マネック って何? 聞いたことないよー!

駅前のドトールではなく

(今日はファミマコーヒー)

より

イチロウです。

かなりの渋滞にはまってしまい

結局1時間15分も掛かって

(距離の遠い自宅に帰る方が早い・・・)

 

カンファランス会場に到着

そこにはいつもより

多くの人が会場を埋めていました(ほぼ満席)。

 

私が入室すると

今噂をしていたところです

と言って いつもの席を

あけてくださり

センター長のすぐ後ろの席に着席

させていただきました。

 

早速いくつか症例がでたあと

呼吸器内科医という人が

プレゼンされました。

 

彼はかなりしっかりとスライドをつくっていて

学会発表??と思いきや

カンファランスに出すために

考え方の整理のために作っただけとのこと

(センター長はそれには感心しきり)

 

症例の年齢 は忘れましたが

多発の肝腫瘍でみつかった症例です

肝内結節は境界若干不明瞭な低吸収域で

ダイナミック造影で多血性あるいは

リング状濃染する腫瘍で

 

実は低血糖症状を主訴にこられたとのことで

インシュリノーマを疑っていたようでした。

 

膵臓をみると

膵体部に乏血性の2cm大の結節が

認められます。

 

いまどきロンゲでヒゲを生やしたむさい?

呼吸器内科医がなぜその症例を出しているのは

謎だったのですが、

 

結論的にはPNETとなっていたのです。

なので、画像的にも問題ないなあと

思っていたのですが、

T2WIはやや高信号という感じで

典型的なPNET ではない様子ではありました。

 

ただ、繊維化の多寡によって信号は

変わるはずでそのことがPNETを否定する

要素にはなりません 的なわかったようなことを

言っていると・・・

 

そのヒゲの呼吸器内科医は・・・

めちゃくちゃ調べていて

なぜかというと

 

なんと「CEAが上昇している」というのです

確か50ng/ml と結構高め

単なるPNETにしてはおかしい

ということでした。

それには私が答えられないでいると・・・

 

 

MANEC  という概念を持ち出しました。

 

それを聞いて私は、

やはり無知やなあと思いました。

は? MANEC って?

正直に「知りません」と言いました。

 

その後いそいそと調べるとなんと

Pubmed で79論文がヒットしました。

(ただし全てがMANECではありません)

 

その中で

日本人の外科の論文などを紹介しますね。

 

Imaoka K, et al. A mixed adenoneuroendocrine carcinoma of the pancreas: a case report.

Surg Case Rep. 2016 Dec;2(1):133. Epub 2016 Nov 15

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27848241

 

この腫瘍は腺癌の要素とNeuroendocrine carcinomaの要素の2つから成り立ちます。

それぞれが少なくとも30%以上見られるものをMANECと言います。

 

この症例報告は高血糖を主訴に来られた63歳男性症例を報告したものです。膵頭部には2cmの大きさの腫瘤が見られ、門脈の狭窄を呈していました。

 

FDG-PET CTで膵頭部に強い集積が認められました。

ERCP上著明な主膵菅の狭小化が見られます。

EUS-FNAガイドの細胞診ではneuroendocrine 腫瘍とのことでした。NETの診断のもとPD(pancreaticoduodenectomy)が施行され、門脈も切除、所属リンパ節郭清も施行されました。

 

病理学的には2種類の細胞からなっていて、一つは高分化から中分化の管状腺癌で全体の45%を占めていました。免疫染色上CEA染色陽性でしたが、クロモグラニンAは陰性、シナプトフィジンも陰性でした。

 

もう一つのはNECであり、免疫染色上クロモグラニンAとシナプトフィジンが陽性で、CEAは陰性でした。以上でMANECと診断したようですが、術後のLN転移や腹膜播種が急速に生じて術後6か月後に死亡した。

 

形態的にはこの症例を合わせた4例全てがマクロで種類の異なる癌が隣接するいわゆる衝突癌のパターンを呈していました。しかし、予後の悪いのは腺癌であり、門脈浸潤や膵管拡張をさせていたのは腺癌の要素と考えられます。衝突癌が現状は多いとのことで、それなら二種類のパターンの違う癌が一つに存在する場合は考えて見るべきものかもしれません。

 

ただ、今回カンファランスで出ていたものは衝突癌らしくはなく(まじまじとは見ていないので断定できませんが)、膵臓のは乏血性で、転移巣は多血性とリング上濃染が混在していました(小さいのは多血、大きくなると中心繊維化で乏血)。なかなか、MANECの概念を知っていても診断するのは難しかったと考えられます。

 

以上 腺癌の要素とNeuroendocrine carcinoma の混合型の膵腫瘍が存在するということを頭の片隅にでも置いておいてください。予後も現状わかりませんが、腺癌に依存しそうですね。また、治療も可能であれば手術というのが現時点での流れです。

以上イチロウでした。

PS.

さて、アンケート結果が出ました。

お忙しい中アンケートにお答えいただき

ありがとうございました。

 

私を含めて71人にご回答いただきました。

今回のお願いメールでは実にいつものメルマガ開封率は

せいぜい30−38%程度だったのが

50%を超えいたことです。

 

単なるアンケートのお願い事だったのにです。

やはり緊急性だったのに反応していただいたのでしょう。

 

そして71人の先生が解答していただきました。

グラフ作成がサーベイモンキーのバグのため綺麗に表示されていおらず

数値のデータになりますが Q3以外は以下のようになっています。

Q4が一番きになるところですが、

胸部アンケート1

胸部アンケート2

胸部アンケート3

感染症の原因診断に困っているようです。

もう一つがびまん性肺疾患ですよね。当然です。

また、時々出てきていつも調べている

ANCA関連疾患です。

とりあえずはQ1、2、4のご報告まで。

 

 

 

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