駅前のドトールより
イチロウです。
昨年放射線科の科内の
忘年会がありました。
ま、どこにでもある
忘年会です。
ちょっとだけ違うのは
科内の忘年会なのに
昔からの習慣か、
泌尿器科医 と 脳外科医 が
この会には参加してくださっています。
泌尿器科医は
IP や 結石破砕 など
脳外科医は
血管造影 など で
放射線技師との関わりが強いからです。
でも、他の科だって同じなのですが
多分 昔すべての科を誘っていたのに
誘いに応じてまめに来てくれる科
ということで 淘汰されて
放射線科の忘年会では基本的に招待する科として
2つの科だけが残ったのだと思います。
5-6年前の飲み会のときに
泌尿器科の部長の先生に
どうして前立腺癌のMRIで造影ダイナミックをしてくれないのか?
という話をしたことがあります。
部長先生はそのとき話を納得されて
その後は すべて前立腺は
やれる限り ダイナミック造影でオーダーされてきました。
でも部長の先生以外の
中堅クラス、若手 と 入れ替わって大学から
派遣されてこられるのですが
入れ替わるたびに
非造影のMRIしかオーダーしません。
読影レポートの中に
ここ2年くらいは
PI-RADS version 2 の話をまじえつつ
ダイナミックを推奨するような感じのことを
毎回 読影レポートでは言っているのですが
ある中堅の先生は
2年以上 非造影のままでした。
しかし・・・
*****************************
メルマガ読者の先生はこちらから
昨年の飲み会の時
来てくださった泌尿器科の先生がいらっしゃるテーブルで
かんぱーい なんてことをして
私のマジックなんかを披露していると・・・
6−7年目くらいの若い泌尿器科医が私のところに
やってきました。もちろん彼もこの1年間全く
造影検査をやってこられませんでした。
飲み会の席ではありますが熱心に
どうしてダイナミック造影が必要なのか? と
訪ねてこられたのです。
昨年からはもっとも感度、特異度が優れた
PI-RADS version 2に準拠するためには必要
具体的には カテゴリー3となった場合に必要となる
というお話と
最近では川崎医大の玉田先生がおっしゃっている
ダイナミック造影のみでしかわからない癌の存在の
お話をしました。
すると、なんと今年から
その若手の先生はダイナミック造影検査を入れて
くださるようになったのです。
もちろん読影時間は非造影時よりはかかってしまいますが
中途半端なレポートを記載してもやもやするより
とてもスッキリするようになりました。
ちなみにその時の放射線科の飲み会は
気がついたら2次会が泌尿器科の先生の2次会都なっており
大いにカラオケで盛り上がったというのも
人間関係を作るのに役に立ったことは
付け加えておきます。
世の中 時代がどんなに進化しても
face to face でノミニケーションするのが
一番ですね。
明日は、PI-RADS version 2に基づく放射線科医の読影に対する
米国の泌尿器科医の意見を述べたものを
まとめて話を致します。
以上イチロウでした。
PS. 昨日の十二指腸の第3部主体の壁肥厚の答えはなんでしょう?
添付画像 おさらい
CT: 十二指腸第2部から第3部にかけて著明な全周性の壁肥厚が見られ、口側
の十二指腸第2部、球部、胃の拡張が見られています。
MRI: 肥厚した壁の部分はT2WI では淡い高信号、T1WI では非特異的な低信号
拡散強調像では高信号、ADCマップでは中等度の信号域を示し、悪性リンパ腫には
見えません。より炎症が疑われます。
結局 十二指腸の生検材料では
軽度から中等度の慢性炎症細胞浸潤があり、細胞異形なし
とのことで、病理診断は 十二指腸炎 でした。
その後 生物摂取の聴取がされ、
IgEアニサキス抗体が 20.5UA/mlから その後、8.96と低下し
抗体価に短い間隔で動きが見られたことから
虫体の発見はなかったものの
アニサキス症 との確定診断に至ったようです。
参考ですが
“胃アニサキス症における血中IgE型アニサキス抗体測定の診断的意義
橘 眞理, 山本 泰朗 日本消化器病学会雑誌 急性 1986 年 83 巻 10 号 p. 2132-2138”
があります。
イチロウ拝