70才台女性、便秘症、肝内SOL指摘
この症例を10分間聞くことで先生が得られる結果
①いつも苦労していた血管腫との鑑別がある方法によって簡単になります。
実はこの方法は昔から使われていましたが、最近のある論文で再び見直されました。
CieszanowskiA, Anysz-Grodzicka A, Szeszkowski W,
Characterization of focal liver lesions using quantitative techniques: comparison of apparent diffusion coefficient values and T2 relaxation times.
EurRadiol. 2012 Nov;22(11):2514-24. doi: 10.1007/s00330-012-2519-x. Epub 2012 Jun 15.
この論文では ADC map(accuracy 81%) より T2 relaxation time (同 89%)の方が使えると言っています。
論文は2012年とこのVideo をアップしたときには非常に新しいものです。
②上記を知ったうえで、今回の症例のように注意が非常に必要な症例 つまり例外を知ることも重要です。日常診療で輝きを増すには例外を明確に知っているかで決まります。T2 relaxation time を使いこなし、例外も知ることでEOB-MRIでの血管腫との鑑別が容易になります。
③粘液癌、粘液産生性腺癌 vs. 血管腫は 永遠のテーマであるが、実は症例をじっくり眺めているとヒントが得られる可能性もあります。粘液癌、粘液産生性腺癌はT2 relaxation time を使わなくても形態的にも違いが分かります(文献はまだありませんが)
さあ、たった10分です。余った時間で聞いてみてください。
ちなみにこの問題は、ある放射線医学教室の後期研修医に
問題としてだして いくつかある問題のうち9%しか正解の得られなかった難問です。
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Key words: 粘液産生性腺癌、Mucinous adenocarcinoma, mucinous cyst adenocarcinoma, 肝転移、liver metastases, 血管腫、hemangioma, T2 relaxation time, ADC map
Key images.
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