綜合警備保障のALSOK いいえ ARSACS です。何お話?

駅前のドトールより
イチロウです。

本日は変則的に土曜日に
メルマガを書いています。

コーヒーはアイスでLを注文しました。
しかし、家に持って帰ってきたので
値段は一緒です。

さて、そんな話はどうでもいいので
珍しいことにその日(先週のある日)もう
読影するものがなくなってしまったので
地方カンファランスに(行きたがっていたので)
若者に参加してもらいました。

翌日 彼はちゃんとメモしてきたことを
私に伝えてくれました。

その中で
綜合警備保障のALSOK ではなく
ARSACS という聞きなれない疾患を
拝聴してきたというので
シェアしたいと思います。

ブログへ

*******************************

彼が言うには 某 T大の
K 先生はそれを一発で当てたと
悔しがっていました。
同じ学年だそうです。

でも、T大学ですから・・・

では ARSACS とは一体なんなのか?

Autosomal recessive spastic ataxia
of Charlevoix-Saguenay (ARSACS)の略だそうです。

えっ? 知らない? そうですよね。
私も全くわかりません。

簡単に説明すると
常染色体劣性遺伝性の脊髄小脳変性症
(autosomal recessive spinocerebellar ataxia; ARCAs)
の1型 です。

その前に 脊髄小脳変性症 ほぼ日常診療で見かけません。
その脊髄小脳変性症 赤本(よくわかる脳MRI)第3版 p633から

脊髄小脳変性症 Spinocerebellar degeneration SCD と略す
小脳または脊髄性の運動失調を主症状とし、小脳及び脳幹、脊髄の
神経核や伝導路に変性をきたす疾患の総称で
非遺伝性と遺伝性に分けられる。
非遺伝性は 多系統萎縮(MSA: あの橋の十字の高信号です)
や皮質小脳萎縮症 が含まれ

遺伝性は 常染色体優性 と 常染色体劣性 に分けられます。

常染色体優性 と 劣性では 優性の方が ほとんどで
それには SCA spinocerebellar ataxia と 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症などが含まれるのですが
ほとんどが SCA となります。

それに対して遺伝性の脊髄小脳変性症のうちの劣性は 稀です。

その稀の中の 一つが ARSACS です。
ARSAC とはAutosomal recessive spastic ataxia of Charlevoix-Saguenay (ARSACS)
の略です。ちなみに最後のCSに当たるのが下記のケベック州の
ある地方の名前の一部です

まるで 箱根入れ子細工の最後のこけしがでてきた感じです。

その入れ子のこけし である ARSACS は一体なんなのか?

カナダのケベック州のある地方(Charlevoix-Saguenay-Lac-Saint-Jean というところ)
には22人に1人と高頻度に在住しているらしい
しかし,現在では日本を含む世界各地から 数多くの報告がみられ,
世界的にみると,遺伝性常染色体劣性の脊髄小脳変性症としては
フ リードライヒ失調症に次ぐ頻度ともされているようです。

ケベックのある地方では濃い地域ということもあり
1歳から1歳半での発症が多いのですが
日本では 20−30歳台発症で、
痙性失調が存在するものの、網膜の異常は存在しないことが多い
と言われ

我々にとって覚える?(必要があるかは別として)画像所見は
小脳虫部上部の萎縮 と
橋に線状の低信号域が T2WIで見られることが
診断上重要と言われます。

一応引用画像を載っけときます。

Gerwig M, et al. Characteristic MRI and funduscopic findings help diagnose ARSACS outside Quebec. Neurology. 2010: 2133

https://n.neurology.org/content/neurology/75/23/2133.full.pdf

他の論文

Martin MH, et al. Autosomal recessive spastic ataxia of Charlevoix-Saguenay: a reprt of MR imaging in 5 patients. AJNR; 28: 2007:1606-1608

http://www.ajnr.org/content/ajnr/28/8/1606.full.pdf

おそらく カンファランスでは それが提示されたのでは
ないでしょうか?
なので それを覚えていた T大の K君は
回答できたと考えられます。

ようです。

Key words: ARSACS 脊髄小脳変性症のうちの
遺伝性 の うちの 常染色体優性ではなく
劣性の の うちの カナダのケベック州のある地方で多い
日本にも見られる 病気で、日本では20−30歳代発症で
痙性失調 を呈し、MRIのT2WI で橋に線状低信号を呈し、
小脳虫部上部 に萎縮が見られる

疾患 でした。 何かの問題が出た時
お役に立つかもしれませんが、日常は多分出会いません。

今日は本当に稀な疾患の話ですいません。

イチロウ でした。
本日も メルマガ購読ありがとうございました。

PS.  松本先生の救急画像診断:子育て支援企画 継続
10月12日土曜日 13:00-15  から よく13日 日曜日 21:00-15 の
どこかの時間でみてください。
http://medicaldirect.jp/archives/5649

もう一つ 同じ 10月12日 土曜日 14:00-30から 約3時間
のイチロウリアルセミナー PI-RADS 2.1 セミナー
を同時開催いたします。
消費税もちょっと上がりましが、今回は特にそれを
反映せずに行いますが、次回からはそうはいきません。

http://medicaldirect.jp/archives/5446

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。