AIPの患者さんになんと・・・  今日で土曜日セミナー締め切り

駅前のドトールより

イチロウです。

 

先日、1-2年膵癌のようで、膵癌でない

と言う状態が持続していたAutoimmune pancreatitis (以下AIPと略す)

の患者さんに

ついに明確に膵癌が出てきたので、

まいったなーと言う感じの症例を経験させていただきました。

 

さて、AIPは最初、ソーセージ様に腫大しており

いわゆるCapsule like rim を示しており、

100人中 100人が AIP と診断が

非常に容易な所見を呈していました。

 

その後ステロイド投与に伴い徐々に病変は

縮小していきました。

しかし、・・・・

 

ある時膵癌ぽい結節状の所見が

炎症のあった部位の膵頭部側に出現しました。

 

ところが、その部分は徐々に縮小していきました。

最初の発症から約4年後、ついに骨転移を伴って

明確な膵癌が出現し、最終的に切除がされ

病理学的にも膵癌と判定されました。

 

さて、AIPは慢性的な炎症状態が持続するので

確かに発癌しやすそうです。

ではいったいその様な論文が見つかるのか?

ですが、

 

まず、日本語論文を探してみると

比較的有名な雑誌である

〝膵臓”に掲載されたものが見つかりました。

 

膵臓 30:101~106,2015 塩川 雅広 ら

自己免疫性膵炎の up―to―date

悪性腫瘍発生との関連,膵癌についても

 

から、論文では

”AIPと悪性腫瘍との関連については研究が始まったばかり

としながらも

AIP 患者 108 例の検討では,AIP 診断から一年以内に

悪性腫瘍のリスクが高く AIP の罹患臓器以外からの

悪性腫瘍の発生が多いなど,

一部の AIP が paraneoplastic syndrome

として発症している可能性が示唆された.”

 

となっています。

つまり、「AIPと悪性腫瘍は関連している」

AIP患者は発ガンリスクが高いとの結論です。

 

“認められた 18 病変の悪性腫瘍のうち,

10病変は AIP の診断から一年以内に発見され

AIP の診断から一年以内は悪性腫瘍の発生率が有意に高いと

考えられた.”

 

ともあります。

また、AIP患者が画像診断など多くの診断手法を行うために

発見しやすい!という可能性を除外するために

 

検査密度をマッチさせた人間ドック初回受診者をコントロールとし,

AIP 患者における悪性腫瘍の相対リスクまでを計算しておられます。

 

その結果,AIP診断時に発見された悪性腫瘍数は

8 病変

コントロールでは 3 病変であり(P=0.008),

AIP 患者における悪性腫瘍の相対リスク

は 4.9(95% 信頼区間 1.7~14.9)と計算され。

AIP 患者では診断時における

悪性腫瘍のリスクが高いと考えられた.

 

となっています。

 

では膵癌の発生はどうかというと

このスタディでは1例もありませんでした。

 

しかし、Hirano らは AIP 診断時の膵癌合併も含めると

2.7%

Ghazaleらは 0.9%

Ghazale A, Chari ST, Smyrk TC, et al. Value of serum

IgG4 in the diagnosis of autoimmune pancreatitis and

in distinguishing it from pancreatic cancer. Am J Gastroenterol

2007; 102: 1646―53.

 

さらに Ikeura らは 4.8%

に膵癌の合併を認めたと報告していました。

Ikeura T, Miyoshi H, Uchida K, et al. Relationship between

autoimmune pancreatitis and pancreatic cancer:

a single―center experience. Pancreatology 2014;

14: 373―9.

 

ので、やはり膵癌発生はあるのだなと思われました。

今回は日本語論文のみで終了です。

やはりAIPの慢性炎症は持続させてはいけないのでしょうか。

 

以上 イチロウでした。

 

今日で締め切ります。

最終参加 受付とします。

http://medicaldirect.jp/archives/4462

知識 と お金では 脳に残る知識の方

が価値がありますよね。

 

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