以前
座位時間が長い人ほど短命 という話をしたことがあります。
van der Ploegさんの研究で
一日の総座位時間が4時間未満の成人に比べて,
4-8時間,
8-11時間,
11時間以上と長くなるにつれて,
WHOによる推奨身体活動量を充足していたとしても
総死亡リスクが11%ずつ高まる と言っています。
van der Ploeg HP1, Chey T, Korda RJ, Banks E, Bauman A.
Sitting time and all-cause mortality risk in 222,497 Australian adults.
adults.
Arch Intern Med. 2012 Mar 26;172(6):494-500
ただし、NASAの研究では、
1日32回立ち上がる人の寿命が長くなっという話も聞きます(オリジン不明)
この論文を読んでいた頃
私は1年おきにぎっくり腰になっていました。
(オフィース家具で有名な岡村製作所によれば
立位時の椎間板の負担を100%とすると
座位で背筋を伸ばすと140%
前のめり(おそらく読影時)だと185%負担になるそうです。)
姿勢の大切さを悟ったわけですが
まさか、寿命に影響するとまではその時は考えてもいませんでした。
構想の初期は腰への負担軽減のために
上下動する机を 導入することを考えていましたが。
3年以上の構想中に、寿命のことまで知り
なんとしてでも放射線科医の健康のために
手に入れるぞと意気込んで手に入れたのが今回の 読影机です。
1日何度も立って仕事する時間を
自分の意思で自由に決めてできる
環境は 本当に理想的です
例によって前置きが長くなりました。
横浜のカンファランスの問題2の回答編ですが
結構 問題点が・・・
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もう一度選択肢を列挙します。
①炎症性偽腫瘍
②硬化性血管腫
③硬化性HCC
④類上皮性血管内皮腫
⑤Peliosis hepatis
まず、炎症性偽腫瘍ですが、これって終わって(あと)からわかることが
多いですよね。
この所見が炎症性偽腫瘍って言えません。
病理学的にも 炎症性の腫瘍 と
繊維芽細胞の特徴を示す紡錘形細胞の増殖よりなる
腫瘍性とも言える 炎症性筋繊維芽細胞性腫瘍 IMTと言われているもの
とがあり、どっちがどっちの画像を示すのかさえわかりません。
ParK JY, et al.Clinical features, image findings, and prognosis of inflammatory pseudotumor of the liver: a multicenter experience of 45 cases.
Gut Liver. 2014 Jan;8(1):58-63. では 多施設の45例を集めて検討し
CTでは 97%が poorly defined hypoattenuating lesion
83%が poorly defined peripheral enhancement on arterial phase
77%が poorly defined hyperattenuating lesion with internal hypoattenuation area
MRI T2WI 76%:relatively homogenous high signal intensity
Precontrast T1WI 86%: low signal intensity
Gd-enhanced arterial phase
78%: poorly defined peripheral rim-like enhancement
Gd-enhanced T1WI epuilibrium phase
57% poorly defined hyperintensity with internal hypointense area
21% hypointensity
また、
今回の症例は炎症を示唆する臨床所見はなかったので
選択肢には x か △ をつけることにしますが
画像的には一体鑑別できるのでしょうか??? です。
次の選択肢 ②の硬化性血管腫も難しいです。非典型的な血管腫で
早期相でもちろん乏血性であり、平衡相にかけても徐々に濃染せず、
早期相にて一部に血管腫様の辺縁結節状濃染が
あったりなかったりです。
③硬化性HCCは混合型HCCとの鑑別が難しいですが
HCCなので リング状濃染というのは引っかかります。
イチロウとしては、②、③はオミット ①は一応残し
そして ④の選択肢 いかにも珍しい腫瘍を選択肢に混ぜていますが
その画像所見は比較的容易に頭に浮かんできます。
それは、間に合えば明日、間に合わなければ明後日お話しします。
イチロウでした。
PI-RADS seminar 第5回の予定
2019年3月23日 14:00ネット会場オープン
腰痛持ちの私には、立って出来る読影環境は非常に興味深いのですが、よろしかったら写真などの掲載は可能でしょうか? PI-RADSseminar 5回目のご案内ありがとうございます。やっと参加できる!と思い手帳を確認すると日直に当たっていました。本当に残念!!
事情があり現在は読影室の写真がお見せできません。
病院のみなさんには羨ましがられています。それって、あまり良い気分ではないんですね。
ちょっと申し訳ない気がしてしまいます。
なぜならPACSと言う高額の機械を合法的に買えるのが放射線科であり、
他の科でそんなに高額な機器を合法的に買えるチャンスなんてそうそうないからです。
今回は読影室全体もリユーアルしていることも影響しています。
日直は残念ですね。また、いつかご受講ください。宜しくお願い致します。
by イチロウ