AI AI ってうるせいな と思われた先生は恐縮ですが登録解除をお願いいたします。

駅前のドトールより

イチロウです。

今週末から日本医学放射線学会開催され
多岐にわたる教育講演、演題、シンポジウムなど
が用意されています。

最近AIの台頭により
放射線科医 になろうという先生が減っているというのは
おそらくご存知だと思います。

しかし、なんとなくではやはりまずい
と思っています。

なので、イチロウが今回
放射線学会で聴くテーマは AI に絞ることにしました。

地方におられ、お忙しく
学会にすら出ていけない という先生のために
AIの現状 についてわかる範囲で
お伝え したいと思います。

一昨日、総会2日目の AIの演題 5個について
お話ししました。

今日はもっとも人が集まると考えられる土曜日と
最終日の日曜日のAIに関する演題を調べてみました。

行かれない方もタイトルだけでもチェックしてみては

いかがでしょうか?

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まずは、9:10-11:50まで 3時間近くの長きにわたり
国立大ホールで開催される
合同シンポジウム2です。
演題は:金曜日にすでに開催されている
合同シンポジウム1の続編で

人工知能(AI)を用いた革新的な放射線医学で
前日の総論的、概念的な? お話からもっと突っ込んだ
具体的な現状のお話が聞けると思われます。

1.基調講演:臨床応用を志向 した人工知能技術を活用した統合的ながん医療システムの開発
2.新AI時代におけるCAD(AI-CAD)の新潮流
3.コンピューター支援画像診断におけるディープラーニングの応用:海外の研究開発の現状と展望
4.放射線技術に関するAI研究:放射線技師の働き方とAI研究のすすめ
5.放射線治療におけるディープラーニングの応用
6.画像診断への人工知能の応用:製品化への課題

つぎに土曜日のランチョンセミナーでは

ランチョンセミナー12 メインホールで開かれます(12:00-12:50)
CT最前線ーAI技術を搭載した次世代CTと検査ー
1.循環器CT検査の新しいアプローチ
2.Adamkiewicz動脈の描出と進歩
3.Deep Learning based Spectral Imaging with ADCT
キャノンメディカルシステムズ(株)共催

これが終了するとシンポジウム8 13:10-15:10
301と302 で開かれます 302はおそらく301の映像を
流すのでしょう。
AI時代の放射線科診断医
1.放射線科医のための深層学習入門
2.放射線学習の手法についてー放射線領域への応用を念頭にー
3.人工知能は放射線科医の仕事を奪うのか?
4.人工知能時代の放射線科医を考える

土曜日はこれでAI関連は探した限りでは終了です。

日曜日 最近は日曜日はほぼAMで終了といった感じですが
AIはPMまで続きます。
前回 ディープラーニングハンズオンセミナーを紹介しましたが
イチロウうっかりしていて(私も参加できません)
3月31日で
申し込みは終了していました。
お知らせがおくれて大変申し訳ありません。

日曜日にAMに2回、PM1回開かれます。

他、14日日曜日は部屋は狭いですが
315にて 特別企画5 として
9:20-10:50まで AI実践講座
放射線科医は人工知能をどのように学習すればよいかを教えよう!
(ちょっと上から目線的なタイトルですが・・・)
サブタイトルとして”放射線科医の皆さん、人工知能を
どのように勉強しますか?” です。

以上AIあるいはディープラーニング等のキーワードで
見つけることのできる演題、講演、シンポジウム、セミナー
でした。

もし、ご興味があればどれか一つでも
視聴してみることをお勧めいたします。

イチロウ拝

 

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松本先生セミナーは日曜日夜 受付開始予定

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本当にAIは放射線科医を駆逐するのか?終末総会が始まります。

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、4月1 日の新年度がスタートしました。
当院でも新任医師が働き始め、
ようやくPACS の使い勝手に慣れてきたようです。

4月といえば、総会が始まります。
もう演者としての出席はしなくなって
だいぶ経ちました。
情けない話です。

それはさておき、日医放で今回 やはり
AI の演題というか 情報が増えています。

とりあえず、AIに関する演題を拾ってみると・・・

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まず、4月11日木曜日 1日目にはありません。
翌日 4月12日金曜日はどうでしょうか?

あ、ちなみにAI は Autopsy imaging の方ではありません。

12日はしょっぱなの8:00-9:30 に ハーバーラウンジA にて
JRS, JSRT, JSMP合同企画として、
①ディープラーニグハンズオンセミナー
が開催されます。

ハーバーラウンジ ってどこやねん と思いますが
Anex hall つまり機器展示の奥の3つの会場の
さらに奥つまり F 205+206の会場から外に出て
建物にそって右に歩いていくと
建物の港側に面するバーバーラウンジ B がみられ、
その先にやはり港に面してハーバーラウンジAがあるようです。
(行ったことない場所ですが、港に面したセミナールーム
なんでしょう)

つぎに金曜日ランチョンセミナーのうち
会場は 315 デランチョンセミナー8の
②AI技術(ディープラーニング)を用いた
画像診断支援ー実用化に向けた臨床応用と評価ー
(富士フィルムメディカル株式会社)

同じ時間帯に 会場 アネックスホールの
F203+204にて
③AIx次世代MRIのインパクト という題目
(キャノンメディカルシステムズ)

午後には2つ大きなものが開かれます。時間帯もほぼ同じ

まずは、国立大ホールで15:20から17:20まで
2時間みっちりの 合同シンポジウム1
④Value based imaging: AI 時代を見据えて、画像診断の評価を考える

演題名と演者を見ておいた方がよさそうです。
医療における価値とは       隈丸加奈子(順天堂大学)
画像診断の価値(患者の視点から) 北澤京子(京都薬科大学)
医療放射線の適正管理における放射線科医が果たすべき医療法上の役割
稲木杏吏(金沢大学)
健康に投資する医療と放射線科医の役割 山本雅士((株)ミナケア)
AIの世紀における放射線科医の未来 山田 惠(京都府立医科大)

もう一つは会議センター304 の
15:10から16:40までの
特別企画3:AMED共済企画
⑤日本医学放射線学会がすすめ知能(AI)を用いた
画像診断ー画像診断ナショナルデータベースの活用ー
臨床研究等ICT基盤構築・人工知能研究事業の概要  坂巻哲夫(日本医療研究開発機構)
医療ビッグデータ利活用を促進するクラウド基盤とAI画像解析 佐藤真一(国立情報学研究所)
日本医学放射線学会が進めるAIプロジェクト     本田 浩(九州大学)
人工知能による画像診断システム開発の現況・国立情報学研究所との連携 阿部 修(東京大学)
人工知能による画像診断システム:利活用に向けての課題 陣崎雅弘(慶應義塾大学)

④より⑤の方がより突っ込んだ内容となっているようです。
部屋が狭いですが、イチロウはこちらを聞きたくなりますが
その日は都合が悪く 聞くことができません。

では、13日土曜日、14日 日曜日についてはまた次回お話しします。

イチロウ拝

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2本で50万! PACS に求めたいもの今日は2つ

2本で 50万!

はいわかりました。
と私は言いました。

普通に考えたら 2本で50万
ありえない話です。

現在、イチロウは〇〇才と高齢化していますが
平均寿命は、0歳時の段階の余命ですので

現在の年齢から余命を算出しました。
と言うか私が勝手に計算したわけではなく

厚生労働省が 平成28年度版として
出していた 平均余命 23.67才 を参考にしました。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life16/dl/life16-02.pdf

つまりうまくいって平均までなんとか生き延びた場合
あと、約24年間は生きる事になるようです。

なので、50万/24=年間約2万円
それは毎日の事に影響するので
1日55円、仮に1日3回で計算すると
1回18円の価値 という事になります。

えっ? 何の話?ですよね。

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それは、インプラントの値段です。
右下顎の5番がもともと生まれつき欠損していまして
6番を歯根嚢胞のおかげで抜歯しまして
残存部分が2本分と なってしまったのです。

先生の話では1本でいけなくもないけれど
1本で支えるのは大変です。とのお言葉だったので
2本で行く事に賛成

今まで、何かトラブルがあっても
常に的確な治療と対応で直してくださっていた実績
と丁寧な説明が素晴らしいく

その歯科医を名医 と信用していますので
躊躇なく先生の ご意見を尊重した次第です。

結果、冒頭のようになりました。
でも後付けで考えると1日食事3回として
1回18円分の価値なので
ちゃんと平均余命分生きることが可能であれば
超超 お買い得な買い物というわけです。

というわけで、イチロウは
ちょっと聞くとすごーい高い買い物をしたように思いますが
実は非常に安~い買い物をした お話でした。

いやいや ちょっと待って、それでは
あまり情報として・・・
イチロウの個人的な話なんて聞きたくもない

はい、そうですよね。なので、いずれ
インプラントの全行程について詳細にお伝えいたします。

これからもしかしたら、インプラントを
考えている先生の不安を解消するために
私の経験が少しでも役に立てば幸いです。

とは言え、最近の若者は皆 虫歯ってないんですよね。

イチロウ拝

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編集後記

PACS の話を前々回していました。
PACS に求めるものって一体なんなのか?

前回 PACS選びは 読影室という
読影レポートを完成させるための 箱 で
考えてくれるか? ということでした。

その一つが 昇降机 と ヘッドレストのついた椅子 と
優れた PACS です。この3者が一体となり
完結するのだと考えています。

これについてはリクエストがあったのですが
全体像は見せられませんが、一部をアップします。
以下

次にAmivoice をくるくる画像をスクロールしながら使えるか?
ですが、これは通常可能のようです
次にP社では昔からやっていたことですが

読影中に 他科のDr.からコンサルトがあり
今せっかくレイアウトした画面なのにーーー
崩してしまう場合、一旦その患者さんを終了しても
次に読影した時にその画面に自動で戻れるか? ですが
それはG社は確認できます。ただし、保存ボタンを押す必要はあります。

次に G社しか知らないのですが、ポストイットを
消滅させ、机の上を 紙だらけにしない という優れた機能が
ついています。

というのは、例えば、前立腺を読影した時、これは移行域の典型像だぞ
手術が終わって、病理を確認したい
でも、それが確認できないとティーチングファイルに入れたくない

と思ったとします。普通、チェックマークをつけておく
という感じで終わってしまうか、ポストイットにメモして机に貼る
ということをすると思います。

しかし、G社は、リマインダー機能をつけることができ
おそらく、2週間後にはおそらく手術になるだろう という時
その2週間後の日付をリマインドさせておき、
その日がくると アラートがついて
この症例をもう一度思い出させる ことができる
という機能です。

これはかなり優れもので、現在ポストイットに症例を記載する
というのはほぼやらなくなってしまいました。

今日は、PACSに求める機能
①コンサルト時画像レーアウトを崩しても次に開けた時保持される
②良い症例だけれど、まだ、手術をしていないので、手術後に病理を
確認したい場合、それをリマインドしてくれる
という2つのPACS 機能についてお話しました。

以上 イチロウでした。

PS. 4月20日(土)に 松本先生セミナー参加しませんか?

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胸膜プラークと中皮腫との関係

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、前回横浜のカンファランスの問題
選択肢が

① 悪性リンパ腫
② 中皮腫
③ Tb
④ サルコイドーシス
⑤ デスモイド
⑥ その他   となっていました。

まず、キーポイントは 3つほど
A.  肝外に突出していること
B.  FDGの集積は強く、SUV max が 16とかなりの高値である事
C. これは画像がないとわからないのですが Aとも関連してきます。
つまり冠状断で見ると 肝臓の外に突出しているだけでなく
肝臓外に存在しているように見える事でした。
バリバリの悪性 という事で・・・

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③、④、⑤が落ち、①は肝外のものから発生 つまり腹部では
腹膜由来と考えると
② の中皮腫が残る事になります。
① の悪性リンパ腫は SUV max からは除外しにくいですが
この症例は MRIが施行されておらず、リンパ腫かどうかの
ヒントが得られませんでした。
そうなると出題者の意図を理解することになり

おそらく②を出したかったのかな? と考え
中皮腫 の診断を選ぶことになります。

実はこの症例、胸膜プラークをこれ見よがしにヒントのつもりか
提示されていたのですが、実際にプラークの患者さんに
胸膜の中皮腫が同時合併した症例はなかなかいません。

当院でも4−5例の中皮腫を経験させていただいてますが
いずれにも胸膜プラークはありませんでした。

以下は75才 男性 中皮腫(病理で証明)例 プラークは不明瞭 対側にもない

つまり、以外と胸膜プラークと 中皮腫 って
関連性が薄い? と思っていました。

しかし、自分の常識は他人の非常識です。
画像診断におごりは禁物です。

Pubmed で Pleural Plaques and the Risk of Pleural Mesothelioma
というキーワードを入れて検索してみると・・・

79件がヒットしました。そのうち最もマッチした3件を見ると

❶Pairon JC, Laurent F, Rinaldo, et al.
Pleural plaques and the risk of pleural mesothelioma.
J Natl Cancer Inst. 2013 Feb 20;105(4):293-301.

5287人の男性被験者において7年間のフランスの追跡調査
胸膜中皮腫の合計17のが診断された。
中皮腫と胸膜プラークとの間に統計的に有意な関連が観察された。
胸膜プラークの存在は、胸膜中皮腫の独立した危険因子である可能性

❷Bianchi C, Brollo A, Ramani L, et al.
Pleural plaques as risk indicators for malignant pleural mesothelioma: a necropsy-based study.
Am J Ind Med. 1997 Nov;32(5):445-9.

胸膜プラークは、以前のアスベスト曝露の信頼できるマーカーとして認識
しかし、胸膜プラークがアスベスト関連悪性腫瘍のリスク指標
であるかどうかは物議を醸している。との前置き  あり

15歳以上の人を対象にイタリアのある病院で行われた
3,005件の”剖検”(CT所見ではありません)で胸腔内の胸膜プラークを検査した。
検討には悪性胸膜中皮腫患者92人(男性82人、女性10人)が
含まれていた。
胸膜プラークが胸膜中皮腫のリスク指標であるという考えと一致する。

❸Hillerdal G.
Pleural plaques and risk for bronchial carcinoma and mesothelioma. A prospective study.
Chest. 1994 Jan;105(1):144-50.

スウェーデンのある一般集団から、厳格な放射線学的基準(単純写真)を満たす
胸膜プラークを有する1,596人の男性
気管支癌が32例発生、中皮腫が9例
胸部X線写真上の胸膜プラークは、中皮腫、気管支癌のリスクが高い
という、アスベストへの有意な曝露を示しています。
胸部X線写真にプラークがあることが判明した人は誰でもリスクについて
知らされるべきであり、喫煙をやめるよう説得されるべき

という3つの関連性について言及した論文が見つかりました。

ただし、いずれもフランス、イタリア、スウェーデンと
ヨーロッパの論文です。日本人対象の論文はありません。

日本の日本呼吸器学会の ホームページを見ると
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=34

胸膜プラークについて
胸膜の一部が厚くなって石灰化(組織が骨のように固くなっている状態)した状態。
胸膜プラークそのものから悪性胸膜中皮腫を含めたがんが発生することはありませんし、
特に体に不都合を来すことはないので放置しても心配ありません。

しかし、胸膜プラークが存在することはアスベスト(石綿(いしわた))を
吸い込んだことの証拠となります。アスベストの低濃度曝露でも高濃度曝露でも
発生するので、日本人であれば誰でもなる可能性があります。
検診などで指摘される場合もありますが、胸膜プラークのみであれば
必ずしも精密検査は必要ありません。

という感じで胸膜プラークのある人に
中皮腫が プラークとは関係のない場所に発生するか否か
について 全く言及していません。

どうしても、私が探した限りでは
プラークを有する患者さんに同時に中皮腫がどれくらい発生するのか?
ということへの直接回答は得られませんでした。

なかなか、プラークをCT上明らかに持っている患者さんに
中皮腫を同時合併して見れないのか? については今後の課題でしょうか。

一つ論文が見つかったのですが 日職災医誌,56:215─220,2008
では
手術所見で胸膜プラークを確認した症例のうち,
胸部 CT で胸膜プラークを検出できたのは60%であった

というのがあり、中皮腫の症例とプラークとの画像的な関連がない
というのは 40%はCTで見えていないので
言えない 可能性があるということです。

つまり、実際にはアスベスト暴露は受けているが

プラークそのものをCT上描出できておらず
CT上は一見関連性が薄い という可能性です。

このブログを読まれた先生で、明らかに胸膜プラークがあった症例に
中皮腫が発生した患者さんを見た という先生はコメントください。
お願い致します。

もう一つ、今回は腹膜中皮腫なので 一体
腹膜中皮腫ってどれくらい珍しいのか?  ですが
これについては
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/08/s0826-4b.html
厚生労働省人口動態統計による中皮腫の部位別死亡数(平成7~13年)
によると

胸膜中皮腫の 症例 2,739例に対し、腹膜中皮腫は 369例 という
頻度であり、
胸膜中皮腫7例に1例しか見ない頻度です。
これは知っていていいのだと思います。

ちなみにこの論文では 心膜中皮腫が 腹膜中皮腫の1/10
とのデータを出しています。

以上 横浜のカンファランスは 極めて稀な
腹膜中皮腫が 肝臓のヘリから出ていて 肝内腫瘍のように一見見せておいて
実は冠状断では肝外由来であることを読み取ることが重要という
症例でした。

イチロウ拝

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G vs Y, Yokohama の conference 3例目

駅前のドトールより
イチロウです。

イチロウは3月のうちに2種類の新PACS を
使いこなさなければならなくなりました。

一つは G社、もう一つは Y社です。
偶然にも 外勤先でも PACS が
リニューアルしたからです。

編集後記へ続く

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さて、先週はPI-RADSに絡んで
横浜の肝胆膵のカンファランスの
症例3が後回しになっていました。

まずは選択肢

1) 悪性リンパ腫
2) 悪性中皮腫
3) 結核
4) サルコイドーシス
5) デスモイド
6) その他

70才台の 男性 門脈臍部 近傍に出現し、

2ヶ月の間にかなりの増大を呈した3−5cmくらいの大きさの

腫瘤だったと記憶しています。

早期胃癌の治療歴、大腸ポリープ切除
アルコール暦あり、喫煙は 20本/日 を60年間
CEA 2.6, CA19-9 は正常範囲

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超音波上門脈臍部近傍から外方突出する低エコー腫瘤
単純CTのCT値は 40HUを示し
冠状断で見ると肝外に突出 乏血性で内部は比較的均一
遅延濃染しています。
PET-CT では FDG の集積が強く、SUV max は16とかなり高値
を示していました。

この症例の鍵はおそらく冠状断を見ること
だと思われます。
それにより病変の由来がわかります。

もう一度選択肢

選択肢

1) 悪性リンパ腫
2) 悪性中皮腫
3) 結核
4) サルコイドーシス
5) デスモイド
6) その他

ここまでで、さて上記の選択肢のうち
どれに当たるのか?
想像してみてください。

ヒント:明らかに毛色の違うものは?

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PACS についてはこの3年間
PACS が持つべき機能について考えてきました。
数多くの機能がそのPACS にできるのかを
検討した結果

2社に絞られました。
営業マンのやる気も大きかったとは思います。

まずオミットした理由はそこです。
なぜなら、前から何度も言っている
椅子や机にも力を入れて
読影室と言う全体像で PACS を考えられる
営業マンなのか? でした。

なので、PACS 選びの 総合評価項目の中に

”昇降机、頸サポート椅子を含めた読影室をデザイン可能か?”
と言うのが入っています。

なので、これについての食いつきが今ひとつの営業マンは
すぐにオミットしました。もともとそんなにいい印象でなかった
こともありましたので、速攻でオミットしました。

読影端末の Report 端末の部分の中では
“PACS をくるくる動かしながらAmivoice が使用できるか?”
なんてのは 今まで使ったことがないのでかなり心配でしたが
問題はありませんでした。

実際G社もY社も 今まさに問題なく使えます。

ただ、Amivoice は1端末に 固定 されるのがちょっと
つまり 自分が持っているコードレスのAmivice 器を持って
どこの端末で読影しても、自分のログインであれば使える
と思っていましたが、ダメなのです。

それは機械同士での連携となっていてダメでした。

ていう感じで、New PACS の話もおいおいさせていただきますね。

以上 イチロウでした。

横浜のカンファランスのの回答は
金曜日か土曜日あたりに話せるかもです。

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2019年春の放射線学会総会ではPI-RADSの教育をしてくれるのか?

駅前のドトールより
イチロウです。

横浜のカンファランスの話と
PI-RADS とはあまり関係がないので
PI-RADS の話をします。

総会でどの程度 PI-RADS の教育をしてくれるのか
調べてみました。

教育であれば まずは
“教育展示プログラム”の演題を見てみましょう。

E036 PI-RADS version 2 を併用した MRI/TRUS 融合画像ガイド下
前立腺生検の臨床的重要性について
金沢医科大 放診 豊田一郎先生

少し似たものでは(マルチパラメトリックMRIという用語を使用しているので)
E037 前立腺癌診断における同時 PET/MRI および
マルチパラメトリック MRI の臨床的有用性:総論
メイヨー・クリニック医大 放 川嶋 明先生

他に演題としては・・・

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一般演題としては
4/13 土曜日 泌尿器1 313+314会場の 14:20から開催のにはなく、
その次の 泌尿器2 にもありません。
また、
4/14 日曜日 泌尿器 3 313+314会場 14:10 からの開催では
演題217 に マルチパラメトリックMRIで偽陰性となる前立腺有意癌の臨床病理学的な特徴の解析
川崎医大 放 木戸 歩先生

だけでしかありませんでした。

というこで全く PI-RADS を学会ですら学べないことになります。
PI-RADS は 決まりごとを覚えることは必要ですが
それは 比較的簡単にできるでしょう。それに実例を交えて
いろいろ繰り返す ということができません。
辺縁域のカテゴリー4、5は多分すぐにわかるようになるでしょう
確認は必要ですが、でも移行域は難しいのです。

なので今回の企画となったわけです。
今回学会のように AI 祭りのように AI演題だらけで
ちょっとイチロウとしても
画像診断すること自体、
教育をすること自体に無意味さ
を覚えることがあるのですが

そうは言ってもすぐにAiに完全に置き換わるわけではないし
置き換わったとして それを裁定、裁くことができる
画像診断に精通した”人間”が 必要だと 思います。
(マンモグラフィのAiではかなりの線までいけるようですが
人間が見てすぐにカテゴリー4とわかるものを
見逃してしまうこともあるそうです。)

EASY PI-RADS イーパイ 第5回 23日開催します。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

感想文

『イチロウ先生御侍史

平素からまことにお世話様になっております。
先日は示唆に富んだセミナーを
まことにありがとうございました。

以前からPI-RADSは、辺縁域は素晴らしい反面、

移行域はいまひとつと思っていましたが、
移行域については
まずは●●から見て→〇〇→〇〇、〇〇
という見方の順番を教えて下さったことが
とてもありがたかったです。

また、PI-RADSスコア4と5は
erased charcoal signという用語がイメージし易い反面、
スコア2/3/4の違いについての説明も
いまひとつと思っていましたが、
先生の〇〇が境界に注目し、
3/4が〇〇に注目するというご説明が
とてもクリアーに理解できました。

今後もまたホットな話題がありましたら
参加させていただきたいと考えております。
このたびはまことにありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。』

第一回ご参加の放射線科 先生
感想文ありがとうございました。

Easy PI-RADS v.2 イーパイ

イチロウ拝

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回答は以外にも・・・  第5回 EASY PI-RADS 申し込みスタート

駅前のドトールより
イチロウです。

本日より第5回 Easy PI-RADS セミナー申し込み開始しました。
http://medicaldirect.jp/archives/5446

さて、前回

選択肢自体が除外をするのが難しい問題
ということでした。

①炎症性偽腫瘍
②硬化性血管腫
③硬化性HCC
④類上皮性血管内皮腫
⑤Peliosis hepatis

①はリング状濃染する可能性あり、残し
②、③は そうではないと推察し、オミット
次の ④ですが、

私は単発が出てきた時は非常に苦労します。
ただ、

④の類上皮性血管内皮腫(Epithelioid hemangioendothelioma: 以下EHE) の基本は

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辺縁分布 つまり 肝被膜近くから発生する
辺縁に多発する リング状濃染する
T2WI でターゲットサイン(high low high) 3層構造をとる
辺縁に発生した腫瘍はいずれ肝被膜が陥凹する
そのうち辺縁の多発していた腫瘍が連続して融合する
肝門部側が代償性に肥大する

というのが 典型です。
また、以前メルマガでも Lollipop sign という
このEHE に特徴的な血管が腫瘍にぶつかると途絶する
というサインを紹介した所見も特徴です。

Alomari AI. The lollipop sign: a new cross-sectional sign of hepatic
epithelioid hemangioendothelioma. Eur J Radiol. 2006;59(3):460–464.

この症例はというと リング状濃染はOK
でも辺縁から離れて存在している。
辺縁寄りの末梢側にAP shunt を有する
辺縁から離れた部位に多発の多血結節が見られる(確かCTAだったような)
といった EPE では経験したことのない所見ばかりでした。
T2WI も淡い高信号のみで3層構造ではなかったです。

なので、オミット

最後の⑤ peliosis hepatis これも一瞬で想像できないですよね。
当たり前です、普段遭遇することがまずないからです。
私も想像できませんでした。

https://www.ajronline.org/doi/pdf/10.2214/AJR.05.0167
のAJRの Freeで見れる
Lannaccone R, Federle MP, Brancatelli G, et al.
Peliosis hepatis: spectrum of imaging findings.
AJR . 2006;187: p43-52

を見てみましょう
1例目は CTは多血性結節で、遅延濃染 血管造影は血管腫様です。
MRIはT2WIで淡い高信号、T1WI非特異的な低信号です。
多血性結節(全体濃染)という点では本症例と異なります。
2例目は CTでリング状濃染ですが、厚いリング状で、後期相に向けて
そのリング状がさらに厚くなり一見 CoCC(細胆管細胞癌)のようです。
3例目は 多発結節で辺縁にもあるし、中央部にもあるし
CTで濃染はリング状ですが、大きいものは不整なリング状です。
4例目は CT上多発の乏血性結節で、リング上濃染はほとんど目立っていません。
おまけに脾臓にも多発病変が認められています。
5例目は 多発例で辺縁分布する厚いリング上濃染です。小さいのは全体が一気に濃染

やや一貫性にかけますが、共通項としては厚いリング状濃染と 多発
でしょうか。あと、出血があれば、単純CTで高信号、T1WI高信号となるのでしょうね。

とにかく難しいですが、多発という点を考慮して
残しとしました。①と迷って、⑤にしましたが、

結果は ④の EHE でした。
おまけに繊維化病巣のない腫瘍細胞のみで構成されている
珍しいパターンとのこと それにしても
EHE でありながら、肝被膜にせっせず、AP shunt を伴うとは
珍しい、難しいにもほどがありました。

以上 イチロウでした。

PS.  長くなりました。PI-RADS 第5回 を今週末
3月23日 予定したいと思います。
明日から、PI-RADS で読むようにしてみてください。
他の読影とは違うことに気づくはずです。

前回から、メール登録して、画面が出てきて、申し込みボタン
そして、PAYPAL ページへ飛ぶ という1連の流れになりました。
登録メールは いつも見ているメルアドを推奨します。
ただし、hotmail や セキュリティの強い mail システムは
避けたほうがいいと思います。重要なメールがいかない ことになりますので。

yahoo, gmail は今の所問題なしです。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

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Sitting is a new smoking !

以前
座位時間が長い人ほど短命 という話をしたことがあります。
van der Ploegさんの研究で
一日の総座位時間が4時間未満の成人に比べて,

4-8時間,
8-11時間,
11時間以上と長くなるにつれて,

WHOによる推奨身体活動量を充足していたとしても
総死亡リスクが11%ずつ高まる と言っています。

van der Ploeg HP1, Chey T, Korda RJ, Banks E, Bauman A.
Sitting time and all-cause mortality risk in 222,497 Australian adults.
adults.
Arch Intern Med. 2012 Mar 26;172(6):494-500

ただし、NASAの研究では、
1日32回立ち上がる人の寿命が長くなっという話も聞きます(オリジン不明)

この論文を読んでいた頃
私は1年おきにぎっくり腰になっていました。
(オフィース家具で有名な岡村製作所によれば
立位時の椎間板の負担を100%とすると
座位で背筋を伸ばすと140%
前のめり(おそらく読影時)だと185%負担になるそうです。)

姿勢の大切さを悟ったわけですが
まさか、寿命に影響するとまではその時は考えてもいませんでした。

構想の初期は腰への負担軽減のために
上下動する机を 導入することを考えていましたが。
3年以上の構想中に、寿命のことまで知り
なんとしてでも放射線科医の健康のために
手に入れるぞと意気込んで手に入れたのが今回の 読影机です。

1日何度も立って仕事する時間を
自分の意思で自由に決めてできる
環境は 本当に理想的です

例によって前置きが長くなりました。

横浜のカンファランスの問題2の回答編ですが
結構 問題点が・・・

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もう一度選択肢を列挙します。

①炎症性偽腫瘍
②硬化性血管腫
③硬化性HCC
④類上皮性血管内皮腫
⑤Peliosis hepatis

まず、炎症性偽腫瘍ですが、これって終わって(あと)からわかることが
多いですよね。

この所見が炎症性偽腫瘍って言えません。
病理学的にも 炎症性の腫瘍 と
繊維芽細胞の特徴を示す紡錘形細胞の増殖よりなる
腫瘍性とも言える 炎症性筋繊維芽細胞性腫瘍 IMTと言われているもの
とがあり、どっちがどっちの画像を示すのかさえわかりません。

ParK JY, et al.Clinical features, image findings, and prognosis of inflammatory pseudotumor of the liver: a multicenter experience of 45 cases.
Gut Liver. 2014 Jan;8(1):58-63. では 多施設の45例を集めて検討し

CTでは 97%が poorly defined hypoattenuating lesion
83%が poorly defined peripheral enhancement on arterial phase
77%が poorly defined hyperattenuating lesion with internal hypoattenuation area

MRI T2WI 76%:relatively homogenous high signal intensity
Precontrast T1WI 86%: low signal intensity
Gd-enhanced arterial phase
78%: poorly defined peripheral rim-like enhancement
Gd-enhanced T1WI epuilibrium phase
57% poorly defined hyperintensity with internal hypointense area
21% hypointensity

また、
今回の症例は炎症を示唆する臨床所見はなかったので
選択肢には x か △ をつけることにしますが
画像的には一体鑑別できるのでしょうか??? です。

次の選択肢 ②の硬化性血管腫も難しいです。非典型的な血管腫で
早期相でもちろん乏血性であり、平衡相にかけても徐々に濃染せず、
早期相にて一部に血管腫様の辺縁結節状濃染が
あったりなかったりです。

③硬化性HCCは混合型HCCとの鑑別が難しいですが
HCCなので リング状濃染というのは引っかかります。
イチロウとしては、②、③はオミット ①は一応残し

そして ④の選択肢 いかにも珍しい腫瘍を選択肢に混ぜていますが
その画像所見は比較的容易に頭に浮かんできます。

それは、間に合えば明日、間に合わなければ明後日お話しします。

イチロウでした。

PI-RADS seminar  第5回の予定

2019年3月23日 14:00ネット会場オープン

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こんなに選択肢の難しい問題ってあるのでしょうか?

駅前のドトールより
イチロウです。

今週から上下動する机が
読影室に配備されました。
非常に快適です。

立って仕事(読影)するのは
久しぶり(20年ぶり)です。
やはり新鮮味がありますね。

さて、今週月曜日から続けている
先先々週に行われたカンファランスの症例2例目です。

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選択肢は
①炎症性偽腫瘍、②硬化性血管腫、③硬化性HCC、④類上皮性血管内皮腫 ⑤Peliosis hepatis

です。どう見ても選択肢自体が難しすぎます。
しかも、出題されている先生は内科医師にもかかわらず
やたらと画像に精通している先生です。

前置きはこれくらいにして
症例は 50歳代女性 で
肝S7に超音波上 2cm程度の 結節を指摘
HBs抗原陽性(HBウイルス感染していること)です。

CT上S8ドーム下にUSで指摘されたのと同様の部位に
単純CTで類円形の低吸収域、造影後はリング状濃染(ダイナミックではない)
を示す結節で、背景肝には形態的な異常はありません。

CTHAではリング状の強い濃染と末梢側のAPshunt が認められています。
後期相ではリング状濃染に内部の若干の濃染が見られています。
造影超音波でもリング状の濃染を示しています。
中心部もやや濃染です。

MRIのT2WIは境界不明瞭な淡い高信号でした。
ターゲット状の構造には見えません。
拡散強調像で高信号、EOB肝細胞相で造影されず
Dynamic MRIでは早期にリング状濃染
PETはわずかなRI集積にとどまっています。

上記選択肢がどれも絞りきれないというか
消去法がしにくい選択肢となっており
とてつもなく難しく感じました。

所見の特徴をまとめるとリング状濃染していて
T2WIでは淡い高信号 末梢にAPshuntを有する(CTAですが)
(ダイナミック造影CTは無し)

もう一度選択肢
①炎症性偽腫瘍
②硬化性血管腫
③硬化性HCC
④類上皮性血管内皮腫
⑤Peliosis hepatis

以上 先生は私の記述からどれを想像されますか?

イチロウ拝

PS. イチロウは今月は目白押しの週末予定だらけで、、、

空いているのは 23日の土曜日の午後 で
そこで もう一度 PI-RADS セミナーをやろうとお思います。
3時間もかかるのでしんどいのですが・・・
頑張りますので たくさんのご参加をお待ちしています。

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70歳代の男性 腹部膨満感あり、超音波上〇〇が疑われました。

駅前のドトールより
イチロウです。

先週土曜日3月2日に
eTaxで初めて確定申告しました。
もともと国税庁のページから
作成して、印刷して、郵送していたのですが
その手間が無くなった事は非常にありがたいです。

ただ、半日休みを取って
税務署で IDとパスワードを登録しなければなりませんでした
確定申告ではない時期だったのに
ちょっとだけ混んでいました。

さて、

先先週週 横浜イメージングカンファランス(第56回)が
開かれました。
いつものように難しい3問が提出されました。
1例づつ2日、開けて、2日、開けて2日と
合計6日で 問題と回答をアップしていきますね。

1例目はタイトルは
「緩徐に増大し、診断に難渋した肝腫瘍の1例」です。
昨日この問題部分は書いたのですが
念のため重複を覚悟で そのまま書きますね。

まずは回答の選択肢から
①FNH, ②血管腫, ③HCC, ④ CCC, ⑤悪性リンパ腫
です。

70歳代の男性  腹部膨満感あり、超音波で血管腫が疑われました。
超音波上は境界明瞭な内部高エコーの腫瘤がS5, 6に隣接して
存在しています。確か辺縁は低エコーの2重構造だったと
記憶しています(メモ書きより)。

写真を撮るわけにはいかないので
覚えている限りしか書けませんが

単純CT上増大した後の状況では内部に点状の石灰化が多発していました。
造影ではほとんど内部は造影されません。
T1WI はほとんど記憶にないのですが
T2WI ではより小さい結節(実際はS5, 6の腫瘤以外に1−2cm程度の小さいものもあり)
が認められ、

それは液面形成を呈していました。
S5, S6のは増大傾向を有しており、辺縁高信号ですが
中央部分はなんと低信号でした。

1−2cm大の小さいものは内部が結節状に濃染していました。
一方、S5, 6のはほとんど濃染が見られていませんでした。

腫瘤は緩徐な増大傾向を示していました。
その時間的な経過はどれくらいなのかは
伏せられていました。なので緩徐と言う表現以外の
具体的な時間の長さはわかりませんでした。

さて、先生は上記の選択肢のうちどれを選びますか?

選択肢
①FNH, ②血管腫, ③HCC, ④ CCC, ⑤悪性リンパ腫

と言う問題でした。

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まず、石灰化している点から 通常 ⑤の悪性リンパ腫は
考えにくいと思われます。
また、CCC もなかなか石灰化は稀ですし
HCCの石灰化も稀です。緩徐という言葉から
① か ② に絞られるのですが

T2WI で中央部が低信号のものというのが特徴とすると
??? どちらも違う? となります。
しかし、石灰化となると FNH は稀でしょう。
Xu PJ, et al. Helical CT presentation of focal nodular hyperplasia of the liver.
Nan Fang Yi Ke Da Xue Xue Bao. 2006 Oct;26(10):1500-2.(中国語)

では20例中1例で、稀と記載されています。

もっとも Impact factor の高い放射線科雑誌の Radiology から

Brancatelli G1, et al. Focal nodular hyperplasia:
CT findings with emphasis on multiphasic helical CT in 78 patients.
Radiology. 2001 Apr;219(1):61-8.

では 1/124 = 0.8% と言っています。
本当に見ることは稀 という感じです。

文献を当たった人は少ないでしょうが
なんとなく、石灰化とは結びつかない事は感じていると思います。
したがって 消去法で正解に至れます。

しかし、もっと積極的に行くならば
T2WI 上 1−2cm程度の大きさの結節には液面形成あり
という所見です。以下血管腫のfluid-fluid level の論文

①Ghai S, et al. Fluid-fluid levels in cavernous hemangiomas of the liver: baffled?
AJR. 2005;184:82-86
②Lee J, et al. Multiple hepatic hemangiomas with fluid-fluid levels.
Australas Radiol. 2007; 51:310-312
③Soyer P, Bluemke DA, Fishman EK, et al.(ちなみに2番目筆者は私の元ボス)
Abdominal imaging. 1998;23:161-165
④Obata S, et al.Fluid-fluid levels in giant cavernous hemangioma of the liver: CT and MRI demonstration.
Abdominal imaging. 1998;23:600-602

さすがに FNH ではfluid-fluid level は見られません(Pubmed では0件)が、
血管腫では時に見られますし、ADCマップ上の出現率はT2WIより
多いと思われます。

あと別の小さいものに 内部に結節状の濃染がダイナミック造影
にて認められていたことです。
あと、多発していることも重要ですね。
血管腫は多発することが多いです。

ただし、FNHでも multifocal なものを集めてきた論文がありますので
Busireddy KK, et al. Multiple focal nodular hyperplasia: MRI features.
Clin Imaging. 2018;49:89-96
多発、単発のみで判断するのは危険でしょうね。

FNHは多血性であることの方が多いので、
今回のような乏血性腫瘍がS5, 6に
2つ並んで存在するというのはおかしいです。

やはり血管腫と考えるのが妥当です。

ということで

選択肢
①FNH, ②血管腫, ③HCC, ④ CCC, ⑤悪性リンパ腫

のうち ②の血管腫が正解となります。

イチロウ拝

PS. 先日バイエルのクイズ問題を見ていたら、ややばいと思いました。

他施設の先生を批判するのはやりたくないのですが

PI-RADS のパの字もありませんでした。ちょっと悲しくなりました。

というのも移行域こそ PI-RADS をやらないと診断がまずい事になり

患者さんに余計な 辛さを合わせてしまうからです。

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