駅前のドトールより
コーヒーを持ち帰って
飲んでいる
イチロウです。
再来週の秋季大会は
機構への移行の先生が増加している
影響から 3,000人近くの
人数が申し込むことが予測されている
と聞きました。
多分立ち見で1時間
〇〇⚫️ かもしれない講義を
聞かなければなりません。
私も出かける予定ではありますが
どうなることやらです。
さて、土曜日の深夜 正確に言うと
日曜日 本日となってしまいましたが
2つのセミナーを同時に ご紹介しました。
税金なしバージョン(メディカルダイレクト負担)
は、火曜日 までです。
松本先生セミナー http://medicaldirect.jp/archives/5649
イチロウPI-RADS セミナー http://medicaldirect.jp/archives/5446
セミナーに興味のない先生のために
話を元に戻すと
前回 お話ししたセミナーでは ARSACS 以外に
陰茎の三角が特徴的な 〇〇 そして
下垂体 疾患である Sheehan syndrome などが
提示されました。
当院は婦人科系が 細々としか診療していないので
めぐり逢うこともなく忘れてしまいそうな疾患
なので Sheehan syndrome を
リマインダー目的に お話しします。
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シーハン症候群とは?
下垂体の卒中 と 下垂体機能低下をきたす稀な疾患で
治療の分娩時、あるいは 分娩後の大量出血によって引き起こされ
妊娠中に(エストロゲンに反応して)
増大していた下垂体への血液供給が滞り発症する
と言われています。
その素因としては
小さいトルコ鞍
分娩時の大量出血に起因する血管攣縮
妊娠または凝固障害に関連する血栓症
が言われているようです。
下垂体前葉がやられるため、その低下症状が結果として
現れることになります。例えば、
ACTH 低下の症状としては 全身倦怠感、易疲労性、食欲不振、体重減少、低血圧 など
TSH 低下の症状として 耐寒性の低下、鬱気分、便秘など
LH, FSH 低下症状として 無月経、腋毛、恥毛の脱落、乳房萎縮 など
GH 低下症状として スタミナ低下、集中力低下、体脂肪量の増加 など
PRL 低下症状として 産褥期の乳汁分泌低下
ADH 低下症状として 口渇、多飲、多尿
などです。
分娩ごすぐに発症する場合には
おそらく臨床的にも診断は容易でしょうけれど
実際には 本症と診断されるまでの時間は 1~30 年と幅広い
ことが問題のようです。
つまりもしかすると非特異的な症状しかない状況で
見過ごされている場合もありうる ということです。
一方、分娩後見られるリンパ球性下垂体炎がありますが、
分娩時の大量出血がない 点
分娩ごの授乳障害がない 点
下垂体は腫大し、均一に増大される点
から鑑別は可能です。
日本のような医療先進国では おそらく
見られる頻度は減ってはいるとは思いますが
頭の片隅には 一応置いておくべきかもしれません。
なお、当院では画像がないので
Pubmed で Sheehan syndrome, MR imaging で検索すると
129 件もでてきますが
検索で上位のもので AJNR の2008年の論文が
出てきます。ただし、2例の症例報告です。
その時の画像では 分娩後26日後の画像(図1)として
下垂体の中心の濃染不良と辺縁濃染 のT1WI横断像と冠状断像
が提示されています。
同じ例の 3ヶ月後の画像(図2)では
下垂体の大きさが顕著に減少している こと
Empty sella となっていることが示されています。
画像的には虚血に陥った末の下垂体の梗塞ですので(出血ではない)
造影後に濃染が見られず、リング状濃染となり
徐々に時間の経過とともに小さくなり
慢性期は empty sella となる
ようです。以上 一般病院にいる
あるいは胸腹部領域を中心に診断している と
忘れがちな
シーハン症候群について リマインドしてみました。
ちなみに提示画像をプレゼンしてくれたカンファランスに行った
部下の先生も 前葉が濃染していませんでした。と言ってました。
それ以外の特徴は何もメモされていないようでした。
イチロウ 拝
PS. PI-RADS セミナー 来週 12日行います。
http://medicaldirect.jp/archives/5446
また、同じ日から 引き続き 子育て支援企画の
松本先生セミナー行います。
http://medicaldirect.jp/archives/5649
火曜日まではメディカルダイレクトが税負担してくれます。
水曜日からは今回のみ据え置き 10%でなく、8%です。