駅前のドトールより
イチロウです。
本日より第5回 Easy PI-RADS セミナー申し込み開始しました。
http://medicaldirect.jp/archives/5446
さて、前回
選択肢自体が除外をするのが難しい問題
ということでした。
①炎症性偽腫瘍
②硬化性血管腫
③硬化性HCC
④類上皮性血管内皮腫
⑤Peliosis hepatis
①はリング状濃染する可能性あり、残し
②、③は そうではないと推察し、オミット
次の ④ですが、
私は単発が出てきた時は非常に苦労します。
ただ、
④の類上皮性血管内皮腫(Epithelioid hemangioendothelioma: 以下EHE) の基本は
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メルマガ読者の先生はこちらから
辺縁分布 つまり 肝被膜近くから発生する
辺縁に多発する リング状濃染する
T2WI でターゲットサイン(high low high) 3層構造をとる
辺縁に発生した腫瘍はいずれ肝被膜が陥凹する
そのうち辺縁の多発していた腫瘍が連続して融合する
肝門部側が代償性に肥大する
というのが 典型です。
また、以前メルマガでも Lollipop sign という
このEHE に特徴的な血管が腫瘍にぶつかると途絶する
というサインを紹介した所見も特徴です。
Alomari AI. The lollipop sign: a new cross-sectional sign of hepatic
epithelioid hemangioendothelioma. Eur J Radiol. 2006;59(3):460–464.
この症例はというと リング状濃染はOK
でも辺縁から離れて存在している。
辺縁寄りの末梢側にAP shunt を有する
辺縁から離れた部位に多発の多血結節が見られる(確かCTAだったような)
といった EPE では経験したことのない所見ばかりでした。
T2WI も淡い高信号のみで3層構造ではなかったです。
なので、オミット
最後の⑤ peliosis hepatis これも一瞬で想像できないですよね。
当たり前です、普段遭遇することがまずないからです。
私も想像できませんでした。
https://www.ajronline.org/doi/pdf/10.2214/AJR.05.0167
のAJRの Freeで見れる
Lannaccone R, Federle MP, Brancatelli G, et al.
Peliosis hepatis: spectrum of imaging findings.
AJR . 2006;187: p43-52
を見てみましょう
1例目は CTは多血性結節で、遅延濃染 血管造影は血管腫様です。
MRIはT2WIで淡い高信号、T1WI非特異的な低信号です。
多血性結節(全体濃染)という点では本症例と異なります。
2例目は CTでリング状濃染ですが、厚いリング状で、後期相に向けて
そのリング状がさらに厚くなり一見 CoCC(細胆管細胞癌)のようです。
3例目は 多発結節で辺縁にもあるし、中央部にもあるし
CTで濃染はリング状ですが、大きいものは不整なリング状です。
4例目は CT上多発の乏血性結節で、リング上濃染はほとんど目立っていません。
おまけに脾臓にも多発病変が認められています。
5例目は 多発例で辺縁分布する厚いリング上濃染です。小さいのは全体が一気に濃染
やや一貫性にかけますが、共通項としては厚いリング状濃染と 多発
でしょうか。あと、出血があれば、単純CTで高信号、T1WI高信号となるのでしょうね。
とにかく難しいですが、多発という点を考慮して
残しとしました。①と迷って、⑤にしましたが、
結果は ④の EHE でした。
おまけに繊維化病巣のない腫瘍細胞のみで構成されている
珍しいパターンとのこと それにしても
EHE でありながら、肝被膜にせっせず、AP shunt を伴うとは
珍しい、難しいにもほどがありました。
以上 イチロウでした。
PS. 長くなりました。PI-RADS 第5回 を今週末
3月23日 予定したいと思います。
明日から、PI-RADS で読むようにしてみてください。
他の読影とは違うことに気づくはずです。
前回から、メール登録して、画面が出てきて、申し込みボタン
そして、PAYPAL ページへ飛ぶ という1連の流れになりました。
登録メールは いつも見ているメルアドを推奨します。
ただし、hotmail や セキュリティの強い mail システムは
避けたほうがいいと思います。重要なメールがいかない ことになりますので。
yahoo, gmail は今の所問題なしです。