決心した手術。70歳代男性例、増大する結節

駅前のドトールより

イチロウです。

こんなに早くに手術をするとは思いませんでした。
でも、必要性は高いと思って決心しました。

前準備として1週間抗生物質を使う必要があります。
一日4回です。術後感染は絶対に避けなければならないためです。
もちろん、術後にも抗生剤やステロイドの投与も必要ですが、、、

そして、手術当日を迎えました。
妻に付き添ってもらい病院に行きました。
看護師さん(実際は看護助手的な人)らしき人に案内されて、準備室へ行くと、、、

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まず、手術をするその右眼に点眼を行いました。
事前準備として早朝から4回にわたって、抗炎症薬と散瞳剤の混じった
点眼を行なって病院(実際はクリニック)に来たのですが
さらに麻酔の点眼を合計3回術前に行いました。

私は幸い一番最初の手術だったのでその後すぐに手術台に案内され
椅子のような手術台に座ってドレープをかけて、程なく
手術は開始されました。無痛と言うわけにはいきませんが、
鈍痛がするくらいで、耐えられないと言う程度ではありませんでした。
9:55頃入室し、ほぼ25分後には
手術室を出ていました。すると、、、

長くなるので、ここまでにします。
今日の問題は、またまた胸部関連です。
70歳代の男性で 以前から指摘されていた左下葉の結節が
気分不快で撮影された救急CTにて8年前のCTと比較して増大傾向を示してきた
ということで最終診断をするために胸部外科で手術することになりました。

 

8年前と今回の画像を提示します。
先生の御診断はいかがでしょうか?

今日もメルマガご購読ありがとうございました。

今日から約1週間のイーパイ募集をします。来週はもう片方の目を
手術する関係で何もできないので募集は19日に締め切ります。
動画は29日祭日スタートとなります。ご注意ください。
あと、これを覗くと1回の募集となるかもしれません。

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今永気の毒。大谷グレイト。昨日の症例の回答。

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像はシドニーのオペラハウス)

本日18日火曜日 MLBが日本で開幕しました。
野球に興味ない先生にはどうでもいい話ですが
野球に興味なくても大谷さんには興味ありと思います。

開幕試合は1:0の投手戦でしたが、この記事を書いている時点で
不可思議な今永の降板後、2番手投手が打たれ、ドジャーズが優勢となっています。
1点も取られていない今永が4回終了時点で降板なんて日本ではあり得ない話です。
降板後の2番手ピッチャーから大谷さんがヒットを打ったのは良かったです。
この試合どうなるでしょうか。

さて、昨日の回答ですが、初見では???と思いましたが
T2WI 脂肪抑制画像を見ているうちに滑液胞内の粒々所見で
思いつきました。その目で、CTを探しましたが、CTは撮影しておらず
単純写真のみでした。

単純写真を眺めていると点状の石灰化が少し見られることがわかりました。
そこで、診断は決まりました。

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滑膜性骨軟骨腫症 synovial osteochondromatosis です。

ただし、この名前は適切かどうかはやや疑問のようです。なぜなら石灰化が無い症例も
25−30%もあるので、滑膜軟骨腫症の方が良いのかもしれません。
秋季大会などの骨軟部の教育セッションでよく石灰化した症例を見ていたので
今回のように石灰化がほぼ無い症例は自分の経験では少なかったのですが
30%程度はあることを認識しておくのは大切かもしれません。

40ー50歳代に多く、女性より男性の方が多いようです。2−4:1
患者さんは痛み、腫れや運動制限を訴えられ、慢性経過を示し、関節液も貯留します。

もとも多い部位は膝関節で、次が股関節、肘や肩は少ないと言われますが、
私が経験したのは肩の症例でした。今回は肘です。
やはり経験値が邪魔して石灰化がなかったので悩みましたが
必ずしも石灰化しないことや、特徴的な滑液胞内の比較的大きさの揃った粒々
という特徴的な所見(今回はT2WI FS矢状断がわかりやすい)から
滑膜軟骨腫症 と考えられます。

T2WI FS で高信号の結節でしたが、石灰化すれば当然低信号となります。

当然、良性の疾患ですが、局所再発も3−23%程度見られるようです。
悪性化は稀といわれます。

以上です。今日もメルマガご購読ありがとうございました。

今日20時頃で締め切ります。

今日もメルマガご購読ありがとうございました。

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大谷さん三昧。阪神強く、巨人弱い。20才台肘の画像。

駅前のドトールより

イチロウです。

(ロンドンテムズ川タワーブリッジ)

MLBドジャーズおよびカブスと巨人、阪神とのプレシーズンマッチが 行われ、こ

れを書いている時点では 阪神がカブス、さらにはドジャーズに完封勝ち

巨人がドジャーズに完膚なきまでにやられ、カブスにも負けたところです。

 

妻は全く野球には興味がないですが、なぜかオリンピックやプレミア12 そしてWBCとなるとめちゃくちゃ興味を持ち、特に大谷にはぞっこんです。

日本にたくさんいる大谷ファンのうちの一人です。

 

この記事を書いている時点では 大谷が戸郷からホームランを打って大喜びしていました。 (翌日、阪神の才木にやられてましたが、、、)

ただ、戸郷はWBCではチームメートなのでやや複雑 とは言っていましたが

大谷のホームランを見られて喜んでいることは確かです。

 

この野球中継、コマーシャルのほとんどが大谷一色で埋め尽くされ

4チャンネルなのに巨人の放送はしないものの、大谷の試合は放送するようです。

やはりテレビ局は視聴率がなんぼの世界なのだなあと思います。

何せ、大谷ファンが見ているので、大谷ばかりのコマーシャルとなり

コマーシャル中も、我慢を強いられることがなく、チャンネルを変えられるリスクも減ると思います(大谷目的のファンがチャンネル変えるわけないですが)。

ところで、その大谷くんは2018年、2023年と2度の肘のトミージョン手術とその追加手術をしています。

それに因んでではないですが、

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今回は20歳代の男性例を提示します。 前年9月頃より右肘痛と可動域制限を主訴に3ヶ月後整形外科受診。 XP上明らかな外傷ないも、可動域制限が出現。仕事は会社員でパソコン操作程度とのこと。

先生のご診断はいかがでしょうか?

以下は、まだ受講されていない先生がいらっしゃれば、良かったらどうぞ。

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駅前再開発、抗酸菌感染?それとも、、、昨日の回答

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像はインドネシアのパダール島。コモド群島のうちの一つですが、すでにコモドドラゴンは絶滅しているとのこと。)

最寄り駅の再開発が始まり、ほぼ10年間は
めちゃくちゃ不便を強いられる生活が始まります。
おかげで、駅前にあったちょっとした商業施設のほとんどの店舗が
撤退してしまい。スーパーと小規模な本屋さんのみが残る状態となります。
この期間はかなりの不便を強いられるので
妻はそれ(特に薬屋さんが無くなるの)を嘆いています。

完成したあとは市役所、公民館、2棟のマンション付き駅ビルができる予定で
駅近の大学も誘致されます。
これにより若い人を含めてかなりの人口増が見込まれています。

27年前にこの街に引っ越してきた時には想像もしていませんでしたが
健康に生きていれば老後の楽しみの一つになるでしょうか?

さて、昨日の症例ですが、

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気道散布性の粒状影、空洞、結節、コンソリデーション
などが混在、縦隔リンパ節の石灰化などが見られる症例です。
エキスパートに説明を受けた上で、最終回答をお知らせします。

あと2回紹介できるかどうかわかりませんが、良かったらご参加ください。

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部長退職。20年間。70歳代男性結節影。

駅前のドトールより
イチロウです

(アイキャッチ画像は広島厳島神社の野外ホールです。)

先日、最後の部長会(院長、副院長などとの科の頭の会)が終わり
20年間の部長生活に別れを告げるまであと残りわずかになりました。
就任当時 まさか自分が大学を辞めることになるとは
思っていなかった日から
あっという月日は経ってしまいました。

最初の9年間はたった一人で朝7:00から夜7:00まで12時間拘束で
ほぼ毎日2時間(17:00-19:00)の残業を余儀なくされました。
当初は電車通勤だったので、1時間45分(往復3時間半)の通勤時間と合わせると
15時間半は仕事に当てていたものと思われます。

そうは言っても、大学にいた頃は23時や24時頃帰宅していたので
自分の中では早くなったなあと思っていました。
その後 就任10年目から専攻医2年目が来てくれるようになり
それが6年続いて、やっと専門医が来てくれるようになりました。
その彼が来てくれるようになり、正常に夏休みがとれ、他の日にも
用事があれば有給を取得することも可能となりました。

過ぎ去ってみるとあっという間ですが
このメルマガを15年近く続けてこれたのも
今の病院で素晴らしい症例に出会えたことによるものかもしれません。
そういう意味では大学病院では出会えないCommon disease の variation
を學ことができたのは良かったと思います。

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中でも、肺の疾患については大学では腹部を専門としていたせいもあって
びっくりする症例に結構な頻度で出会ったもので、病理がほとんど出てくることや
有名な医師にもカンファランス等でもご教授を受けていましたので
私の放射線科後半の人生は大学での専門の肝臓ではなく、胸部を学べたのが
良かったと思います。その中から

今回は70歳代の男性 3年前糖尿病を指摘。自己免疫性膵炎でステロイド治療を受けている方で
今回、XP上結節影を認めて紹介となっています。

さて、先生はどのようにお考えになりますでしょうか?

さて、あと、今回を含めて、2回ご紹介できるかどうかですが、

よろしかったらどうぞ。

 

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人は冬に死にやすいのに北海道はなぜ違う? 一昨日回答。

駅前のドトールより
イチロウです。

前回リフォームの話をしまいたが、リフォームをする場合
どの様な点に着目、あるいはどの点を重視するかといったことに
当然ながら興味が湧いています。

1週間前たまたま、抗加齢学会のオンデマンドの講演を聞きました。
するととても興味深い話が聞けました。
その先生は近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科 藤田先生
と言う方なのですが、、、住まいの温熱環境と健康 と言うテーマでご講演をされました。
リフォームに興味を持っていた私にとっては いつもは半分流しているだけなのに
めちゃめちゃ集中して聞いてしまいました。

循環器系、呼吸器系の病気は冬の死亡率が夏に比べて高くなると言われているのですが、
北海道は冬に死亡率が上がらず、逆に(暖かそうな)スペインでは冬に死亡率が高くなる
と言うのです。やはり寒そうなカナダも冬に死亡率は上がりません。これは一体なぜなのか?
と言うことに藤田先生は着目しました。

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最近ヒートショックと言う言葉が巷に溢れてきているので家の中の寒暖差はよくない
と言うのはお聞きしたことがあるでしょう。
やはり家の中の寒暖差が非常に血圧変動に影響することがわかっています。

そして、北海道をはじめとする寒い地域は断熱環境がよく整備されているため
冬に室内での寒暖差を生じにくく、血圧変動が低くなり、
冬に循環器系、呼吸器系の死亡が増えないのです。

逆に九州などさほど寒くない地域は住宅の断熱環境が悪く
冬の室内の平均気温は北海道などの雪国のそれより低いのです。
例えば、北海道の在宅中平均居間の室温は20度に対し、
逆に断熱住宅環境が整備されていない
香川県はなんと13.1度、鹿児島も16.3度となっています。

なので住宅の断熱改修工事によって、血圧の変動を押さえることが
冬の死亡率上昇を抑えるために重要となってきます。

断熱改修には最も熱が逃げやすいと言われる窓を
断熱するのが手っ取り早くて
壁一面に断熱材をプラスするよりも、コストが抑えられるそうです。

家族4人暮らしの家の断熱性能を高めるために窓に内窓(うちまど)工事を
すると約100万円くらいのコストがかかるそうですが、
このコストは30年間 内窓付き住宅 に住み続ければ
病気になるリスクが抑えられ(藤田先生の研究では医療費も抑えられ)
結局のところ内窓改修初期投資はペイしてしまうそうです。

さて、一昨日の症例、60歳代の胸痛主訴の男性ですが、回答はおそらく先生は
正当されていると思わます。悪性胸膜中皮腫です。しかし、プラークと一体見分けがつくのかです。

なぜ、この様な症例を提示したのかと言うと
やはり初期での診断の難しさでしょう。

胸膜のプラークの存在からアスベストに暴露していることは認識できるのですが
実際今回の初回のCTではプラーク以外の中皮腫を積極的に疑う所見があまりはっきりしません。
どうしても、プラークと中皮腫の完全な見分けがつきにくいと言うのがあります。
ただ、プラークはどちらかと言うと不整ではない限局性の胸膜肥厚が連続せずに
多発すると言うのが一般的で、肥厚部は丸くなっていることが多いです。
しかし、必ずしもその様な典型像を示さないこともあり

Eric J. Stern らの High-resolution of CT of the chest (邦題;胸部HRCTアトラス)
のP266 図10−17 の薄い、石灰化を伴わない胸膜プラーク例では難しいです。縦隔側ではないと言う点くらいでしょうか。

実際、本症例初診より2ヶ月後のCTを提示するとより不整で肥厚した胸膜が出現しており、
造影剤により濃染していることがわかりました。縦隔側にも不整な胸膜肥厚が見られています。

その後胸膜生検の術中所見では胸部外科医は視覚的に中皮腫と判断するも
病理は 繊維性胸膜炎との判定。ここまで、夜間の胸痛は患者様を苦しめました。
生検から1ヶ月後に肺剥皮術(胸膜全摘)を施行も、非根治術(この時の最終病理で悪性中皮腫との病理確定診断)におわり、化学療法を施行したものの、約1年後に永眠されました。

今回の症例の様に手術をしても、化学療法をしても全く効果がない症例もあり
進行の早い悪性中皮腫もありますが、
初期の段階で有名な所見としては縦隔側の胸膜肥厚、造影後の濃染効果など
数少ない決め手の所見を見逃さないことが重要です。

1側性の胸水貯留や胸痛などの症状、前述の縦隔側胸膜肥厚、肥厚部の濃染など
しか手掛かりはありません。プラークはちなみに基本的に無症状ですし、濃染もしません。

以上です。

今日もメルマガご購読ありがとうございました。

以下、本日20時募集締め切りします。

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マンションリフォームする?しない? 60才台胸痛の男性。

駅前のドトールより
イチロウです。

ほとんど贅沢を言わない妻が最近しきりと
リフォームの話をする様になりました。
働き手の男である私としては家には平日の日中いないのですが
妻は私より家にいる時間も長いのと
掃除をしていて、結構家の傷み状態が気になる様です。
風呂も結構傷んできています。4−5年前にも風呂とトイレのリフォームの
話が出ましたが、自分はあまり気にしていませんでしたので
話は進みませんでした。

妻の友人のうちの数人は最近リノベマンションに引っ越した様です。
その家にお邪魔して結構良かったと言う話をしてきました。
私のマンションは数年前に大規模修繕をして外壁などだいぶきれいに
なったのですが、個人宅内部は修繕が当然 個人の責任なので
やはり築27年目ともなると傷んでくるのでしょう。
実際、自分の部屋のみですが、フローリングの一部が剥がれて、その部分は
怖くて裸足では歩けません。

なので、私も刺激を受けてリフォーム動画を見る様になったのですが
その金額の開きに(300万程度から1,000万超えるピンキリ)にびっくりしている次第です。

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さて、会社仕舞いをする前になんとか胸部の集大成のセミナーを作りたかったのですが
あまりに症例数が多すぎて時間的に難しそうです。
こう言う機会に紹介させていただければ幸いです。

60歳代の男性 1ヶ月前から右上前胸部から上背部に突き抜ける様な痛みがあり
特に夜の寝始めに生じる。整形外科受診も骨に異常なしで、当院呼吸器内科へ紹介。
初診時胸部単純写真と胸部CT縦隔条件、肺野条件、2ヶ月後胸部単純写真を提示します。

診断はいかがでしょうか?
次回、その後の経過もご提示します。

良かったらどうぞ。

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大腸癌の予防薬先生は飲みますか? 一昨日の回答

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像はカルカソンヌ フランス)

さて、今年は正月明けにすぐにお腹の調子が悪くなり
昨年劇的に効いていたイリボーを服用したのですが、
全く効果なく、1ヶ月も苦しみました。
何せ、食べるとお腹が痛くなるので、まともな食事ができなくなりました。

原因は不明です。
昨年9月に大腸内視鏡、12月に胃内視鏡を施工して
1cmの大腸ポリープを切除しただけで、特に異常はありませんでした。
にもかかわらず、調子が悪くなり、先週やっとこ同じ胃腸内科を受診して新たな薬を投与開始して
なんとか調子が戻ってきました。

さて、大腸と言えば、昔ある大腸の権威の先生が2年に一回大腸内視鏡を受けていれば
大腸癌で死ぬことはないと豪語されていたのですが、

よく考えてみると一般的には大腸癌で予後の良い癌の一つと思います。
なぜなら、読影していて、大腸関係の先生が依頼を出している胸腹部のCT検査は
たいてい再発病変がなく、外来で落ち着いていることが多く
他の合併症も少なく、読影が早いことが多いです。

反対に胆道系の癌患者さんのフォローアップCTは落ち着いていることもありますが
何らかの合併症やら、再発とやらで読影に結構時間がかかることが多いです。

なので、大腸の癌は一般的にタチの良い癌と考えられています。
そのタチの良い癌に掛からなくする予防薬があるというのが抗加齢学会の講演で
話題となっていました。

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果たして、結構予後の良いと思われる大腸癌、もちろん癌は癌なのでかかりたくはないですが
比較的等の良い癌の予防薬をいったい先生は飲もうとするでしょうか?

その予防薬とは

アスピリン(市販薬ではバファリンA錠、エキセドリンA錠など)です
アスピリンを長く、2年程度服用すると大腸癌発生率が下がるというものですが、、、
もちろん脳梗塞や心疾患などの治療後に服用するのはいいですが
血液サラサラになって、出血のリスクも伴うので
健康な状態の人が飲むのは流石に勇気が入ります。

もっと、タチの悪い癌になりにくくなるというのであれば、飲む可能性もありますが
比較的治癒しやすい癌の予防に果たして健常時に飲むかというと、、、
先生はいかが思われますか?

さて、一昨日の問題の回答ですが、、、

一言で言うと ”完全消滅してしまった肺癌” になります。

初診時当然ながらLKを読影で疑って、炎症の可能性もややあり
1ヶ月だけ様子を見る様に読影しました。しかし、縮小の兆しはなく
TBLB が行われ、高度な低分化癌(non-small)との病理の回答で
免疫染色もして、腺癌との診断が下りました。

しかし、胸部単純写真の経過の様に縮小していき、最終的に消失しました。
日呼外会誌 27 巻 7 号(2013 年 11 月)自然退縮した肺小細胞癌の 1 例 の報告の考察から

癌の自然退縮については Everson と Cole によって 1966 年に定義されたもので、”無治療もしくは悪性疾患に対して有効でないと考える治療によって腫瘍または転移巣が一部ないし完全に消失すること”としているそうです。

自然退縮のメカニズムとして腫瘍自体ならびに宿主について様々な要因が挙げられているようですが,ご想像の通り免疫学的 機序が最も重要な因子とされています。
感染や手術・検査 などの外科的侵襲が免疫機能を賦活化する機序の一つと挙げられています。その機序は不明です。今回の例ではTBLB のみしか行っておらず、これが賦活したのでしょうか?
とは言え、L Kの前には多くの例でTBLB を行いますが、小さくなることはほぼありません。
こじつけの様にも思われます(ここは個人的感想)。

当院カンファランスでは皆が当惑して、宗教にのめり込んでいたので、熱心な信者だったと言う
あり得ない説まで登場してしまった次第です。その後、この様な例には遭遇していません。
ただ、初診時のあとフォローアップして、いったん縮小しても、再増大する癌もあるので
1回縮小の兆しがあっても、もう一度見ることが絶対必要です。
当時カンファランス担当の胸部の権威の先生も当時そうコメントされていました。

古い文献(自然退縮がみられた肺多形癌の 1 例 。日呼吸誌 1(6),2012)では
65歳男性の非小細胞癌(極めて稀な多形癌)の縮小例を報告しており、考察の中で
PubMed を key word(“spontaneous regression” “lung cancer”)で検索すると
23 例の報告がみら、(検索日 2012 年 2 月 8 日).組織型を調べると小細胞癌 5 例,
扁平上皮癌 9 例,腺癌 4 例,大細胞癌 4 例,未分化癌 1 例 であった。と述べています。
この症例も、当院例同様TBLB のみで、それを契機として縮小した可能性を述べています。

他、Choi SM らのSpontaneous regression of squamous cell lung cancer. Am J Respir Crit Care Med. 2013 Aug 15;188(4) では結核(結核が免疫系を刺激)を合併したことが免疫賦活を生じて
癌の自然退縮したと述べています。

以上 完全消滅してしまった70歳代の肺癌例を報告しました。
免疫関与が推察されていますが、確定的な証拠はありません。
ただ、癌らしき所見を示していたものが1回のフォローCTでたとえ小さくなっても
再増大するすることがあるので、小さくなったとしても慎重フォローすることが重要です。
今回は腺癌例でしたが、LK でも小細胞癌、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌など
様々な癌種が報告されています。

良かったら。締め切りは金曜日です。2/8から動画閲覧開始

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自然消滅するあれとは???

駅前のドトールより
イチロウです。

(アイキャッチ画像はハンブルク・ワセルシュロス城シュパイチャーシュタット)

今年もよろしくお願いします。

昨年は身内が亡くなったため、今年は喪中となり、年賀状のやり取りはありません。
そうは言っても来てしまうのが年賀状です。

というのも、そもそも喪中ハガキというものは
自分の意思でこの人とは年賀状のやり取りをするだろうというのを決めて送るからです。
何年もやり取りをするのをやめようと思っても
何も記載のないプリントしただけの年賀状を送ってくる方がいらっしゃいます。

そんな年賀状のやり取りをするのなら出さないほうがマシなので
何年も出していないのにも関わらず年賀状を送ってきます。
喪中ハガキを出すということはやり取りしましょうと言っているようなものですから
そういう人には喪中がハガキは出しませんでした。

なのできてしまいます。なんとか自然消滅を狙っているのですが
向こうも何も考えずにチェックもせずに機械的に出しているので
始末に終えません。

さて、本日はその自然消滅している病変について考えられる診断名を当ててください。

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70才台の男性 不整脈で近医でフォロー中の胸部単純写真上左肺の異常陰影を指摘され、
当院の呼吸器内科を受診されました。

左肺に腫瘤が指摘されます。
単純写真の経過と初診時のCTを提示します。
先生のご診断はいかがでしょうか?

回答は明後日 です。

あと何回ご紹介できるか分かりません(2−3回かもしれません)。煽るつもりはありませんが、会社を閉じたらおそらくですが、受講難しいかもです。聴講されてない先生は今のうちです。

EOBも終わり、佐志先生のも、松本先生のも終了予定です。世間では皆便乗値上げしている中、全く値上げ等はいたしていません。

 

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昨日の回答。本物も提示。

駅前のドトールより イチロウです。

毎週、遠隔読影室にきてくれている25年来の友人Dr.と話をしていた時のこと
彼は、多趣味で、サックス、エレキギター、空手、農園栽培など
様々なリクレーションを長年楽しんでいます。
多分空手は最近はやめてしまったと思っていたので
運動らしいことはしているのだろうか?
と思って聞いてみると

週2回はフィットネスに行っているとのこと
しかもパーソナルトレーナーについてもらっているらしいのです。
しかも元プロ野球パリーグのロッテの選手のトレーニングを
担当していた人だとのとのこと。
出会いのきっかけがパパ友で20年来の付き合いらしいです。

私もコロナ前までは7−8年はフィットネス通いを続けていて、
別個にパーソナルトレーナーにお願いしていたことがありましたが
コロナになってすっかりフィットネスには行かずにもっぱら
YouTubeを先生にしてフィットネスしてもらっています。
幸か不幸か、ネットからウイルス感染することもありません(笑)。

私のメニューは

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①ラジオ体操第1〜3、
②筋肉くんの世界で一番楽な筋トレ有酸素運動全身10分間
③筋肉くんの自宅で筋トレ9腫目10分間 腹筋&下半身
④筋肉くんの自宅で筋トレ7腫目4分半 腕を鍛える
に加えて、歩きの足りない日は
⑤竹脇さんの自宅で20分間歩行
⑥b Life の 腰痛改善に効くヨガ15分
⑦小川式、オガトレ 首、肩こりに効くストレッチ20分間
となりますが、時に体幹トレーニングを加えることもあります。

という感じでこれが2年程度続いていて、週3回だったのが、
遠隔読影室となってからは
上記①〜⑦のうち①〜③を週2回加えられるようになりました。

健康になっている、筋力ついているかどうかはわかりませんが、
コロナ真っ只中の頃のゼロだった時 よりはいいのかなあと思って継続しています。
先生は運動はされていますか?

さて、昨日の回答ですが、やはり 卵巣間膜のねじれを生じているため
卵巣由来と思われるすぐにわかる成熟奇形腫と子宮との間の謎の軟部組織構造(赤丸)
を捉えられるかが重要です。
18年前の私は主腫瘍のやや右より背側に脂肪滴らしき構造が散見されたため
破裂の診断を下していたようです。浅はかでした。

本物の奇形腫破裂は以下です。30才台女性例(古ーい症例です)
骨盤腔にやや緊満感を失った脂肪-液面形成を生じる、石灰化を伴う腫瘤(黄矢印)が見られ、
破裂の証拠として、腹水貯留とその内部特に右横隔膜下の腹水内に脂肪滴(赤矢印)が多数含まれ
腹膜肥厚と大網、腸間膜の著明な不均一性(青矢印)が認められ、
破裂に伴う腹膜炎を生じているのがわかります。

今日は以上です。今日もメルマガご購読ありがとうございました。

PS. お正月の長ーい休みに聞くのはいかがですか?
よかったらどうぞ。明日27日の20:00
で締め切ります。延長募集はありません。

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