駅前のドトールより
イチロウです。
YICの最後の問題をお話します。
60才台女性生来健康で
健康診断も毎年受けているという方です。
これはきっと知識のある人は
惑わされる言葉ですがなければ気にせずに終わります。
S7に超音波上 高エコー腫瘤が健診で見つかったところから
・・・
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ダイナミック造影CTでは非常に特徴的な所見として
肝静脈が 腫瘤内部を貫通しているというものでした。
つまり、IVCに合流するところの
右のHV(肝静脈)が腫瘍内を貫通しているのです。
内部に脂肪成分はなく
拡散強調像で高信号、ADCmapはやや高信号でした。
T1WI は非特異的な低信号
T2WI は若干高信号からやや強めの高信号でしょうか。
ダイナミック造影が斑状に濃染しており
はっきりとしたリング状でもドーナッツ状でも
ありませんでした。
全体が一気に濃染ではなく、
ドーナッツ状濃染でもなく
ぐちゃぐちゃ濃染しているかんじです。
徐々に濃染は強くなっていったように感じます。
腫瘍マーカーが陰性でした。
3年程度の経過でその後ゆっくり増大していました。
術前の大きさは 4cm程度となっています。
選択肢は
1. HCC:肝細胞癌
2. CCC:胆管癌
3. CoCC: 細胆管癌
4. 悪性リンパ腫
5. Sclerosing hemangioma:硬化性血管腫
6. その他
というものでした。
まず、血管貫通 という観点から
1のHCC と 2 の 硬化性血管腫は 消滅です。
残りの 胆管癌、細胆管癌、と悪性リンパ腫 が残ります。
ADC値は比較的高いというか真っ黒でなく
悪性リンパ腫が消えました。
結局 CCC と CoCC との一騎打ちという形になるのですが
やはり 決めてを欠いていました。
ただ、ゆっくり増大 したという点から
CoCC をより考えました。
画像的にもCCC だともっと乏血性のはず
と思ったのです。
結局病理はかなりもめました
CCCとなりそうだったところ
ある先生が発言され
画像的にはCoCCと言われ しかし、非典型的な部分もあり
とのこと。
座長の有名な先生も それに同調されていました
また、もともと2人の病理評価の先生のうち一人が
CoCC だったこともあり
CCC と CoCC のいずれも正解という
異例の事態となりました。
あとで会場にこられていた中野雅行先生(肝臓病理の権威)
に伺うと あれはCoCC 典型だ とのこと
(EMA染色が腫瘍細胞の腺腔内側で濃染が特徴なので
それを満たしていたとのこと)
病理医でも意見が分かれるのも
画像診断医からすると困りものですが・・・
ここではやはり知っておくべきことは
血管貫通所見です。
有名どころは 上記で述べたように
CCC、CoCC、リンパ腫 ですから。
そこから鑑別をする必要がありますが・・・
以上 むつかしい YIC3例を説明させていただきました。
ちなみに 冒頭で 生来健康というフレーズだと迷う
というのは 実際には画像から考えると
関係ないですが
CoCC は背景肝が 肝障害の場合が多い という臨床的事実を
知っていると 逆に選択を 誤る かもしれないからです。
イチロウでした。
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PI-RADSで読める優越感は
えっ?まだ PI-RADSで読んでないの? と
言えることでしょうか?
というのは冗談ですが
やはり 泌尿器科医にとっては方針が決めやすいので
わかりやすい レポート ということになります。
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http://medicaldirect.jp/archives/5446