本読むスピード低下、前回、前々回の回答ポイントだけ

駅前のドトールより

イチロウです。

 

最近、本を読むスピードが落ちてしまったと

感じているのですが、

本の内容もだいぶ偏っています。

 

こんなジャンルも読まなきゃと思って

読んでいても面白くないものは無理ですね。

 

例えば 永遠のO(ゼロ)の

百田尚樹さんの “カエルの楽園”

なんかは 日本の防衛についてのたとえ話をしているのですが

なかなか読むのは辛かったです。

 

政治にめちゃくちゃ感心のある人でないとちょっと・・・

 

あと 道尾秀介さんの

“透明カメレオン” も読んでみましたが

これは確かにミステリー的ではありますが

ミステリーとして読もうとすると中途半端な

感じがして、

 

はたまた ほのぼのとした人間ドラマとして

読むと こんなに長くする必要あったのかなあ

とも思ってしまいます。

 

そんな中で好き嫌いは分かれるかもしれませんが

ミステリー的に面白く、あっという間に読み終えてしまったのは

知念実希人さんの

仮面病棟と 時限病棟 です。

読む順番としては 仮面病棟から読んだ方が

良さそうですが、時限病棟の方が手が込んでいます。

ミステリーが好きな先生にはいいのかなと思います。

 

その中でやはり1度読んでいるにもかかわらず

感情が揺り動かされたのが

東野圭吾さん(ファンということもあり

バイアスかかっているかもしれませんが)の

“祈りの幕が降りる時” ですね。

人気の“加賀恭一郎シリーズ”なので

初めて東野圭吾さんの本を読む人には

どうかとは思いますが(シリーズの最初から

読むほうが感情移入しやすい)

 

感情を動かされるストーリーという点ではさすがで

宮部みゆきさんほどの冗長さのない400ページ

ちょっとの本であってもさほど厚さを感じません。

 

現在、イチロウは最近テレビでやっていた海堂尊さんの

ブラックペアン にあやかって

本のブラックペアンも読みましたが

今はその続編である ブレイズメス を読んでいます。

これもブラックペアンの渡海を超える

型破りな天城という医師の活躍を描いています。

 

さて、本の話はこれくらいにして

先週の問題の解答をおはなししますね。

 

***************************************************

メルマガ読者の先生はここから

 

さて、前回の回答わかりましたか?

 

その前に前々回の

骨シンチグラフィ上心臓が集積するシチュエーション

についての話の回答をしていませんでした。

 

その可能性として

心筋炎、心アミロイドーシス、急性期心筋梗塞、心臓の石灰化など

が考えられるのですが

臨床的に、そしてCTを撮像すると絞られてきます。

 

心臓に石灰化はなかったこと、急性心筋梗塞や心筋炎の所見は

ないことより

心アミロイドーシスが候補に上がってきます。

 

残念ながら、症状もないことから

乳がんのスクリーニングとして骨シンチグラフィの依頼を出した

乳腺外科医はその後何も調べていないようですが

 

可能性として最も近いのが心アミロイドーシスです。

実際に心アミロイドーシスでもいいか?

ということで論文を探すと

 

Glaundermans AW et al.

Bone scintigraphy with (99m)technetium-hydroxymethylene diphosphonate allows early diagnosis of cardiac involvement in patients with transthyretin-derived systemic amyloidosis.

Amyloid. 2014 Mar;21(1):35-44. doi: 10.3109/13506129.2013.871250. Epub 2014 Jan 23.

がヒットしました。

結論として

”骨シンチグラフィーは、トランスサイレチン由来全身性アミロイドーシスの患者における心臓関与の早期診断を可能にする。”

というものです。

 

ちなみに全身性アミロイドーシスの一つの型である

老人性全身性アミロイドーシス

のアミロイド蛋白名はATTR

で、その前駆体はTTR(トランスサイレチン)です。

 

老人性全身性アミロイドーシス=ATTRアミロイドーシスです。

そのATTRアミロイドーシスは

心臓や肺、全身の小血管壁などに野生株トランスサイレチン(TTR)

を前駆体蛋白とするアミロイド蛋白(ATTR)が沈着する病態であり

 

組織学的なアミロイド沈着の同定と,

TTR に対する免疫組織化学によって診断されます

 

無症候のことが多く, 生前に診断に至ることは少なく

時に不整脈や心不全などの心症状を生じ問題となる症例があるようです。

 

なので、この症例も偶発的に乳がんについての骨シンチグラフィで

見つかったものと考えられますので

症状がなければ良いのかもしれません。

 

前回の回答のポイントだけお話ししておくと

 

①神経線維腫症I型(NF1)(レックリングハウゼン病)では

血管の脆弱性を生じ、大出血を生じることがある

わからずに手術をして血管をちょっと傷つけただけで大出血で致命的になった事例が存在する

当院でも血胸で手術をして、止血に難渋した症例を経験しています。

②もう一つ、この症例で大事なことは

遅延相での血管外漏出が不明瞭なこと

早期相では腰動脈からのextravasationが

見られるのにです。

その所見が横突起のそばだったため分かりにくかったこと

でした。

その目でもう一度画像を見直してみてください。

 

イチロウでした。

イチロウは一週間夏休みに入ります。

以上です。ありがとうございました。

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海外講演が多い大物に・・・? イチロウがやった緊急血管造影:なぜ?

駅前のドトールより

イチロウです。

2回のPI-RADS セミナーをやって

思ったことは

 

2回目までの参加人数を考えると

まだまだ、重要性が世間には知れ渡っていないな

ということでした。

 

2時間の予定が結局3時間のセミナーと成ってしまったので

私的にはへとへとだったのですが・・・

少なくともさせていただいた先生は今は

バリバリ読影しておられることと思います。

 

7月は 教授就任パーティーや

なんやらかんやらであっという間に時間が過ぎてしまい

まずいぞと思っています。

 

もちろん ぼーっとしていた 訳ではありません。

ほぼ無駄な時間は過ごしてはいないつもりなのですが

そうはいってもメルマガ発行を

2週間以上していないのは

先生に申し訳ないと思います。

 

ただ、収穫がありました。

教授就任パーティーである人物に

お会いしたのですが

けっこう その業界では大物で

世界を飛び回っている人物です。

 

今は名前も どの分野の先生かも

申し上げられませんが

まさか、このネットセミナーを

引き受けてくださる(まだ口約束の段階ですが)

とは思っていませんでした。

 

それについては決まり次第

おしらせしますので

お楽しみに。

 

あと、先々週は イチロウ的には

久しぶりに 緊急血管造影をやらさせていただいたのですが・・・

診断はいかがでしょうか?

*************

メルマガ読者はここから

 

症例は50台の女性で

台所仕事中突然背部痛に襲われました。

数回の嘔吐もありました。

それが 20:00頃です。

 

2時間ほど我慢していたのだと

思われますが

家族が22:00に帰宅して

うずくまっているところを発見し

救急搬送されたというものです。

 

ここまでで救急関連画像をよく見ている

先生であれば、

いくつかの疾患が思い浮かぶとは思いますが

一応 生来健康(手術歴なし)だったと思います。

血圧も高くなく、ワーファリンも投与されておらず

外傷歴もありません。

 

翌日 朝 に相談された画像を動画でお示しします。

これです。

 

 

放射線科医ならば

診断は 一瞬なのですが

 

血液データ上 WBC 20,000

というのが影響したのかもしれませんが

どうやら夜の段階では違う方向に

考えてしまったようです。

 

先生はこの画像から

何を考えますか?

ブログに投稿してみてください。

 

なぜ、緊急血管造影なのか?

まず、診断は?

次に行うことは?

この患者さんは健康とはいえ

どんな疾患を持っていたと考えられますか?

 

以上 本日は問題のみで 終了です。

 

回答はこちらをクリック

 

イチロウ拝

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えっ骨シンチグラフィなのにあそこにRIが集積って?

駅前のドトールより

イチロウです。

さて、数日前に乳がんの転移検索目的の

骨シンチグラフィをサクッと読影しようとしていた時のこと

う? ここれは

あーこの人左乳がんなのねと思い

CTを確かめに行くと・・・

そんなに大きな乳がんはなく、しかもすでに切除後。

CTを見る限りは再発腫瘍は皮膚にできた小さな領域であり

とてもそんなに大きな集積ではない。

そこでスペクトを見て びっくり!

な、なんと

これはお教えしなければと思い

お出ししますね。

それがこれ!

1620464 20170118 RI 1

うん 何も異常がない! あ、申し訳ないです。これは1年前の画像でした。

言いたいのはこちら

1620464 20180619 RI 1

一瞬、別にーーーですが、、、

focus しますね。

1620464 20180619 RI 2

もっとわかりやすくすると

これです。

1620464 20180619 RI 3

心臓(心筋)に入ってしまいました。

そこで、可能性として 急性心筋梗塞 や 心筋炎 なんて上がってしまいますが

この方には症状がありません。

再発しているんですが、皮膚面に7mm程度のものだけです。

ならば、いったい???

あとは・・・

続きは今日は時間がなく、言えませんが

硬化性大腸炎の 結果も明日カンファランスするのでお話しするとして

 

今日は Easy PI-RADS の6月30日締め切りが本日にせまっているのでおしらせします。

お急ぎください。

技師さん と 放射線科医の人口 いくらになるかわかりませんが

7−8万人くらいでしょうか?

その中で 数少ない PI-RADS を理解している人になりませんか?

http://medicaldirect.jp/archives/5446

 

 

 

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サンシシの石灰化の程度は何と相関するのか?

駅前のドトールへは
今日は行けませんでした。

今週末 PI-RADSの最後の準備で
明け暮れました。
何処へも出かけられません。

あと数時間で ディスカウントが終了
http://medicaldirect.jp/archives/5446
なので
お知らせするのと

昨日話した Phlebosclerotic colitis or mesenteric phlebosclerosis
の追記をしたいと思います。

まず、数時間で終了 PI-RADS 1,000 締め切り
http://medicaldirect.jp/archives/5446

予定が詰まっていて聞くことができない先生も
いらっしゃるのですが
今回でしばらく PI-RADSはしんどすぎて
できません。なので今のうちにどうぞ。

あと、昨日の日本を中心に生じやすいといった
サンシシを主原因とする
腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis) または
静脈硬化性大腸炎(phlebosclerotic colitis)については

World J Gastroenterol. 2015 Jul 14;21(26):8148-55. doi: 10.3748/wjg.v21.i26.8148.
Relationship between severity of venous calcifications and symptoms of phlebosclerotic colitis.
Yen TS1, Liu CA1, Chiu NC1, Chiou YY1, Chou YH1, Chang CY1.
(2016年のインパクトファクターは 3.365です)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26185388

中国の雑誌ですが、有名な雑誌ですよね。

そこでは症状と石灰化の関係を分析しています。
エピソードの数と石灰化の程度とは相関するとのこと
英文ではAccording to our findings,
the extent of mesenteric venous calcifications
strongly positively correlates with the number of
episodes of active disease.

これが唯一画像での新たなティップスでしょうか?
ちなみにこの中国論文
平均年齢 61.8± 11.5 で昨日まとめていた
日本人のデータとほとんど変わりません。
男女比も完全に 12人が 6:6の等しい頻度で似ています。

CT所見では 壁肥厚のあるのが 8人66.7%, ないのが4人 33%
石灰化は全例に見られています。

部下の専攻医に英文論文を読んでおくように
言ったのですが、果たしてやってくるのかどうか・・・
微妙です。

以上 イチロウでした。

Easy PI-RADS .
http://medicaldirect.jp/archives/5446
煽るのは好きではないですが・・・

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さんしし はいったい何をしてくれた・・・

駅前のドトールより
イチロウです。

さて、今週消化器関連の
カンファランスが開かれるのですが
内科が画像のプレゼンをお願いします
と持ってきたのが

Phlebosclerotic colitis  あるいは
mesenteric phlebosclerosis

です。

聞いたことがあれば
診断は簡単なのですが
知らないと全く診断できない

というものです。
しかも原因がはっきりしていて
日本に多く見られるものです。

日本語に直すと

”静脈硬化性大腸炎” または”腸間膜静脈硬化症”
です。
ここで 経験したことのある先生なら
あーあれね。ですが・・・

特徴は何と言っても
CT上の静脈の石灰化です。
動脈ではありません。
しかも、大腸の静脈のみがおかされ

小腸や胃の静脈には異常が見られないことが
特徴的です。
1993年に岩下らが静脈硬化症に帰因した
還流異常による虚血性大腸病変として新しく提唱した疾患概念で
女性に多く
本邦からの報告が多いとされています。

初期には盲腸から上行結腸に限局発症し,
経過とともにしだいに肛門側に進展する
と考えられているようです。

症状は腹痛,便秘,下痢,嘔吐など

原因は漢方薬、
中でもサンシシがその原因の一つとする報告が多いようです。

は? 三枝氏  とワープロは訳してしまいました。

違う違う いらっしゃーい ではありません。
私も知らなかったのですが

サンシシとは何か?
漢字では 山梔子  と書くようです。
と言われましても・・・

サンシシはくちなし の果実を言うようです。
くちなし といえば
くちなしの花(くちなしのはな:6裂の白い花)ですよね。
石原軍団のトップ
渡哲也が1973年8月21日に発表したシングル曲(思いっきりフルーーーーーイ)

いやいや 横道それました。
そのくちなしの 果実がサンシシで

漢方処方としては
鎮静、消炎、止血、解熱、利胆 を目標に
精神不安、充血、黄疸に用いられるそうです(生薬単:p124より)
そのサンシシの中に ゲニポシド という成分が入っていて

ゲニポシドが大腸の腸内細菌によって加水分解され、
生成されたゲニピンが大腸から吸収されて
腸間膜静脈を通って肝臓に到達する間に、
アミノ酸やたんぱく質と反応し、青色色素を形成するとともに、
腸間膜静脈壁の線維性肥厚・石灰化を引き起こし、
血流を鬱滞させ、
腸管壁の浮腫、線維化、石灰化、腸管狭窄を起こす
(Tokushima Red Cross Hospital Medical Journal
VOL.9 NO.1 MARCH 2004 p50より)

と考えられている。

病理学的には
静脈壁の著明な線維性肥厚と石灰化、
粘膜固有層の著明な膠原線維の血管周囲性沈着、
粘膜下層の高度の線維化

CT画像のみでほぼ確定診断が可能で
画像的な鑑別はありません。

EXPERIMENTAL AND THERAPEUTIC MEDICINE 7: 583-586, 2014(台湾の雑誌)
Exp Ther Med. 2014 Mar; 7(3): 583–586.
によると日本が75%, 台湾が17%、香港が3%, 韓国が4% と報告しています。

日本の文献 2009年の比較的(ですが)あたらしいものでは
川崎医学会誌 35(2):171-178,2009 で

静脈硬化性大腸炎 69 例の報告(学会抄録を除く)を
まとめてくださっていて
発症年齢は 28 ~ 80 歳
(平均 60.8 歳)と中高齢者に多く,男女比は 1.1
(男性 36,女性 33)とほぼ男女に等しく見られるようです。

画像は特徴的です。
カンファランスの直前くらいにまた出しますね。

イチロウ拝

PS. さて 本日23:00で ディスカウントがなくなります。
ので、6月30日に時間がどうしても取れない以外は
聞いておいて損はありません。

第一回のをやや修正して
症例も少し入れ替えますね。
EASY PI-RADS 略して イーパイ

http://medicaldirect.jp/archives/5446

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セミナー募集までもう少し・・・

駅前のドトールで買って

家で飲みました。

 

イチロウです。

さて、

6回にわたってPI-RADS v2.

はなんなのか、なぜ必要なのか?

泌尿器科医はどう考えているのか

当院の撮像はどんな感じなのか?

 

について長々と話してきました。

セミナーの申し込みは別メールでお知らせしています

今日は最後のビデオを流しますが

 

それではよろしくお願いいたします。

Easy PI-RADS v.2 イーパイ

イチロウ拝

 

 

 

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多すぎでしょ!マルチパラメトリックMRIの中身が・・・

病院の自分の部屋より

イチロウです。

 

さて、1週間以上にもわたって

PI-RADS 関連のコンテンツ、文献情報等

を送られてうんざりされている先生も

いらっしゃるかと思います。

 

いい加減、イチロウ先生

他の情報を送ってくださいよ。

と言う声も聞こえてきそうです。

 

そういう声は特に聞いているわけではないですが

おとといの最後に予告し通り、

実際のマルチパラメトリックMRIの中身について

お話しします。

 

その前に今回予定している

セミナーに仮タイトルをつけると

Easy PI-RADS 略して イーパイ

“泌尿器科医が切に望んでいるシステム化された

読影レポートの書き方を

たった2時間でいち早く身につけ、

その他大勢の放射線科医に恥をかかせる講義”

 

です。

大変恐縮なのですが、当初6月6日の水曜日

を予定しておりましたが

今回多数の参加者が参加された場合

職場でのセミナーでの対応が困難となる可能性があり

また、その次の土曜日は

ある教授の就任パーティーに参加しなければならず

セミナーが困難で

 

最短の土曜日となると6月16日となりそうです。

時間はいつもの14:00エントリー

14:30スタートの予定です。

 

ではどんなことを話すのか?ですが

それについては次回お話するとして

今回はとりあえず

当院で どんな感じでとってるの?

というのを

ご紹介いたします。

 

へー イチロウ先生

そんなに とってちゃとりすぎでしょ

と言われそうですが

技師さんもやる気まんまんなので

あえて否定はどうかなと思い

今は この感じでやっています。

 

基本的に 前立腺のMRIはマルチパラメトリックMRIという

仰々しい名前を付けてはいますが

要するに肝臓のMRI関係では通常行うようなシーケンス

をいれこんでいるだけだというのは

最初のビデオでお話したとおりです。

 

当院の撮像は

1.5T HDx と 3TのDiscovery (いずれもGE社製)

ですが、前立腺はなるべく3Tで行うようにしています。

脳のクリッピング後や心臓ステント挿入後などの

体内デバイスが挿入されている症例は1.5Tで

行なっています。

 

撮像は

① DWI b=1,500

②   DWI   b=1,000 FOV広めで骨盤骨メタ検索目的

③ T2WI axial  FRFSE

④ T1WI   axial  FSE

⑤ T2WI   sagittal FRFSE

⑥ T2WI   coronal FRFSE

⑦ T1WI coronal ②と同じ範囲で骨盤メタ検索目的

⑧   T1WI FS  FSPGR

⑨ Dynamic MRI LAVA

10  T1WI  coronal delay

PI-RADS当院シーケンス1

PI-RADS当院撮像2

 

⑥はPI-RADS にもある大動脈分岐部までを

FOVに入れるようにというのに準拠している

と思います。

②、 ⑦はやはりBatson の静脈叢の

転移パターンで骨盤骨に転移するのが最初

という概念から 骨転移のスクリーニングとして

骨盤全体の骨メタ除外として必要と思っています。

②のみだと確信度が下がるので⑦で確認する

という感じです。

 

多すぎるので削るとすると

PI-RADS でも言われているように

後期相でのwashout の重要度が低いので

造影遅延相の T1WI coronal はいらないかもしれません。

 

撮像時間の全てを合算すると20分程度

ですが、患者を入れ替えたり

造影剤の注入セッティングしたりという

時間も取られるので

全てで枠は30分となっています。

 

以上が当院の撮像パターンです。

ちなみにT2WIとDWIとがスライスが

一致している方がいいので

DWIはギャップレスでもできますが

4mm/1mmギャップとして

合計5mmでスライス厚を一致させています。

(実は恥ずかしながら最近です)

 

次回は今回のPI-RADSセミナー(イーパイ)の概要と

PI-RADS v2 の撮像法の注意点についての話

これはビデオ予定です。

 

予定しています。

セミナーは2時間を予定してはいます。

やはり1時間では短すぎるし

ワークショップ的に練習問題もといた方が

いいと思ったからです。

イチロウ拝

PS.  アンケートは本日夜締め切りますので

できるだけ多くの先生の意見をお願いします。

アンケートまだの先生

よろしくお願いします。

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

 

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そんなことを読影に入れ込むなんて余計なお世話 という泌尿器科医

駅前のドトールより

イチロウです。

 

さて、先週の木曜日から

PI-RADS v2. に関連したコンテンツや情報を

お伝えしてきました。

 

そもそもの始まりは

今回のアンケートの質問3で見られた私の感情です。

 

アンケートをお答えでない先生は

ぜひともお願いいたします。

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

 

 

PI-RADS v2という言葉はどこで初めて聞いたのか

よく覚えていませんが、、、

もともとBI-RADSに閉口していた私は、その言葉を聞いて

今回のアンケートの質問の選択肢の

「いやーBI-RADS もままならないのに

正直また覚えるのはしんどいなあ」 と感じたのです。

 

実際、今回イチロウが独自に

アンケートをやってみると現時点では最も多い

29%の先生がそう感じたようです。

 

しかし、、、見よう見まねでも読影し続け

病理所見とも対比しつつやっていると

その意味を泌尿器科医が理解していていただけていないと

報われないぞ この努力

と思ったので

 

よく当科にコンサルトにこられる若手

泌尿器科医Y先生に

実は最近は PI-RADSで読影している

のだということを

アピールしたわけです。

 

すると 2週間後に彼が得意げにある文献を持ってきたのです。

それが  http://medicaldirect.jp/blog/?p=570

のビデオの中で紹介した 泌尿器外科 2017, 30, 257-261の

PI-RADS scoreと 病理との対比の表でした。

 

その時の彼の輝いていた目は忘れられません。

それから、時間がかかるけれどなんとか

読影してきました。

 

その後の泌尿器科医の反響は聞いていませんが

前回のメルマガで紹介した2人の泌尿器科医への質問の

一番初めの質問で

 

Q1. . 放射線科医はPI-RADSや記述形式などの様々な方法で

 

報告しますが、どの報告書の形式がいいですか?

A, PI-RADS形式

 

です。 と答えたことを考慮すると

自分は間違っていなかったなあ と感じています。

 

実際、米国では7人に1人が前立腺癌となる危機的状況の中

日本に先駆けていろいろな論文が登場しています。

 

さて、今日はAJR 2018;210:101-107 

A Comparison of Radiologists’ and Urologists’ Opinions Regarding Prostate MRI Reporting: Results From a Survey of Specialty Societies

Spilseth B1, Ghai S2, Patel NU3, et al. です。

 

目的はズバリ 前立腺MRI報告に関する放射線科医と

泌尿器科医の意見を比較することです。

 

AJRが こんなに真面目にこのようなスタディをアクセプトしているとは

前立腺がん撲滅、早期発見に対する並々ならぬ決意が読み取れます。

 

この研究の目的は、前立腺MRI報告に関する放射線科医

および泌尿器科医の意見を比較することです。

 

対象と方法は泌尿器科癌学会の泌尿器科会員(泌尿器科医)

と腹部放射線学会の会員である放射線科医は、

前立腺MRIの報告に関する電子的な調査を受けました。

 

余談ですが、Google の無料アプリである

Google Form を使ったようです。日本では認知度低いですが

非常に高機能らしいです。私は使ったことありません。

 

結果:

放射線科医の回答率  12%(135/1155)

泌尿器科医の回答率は 8%(54/663)でした。

 

・自施設でPI-RADSを採用と回答したのが

放射線科医、84%、

泌尿器科医、78%

 

・患者ケアに対する影響を理解している

放射線科医、89%、

泌尿器科医、71%

 

・放射線科医がPI-RADS v2カテゴリーを正しく適用していることに同意する

放射線科医57%

泌尿器科医61%

 

・PI-RADS v2.を使用する放射線科医の経験不足を感じている

放射線科医 51%

泌尿器科医 51%

・PI-RADS v2.を使用する泌尿器科医が経験不足

放射線科医 46%

泌尿器科医  51%

 

・標準化されたテンプレートの欠如

放射線科医47%

泌尿器科医52%

以上は比較的放射線科医と泌尿器科医の意見が一致していました。

しかし、意見が分かれたのは

 

・報告書にはフォローアップのマネージメントの推奨、

例えば、狙い撃ち生検を推奨するか?

放射線科医58%

泌尿器科医34%

フォローアップ画像を推奨するか?

放射線科医46%

泌尿器科医28%

そしてフォローアップ画像の間隔時間を含んで記載すべきか?

放射線科医、35%

泌尿器科医、16%

 

泌尿器科医の54%が完全に構造化された

報告書を優先していたのに対し、

放射線医の53%はハイブリッドつまり構造化

およびフリーテキストの報告書を優先していたようです。

 

結語は

泌尿器科医は完全に構造化された報告書を発行することを

(たとえ経験が浅い放射線科医が使う可能性があっても)

強く望んでいるようですが、

 

放射線科医が患者のマネージメントの

推奨(生検、画像とその間隔の推奨)を含めることには同意しない

放射線科医と泌尿器科医の協力に向けたより厳密な取り組みは、

患者のケアにおける前立腺MRI報告の効果を

最適化するのに役立ちます。

 

と結んでいます。

 

要するに泌尿器科医は強くPI-RADSによる構造化されたレポートを

望んでいるし、実際に多くの施設で採用されている

たとえ、経験不足の放射線科医が読影しようと

構造化されたレポートを書くことを泌尿器科医は強く欲している

ただし、生検をやった方がいいだとか

次の画像はいつやるべきだとかの指図はいらない

余計なお世話? ということらしいです。

今後もお互いが協力してより良い構造化レポートを

作っていき患者ケアの最適化に役立てていきましょう

 

という感じでしょうか。

 

では次回は当院の実際のの撮影シーケンスは

どんなものを撮像しているのか

つまりマルチパラメトリックMRI

の実際の中身についてお話しします。

 

イチロウ拝

 

PS. アンケートもそろそろ締め切り(金曜日頃)しますので

ぜひ最終コーナーの参加をお願いします。

実際にかかる時間は数分ですよ。

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

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泌尿器科医2人の質疑応答を聞いてみよう!

駅前のドトールより

 

イチロウです。

 

今日はアイスコーヒーLを注文しました。

4月から10月までの定番メニューのM

ではなくLにしました。

 

まだ、お答えになっていない先生

アンケートの方よろしくお願いします。5分もかかりません。

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

 

さて、先週木曜日からPI-RADSのコンテンツを

配信しています。

 

今日は、

AJR Am J Roentgenol. 2018 Jan;210(1):108-112. doi: 10.2214/AJR.17.18260. Epub 2017 Nov 1.

Evidence-Based Reporting: A Method to Optimize Prostate MRI Communications With Referring Physicians.

Magnetta MJ1, Donovan AL2, Jacobs BL3, Davies BJ3, Furlan A1.

 

内の付録の中の内容である

PI-RADS v2に基づき構造化レポートを評価した

2人の泌尿器科医への質問があるのですが

我々が発行する報告書を受け取る側の医師の

意見ですので貴重です。QandA方式となっています。

 

日本人でないという点が状況は異なりますが

参考意見として聞いてください。

2人の意見が完全に一致したものの一部を

紹介しますね。

Q=質問内容、A=それに対する回答   Q1, 2,・・・は実際の質問の順に対応していません。ご了承下さい。

Q1. . 放射線科医はPI-RADSや記述形式などの様々な方法で

報告しますが、どの報告書の形式がいいですか?

A. PI-RADS形式

 

Q2, 臨床現場でPI-RADS 標準報告の言語を使用していますか?

しばしば、時々、決して  のいずれでしょうか?

A. しばしば

 

Q3. あなたは放射線科医が放射線学の報告書で “臨床的に重要な癌”

という用語を使用してほしいですか?

A. いいえ

 

Q4. 前立腺外進展が曖昧な症例の場合は、確実な進展について述べることを標準的に記述することを勧めますか?

A. はい

 

Q5. レポートのまとめ(Impression)の部分では、High grade の病変の位置、病変の総数、その説明など、あなたにとって最も貴重なものは何ですか?

A. High grade病変の説明

 

Q6. 前立腺の大きさをどのように記述すべきか?

A. 容積で。

 

Q7. 偶発的に見つかる嚢胞、出血、石灰化などの存在と位置を報告することは重要か?

A.  いいえ

 

Q8. 腫瘍が精嚢腺に浸潤したかどうかを報告することは重要か?

A. はい

 

Q9. 精嚢腺への浸潤があいまいな場合どのような表現が受け入れられますか?

選択肢: おそらく浸潤、浸潤の可能性

A. 浸潤の可能性

 

Q10. 同様に神経血管束への浸潤があいまいな場合は?

A. 浸潤の可能性

 

Q11. 骨盤のリンパ節腫大は重要か?

A.  はい

 

Q12. 骨盤リンパ節腫大についての報告書に何を記載すべきか?

A. 存在、位置、大きさ、数

Q13. 骨転移の記載については?

A. 存在、位置、数

 

Q14. 放射線科医に報告書内でステージングをして欲しいですか?

A. いいえ

 

Q15. どれくらいの頻度で放射線科医に所見を確認していますか?

選択肢:しばしば、時々、稀、決して

A.  稀

 

以上を見ていると

日常 それらを満たした近い報告書は発行されているように思われます。

ただ、構造化したレポートかと言われると

やはり・・・ 人により様々

ニュアンスも様々ですよね。

 

前回の泌尿器科医の5ポイントスケールが

いずれも介入後に上昇したことは

重要な意見がデータ化されたということですね。

 

以上今日の話は

泌尿器科医の質疑応答 についてでした。

 

ご参考までに

 

イチロウ拝

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PI-RADS に基づき構造化された読影レポートの末路?

駅前のドトールより

イチロウです。

 

まだ、PI-RADS による読影に

興味があるのに

アンケートに答えていない先生は

こちら

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

アンケート結果の一部としては

Q3. BI-RADSのみならず、PI-RADSと言う用語というか報告書のシステムも

存在すると初めて聞いてどう感じましたか? についての

フリーの回答では

依頼者(泌尿器科医)が希望されるなら、答えるのが仕事と思います。

勉強して、使ってみたい。

泌尿器科医が要求してくるなら仕方がない。

技師としては、撮像のポイントが分かっていい

などでした。

 

また、Q4 PI-RADSを現在実行していますか?  については

泌尿器科からの依頼があり、やむなく記載しつつあります

全く知らない。

症例もなく行なっておりません。

マシンスペックで現実的に時間的に対応できる範囲で撮像している

などでした。

 

さて、先日PI-RADS v2 に関しての

ビデオをお見せしました。

 

まだご覧になられていない先生はこちら

http://medicaldirect.jp/blog/?p=570

 

本日は ちょっと面白いというか

そうだろうな と思われる最新論文のご紹介です。

 

AJR Am J Roentgenol. 2018 Jan;210(1):108-112.

Evidence-Based Reporting: A Method to Optimize Prostate MRI Communications

With Referring Physicians.

Magnetta MJ1, Donovan AL2, Jacobs BL3, Davies BJ3, Furlan A1.

 

なんですが

 

論文の目的としては

泌尿器科医と放射線科医の間のコミュニケーションを

改善する前立腺MRIレポートを最適化する

エビデンスベースの方法を開発するということですが

 

実際にはPI-RADS v2 をベースにした

放射線科の読影レポートがどれほど泌尿器科医との

間の共通言語になり、役に立ち、喜ばれているか

という検討です。

 

材料と方法:

PIRADS v2で作成前の病院でそれまで作成されていたレポート200件と

PI-RADS v2 にしたがって作成された

レポート100件 とがレトロスペクティブに検討された。

 

さらに、介入前後40例の報告書が2人の泌尿器科医によって評価され、

その一貫性、完全性、簡潔さ、明瞭性、放射線科医コンサルト、

および臨床的影響の6つの項目を

5ポイントスケールでスコア化 し

変数は、ANOVA、カイ二乗検定、

またはフィッシャー正確確率検定とで比較したのです。

 

結果:報告書の重要な要素は、

PI-RADSv2利用、病変によって列挙された所見、

関連する所見(前立腺外伸展、精嚢、および神経血管束浸潤)の陽性および陰性の有無

および少ない語数の報告であった。

 

介入後の報告では、すべての重要な尺度は、

平均報告語数を除いて統計的に改善

されたというものです。

 

泌尿器科医の5ポイントによる評価では

一貫性(介入前2.7、介入後、3.5)

完全性(介入前2.8、介入後、3.3 )

明快性(介入前2.9, 介入後3.3)

臨床的インパクト(介入前2.8, 介入後3.8)

といずれも介入前後で改善が見られ

放射線科医に説明してもらうために接触する必要性も減少

したようです。

 

結論:PI-RADS v2 による構造化された前立腺MRIレポートは、

報告された臨床的影響の増加によって示されるように、

依頼した泌尿器科医とのコミュニケーションの改善をもたらした

 

というもので、一言で言うとPI-RADS v2 をもとにした

構造化された読影レポートを

泌尿器科医 が受け取る際

もらってよかったなと思えるレポート になる

 

というものです。

 

我々放射線科医で (IVRの先生もそうでしょうけれど)

とくに読影主体にやっている先生は

読んでもらってなんぼです。

 

読んでもらえないレポートつまりは

人の役にたっていないレポートを

いくら発行したところで

自分が存在している意義がない

と感じてしまい

 

お金をもらっているだけという感覚になります。

やはり医療従事者である以上

Dr. の(結果的に患者の)役に立ちたいものです。

 

今日は以上です。おやすみ中読んでいただきありがとうございました。

 

明後日、月曜日には上記論文の中で

2人の泌尿器科医にたくさんの質問をしているので

その中で これは というものをピックアップする予定です。

 

アンケートの方よろしくお願いします。

https://jp.surveymonkey.com/r/DX3C2YL

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