AVS, PA, PAC, LR もはや略号が多すぎて・・・

箱根の温泉より
イチロウです。

今日 イチロウは温泉で
保養しています。

今年は夏もどこにも
出かけていないので
ちょっとだけ休養させていただきました。

お話できることがあったら今度
情報として出しますね。

昨日 地方会での凍結療法の話
滅多に IVR の話をしないイチロウなので
今回も、また、その続きの話をさせていただきます。

でも 凍結ではなく
静脈サンプリングの話です。

講演は 順天堂大学の 白石先生がされましたが

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実はイチロウ
静脈サンプリングがいやでいやでしょうがなく
確か、今の病院でも1回しかやったことがありませんでした。
(特に拒否したことはありませんが、大学病院に送っているようです)

というのも 教育してもらえる機会がなかった
からかもしれませんし、今ほど原発性アルドステロン症が
注目されていなかったからと考えられます。
今は、大学(分院?)でもバシバシされる先生がご登場されていると
聞いていますが・・・

私の時代は IVR医がいらっしゃっても
やはり花形のIVR手技の方がお好きな先生が多いようでした。

ここで、イチロウがやらない言い訳を書いても先生になんの足しにも
ならないので 講演のメモと
文献とを参照して少しだけお話しします。

参考は第40回日本IVR学会総会「技術教育セミナー」
のPDF を参照させていただきました。以下
http://www.jsir.or.jp/docs/member/hinto/28_2/28_2gijyutu2.pdf

原発性アルドステロン症の診断治療ガイドライン:特に微小腺腫と治療について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsejje/26/1/26_24/_pdf

原発性アルドステロン症の診断ー最新のコンセンサスステートメントよりー
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/35/1/35_2/_pdf
を参照させていただきました。

静脈サンプリングとは ご存じのように
副腎静脈サンプリング Adrenal Venous Sampling(以下,AVS)
のことです。

適応は  Primary aldosteronism (以下 PA)つまり
原発性アルドステロン症と確定診断された方に、
アルドステロンが左右のどちらから主に分泌されているか(局在診断)を
明らかにして、手術適応の有無を確定するするのが目的です。

PAは、ご存じのように高血圧を生じ
求心性心肥大、タンパク尿 など 様々な高血圧による臓器障害を呈するため
手術をしないと一生薬を飲み続けることになります。

逆に原因の PAを取り除ければ、薬から解放されます。
でも、というかだからこそ原因となっている
PA の副腎腫瘍をしっかり同定しないといけないわけです。

右副腎静脈へ挿入するのは左よりも難しく
ご講演では 副肝静脈 と間違えやすいので
その場合は 造影検査をして逆流させて、
肝の形状を確認しましょう とおっしゃっておられました。
(普段やられているDr.には当たり前のことでしょうけれど)

上記リンクを張った文献うち 最初のPDFセミナー p72に 牧田先生が
「右副腎静脈は多くの場合, 第 11~12 肋骨の高さ付近で,
下大静脈の右背側~外側寄りに流入する。
副肝静脈とほぼ同じ高さで,すぐ近傍内側(背側寄り)に流入している
ことが多く,まず副肝静脈を探っ てみて,副肝静脈の位置からわずかに
反時計回りにカ テーテルを回転させると右副腎静脈を選択できること がある。

などと書かれています。

地方会セミナーの中ではCTでよく副腎静脈を確認しておいてください と言われ
相当の期間 AVSをやっていなかったイチロウは
恥ずかしながら、副腎静脈を CT で先日初めて同定しました。
本当に恥ずかしいです。知らないことって・・・

でも、これからは副腎静脈も気にして見てみようと思いました。
引用PDFの牧田先生の 最後には

「放射線科医は毎日大量の CT 画像をみているので あるから,
もし副腎静脈採血を行おうとうするのであ れば,
読影の際に,毎回,副腎中心静脈を同定して, 下大静脈や左腎静脈への流入の
変異パターンを確認し てみるという作業を 1 ~ 2 週間続けてみるとよい。
2 週間も続ければ,あっと いう間に 100 例~200 例の副腎を観察することができる」
と言われています。

カテーテルを引っ掛けることができてもカテーテルの先端が
ウェッジして 採血ができない場合もあり その場合
「適切な形状のカテー テルを選択するか,造影の角度を参考にカテーテル先端を適宜蒸気形成
して適切な角度にすると成功する」と言われ(上記最初のPDF p88 高瀬先生)

もはや手技としてはIVRです。

副腎静脈/IVC のコルチゾール比が 5以上 IVC=下大静脈
副腎静脈PAC 14000 pg/mL 以上     PAC=アルドステロン濃度
LR (lateralized ratio: PAC/コルチゾール左右比) が3-4以上
が診断陽性基準のようです。

以上 私がまだ、カテーテルを頻繁に触っていた時代には
なかった、教育ツールがこれほど簡単に手に入るのですから
参考にしてみてください。

私ができる一歩としては CT上の副腎静脈同定です。

でも、最近はとにかく単純CTが多すぎます・・・。

イチロウ 拝

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