駅前のドトールより
イチロウです。
令和あけましておめでとうございます。
ただし、
令和となっても
私たちの生活はあまり変わらないものと
思います。
大事なのは
日々のコツコツでしょうか?
1㎜x365(1年)=365mm=36.5cmですから。
ただ、うまく成果を出せていない先生や
いつもやろうとして挫折してしまっている先生には
この元号明けは大チャンスですね。
さて、
先月平成最後の
消化器のカンファランスが終了しました。
その1例目をシェアしますね。
70歳代の男性
漢方系の食事におはまりの方
画像は非常にわかりやすく
胃の拡張所見が主体です。
十二指腸拡張がなく
原因が ○○であることはすぐにわかります。
その方が
重篤な状況で来院されました。
それは、、、
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画像を現状おみせできないのが残念ですが
腹腔内遊離ガスが明瞭であり
すぐに胃穿孔であることが判明
その原因として幽門側の胃壁の肥厚があり
同部が狭く、胃拡張をきたしていました
通常伸展の悪い側の 胃小彎側が破れるので
案の定
ECジャンクション近傍小彎で
7㎝程度にわたる 胃壁の欠損がみうけられます。
同時に胃壁にも空気がみられ
胃壁欠損部から空気が胃壁内に侵入したものと推察されます。
さらに、門脈ガスも見られ
直接所見がないので
推察になりますが
胃静脈系からの還流で胃壁のガスが
門脈に運ばれたのだと思います。
主病変にもどると
単なる 胃幽門側のMKが幽門側の狭窄をきたし
胃内圧が上昇して胃穿孔というものだと思いますが
胃がい いや 以外にもその報告は
(胃癌底からの破裂は1%程度あるようですが)
つまり胃癌が原因で胃が拡張し
内圧上昇に伴って破裂したのは
演者の調べた限りではなかったようです。
(イチロウも調べましたがありません)
通常は内圧が上がれば嘔吐
という正常に戻そうとする機序が発動するはずですが
内容物がかなり粘稠度が高かったことで
嘔吐に至れず、圧上昇に耐えきれず
胃破裂に至ったと考えられます。
以上 MK→胃幽門側狭窄→胃拡張→粘稠度高い胃内容物
→嘔吐に至れず→胃小彎側の穿孔
にいたった
胃癌潰瘍底ではなく、胃拡張、内圧上昇に伴い
胃小彎側に7cm 程度の穿孔を呈し、
胃壁内にガスが侵入し門脈に運ばれ
門脈ガスも呈した稀な症例
の提示でした。
胃癌 胃穿孔 で検索
英文はいいのがなかった ため
日本文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/70/1/70_1_6/_pdf
胃癌穿孔に対する治療戦略(1988年~2005年の胃癌穿孔20例の検討)
から 豆知識
胃癌の穿孔の発生頻度は過去の文献上稀(0.08~3.6%)
ただし、胃穿孔のなかの癌の割合は26-32%と比較的高率
この文献上2,120例中20例で、1%程度
男女比 13:7、平均年齢70才(39~87才)
穿孔領域は L(下部)11、M(中部)7、U(上部)2例
癌の穿孔部位も M 領域,小彎側に多く,進達度も 全例 mp以深と文献上の記述と一致
切除例の癌の肉眼型は Borrmann 2と3が16例と80%を占める
組織型 低分化腺癌11例,中分化腺癌4例,印環細胞癌3例で,高分化腺癌 はなかった.
(過去文献は高分化あり)組織型と胃癌穿孔は一定の傾向がある とはいいがたい
ちなみに当院の症例は低分化がメイン の35x25mmの腫瘤 深達度はSE
短期の成績では19例(95%)で軽快退院、1例は手術死亡
長期の成績では 根治度A, B症例の5年生存率36%、根治度Cは全例1年以内に死亡
ちなみに
根治度A=癌の遺残(-)、根治度B=癌の遺残の有無が不明瞭、根治度C=癌の遺残(+)
以上 イチロウ拝
PS. 今月土曜日から日曜日にかけ 松本先生セミナー行います。
どういうことかというと
子育てママ優先 のご招待セミナーで、33時間の間に好きな時に
セミナーを分割して聞いていただけるというものです。
もちろんタイムブロッキングして まとめて4時間みっちり聞いてもよし
分割で聞いてもよしです。
この間に 松本先生の特典
そして今回、なんとか出来上がったイチロウ特典もお渡しします。
お渡しは日曜日中の何処かでお渡しできると思います。