使用する放射線科医の経験不足を感じているか?

放射線科医 51%

泌尿器科医 51%

・PI-RADS v2.を使用する泌尿器科医が経験不足か?

放射線科医 46%

泌尿器科医 51%

・標準化されたテンプレートが欠如しているか?

放射線科医47%

泌尿器科医52%

以上は比較的放射線科医と泌尿器科医の意見が一致していました。

しかし、意見が分かれたのは

・報告書にはフォローアップのマネージメントの推奨、
例えば、狙い撃ち生検を推奨するか?

放射線科医58%

泌尿器科医34%

・フォローアップ画像を推奨するか?

放射線科医46%

泌尿器科医28%

そしてフォローアップ画像の間隔時間を含んで記載すべきか?

放射線科医、35%

泌尿器科医、16%

泌尿器科医の54%が完全に構造化された
報告書を優先していたのに対し、

放射線医の53%はハイブリッドつまり構造化
およびフリーテキストの報告書を優先していたようです。

結語は

泌尿器科医は完全に構造化された報告書を発行することを

(たとえ経験が浅い放射線科医が使う可能性があっても)

強く望んでいるようですが、

放射線科医が患者のマネージメントの

推奨(生検、画像とその間隔の推奨)を含めることには同意しない

放射線科医と泌尿器科医の協力に向けたより厳密な取り組みは、

患者のケアにおける前立腺MRI報告の効果を

最適化するのに役立ちます。

と結んでいます。

要するに泌尿器科医は強くPI-RADSによる構造化されたレポートを
望んでいるし、実際に多くの施設で採用されている

たとえ、経験不足の放射線科医が読影しようと構造化されたレポートを書く
ことを泌尿器科医は強く欲している

ただし、生検をやった方がいいだとか
次の画像はいつやるべきだとかの指図はいらない!
余計なお世話なんだよね ということらしいです。

今後もお互いが協力してより良い構造化レポートを
作っていき患者ケアの最適化に役立てていきましょう

という感じでしょうか。

このアンケートを読んで
ここは日本なんだから勝手にやるよと
言われる先生もいらっしゃるでしょう。その選択肢もあるでしょう。
しかし、いずれ、上記の波は押し寄せます。

PI-RADS version 2は完璧とは言えませんが
今から慣れ親しんでおくことを
お勧めします。

昨日お話ししたように
全くPI-RADS に興味のきょの字もなかった泌尿器科医の先生が
長い間かかりましたが
PI-RADS version 2に準拠して
ダイナミック造影を出されるようになったように

良いと思われていることは
放射線読影医の 使命なのかもしれません。

申し込みは本日から 最終木曜日朝までです。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

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