違和感の正体

おはようございます。

イチロウです。

前回出させていただいた肝腫瘍

S3とS7に血管腫があるのですが、S3の血管腫は典型として

S7の血管腫はやや大きめの分葉状で中央部にCleft like area という水の溜まりがあります。

ここまではよく見られる所見で、5−6cmの血管腫の特徴と言ってもいいかもしれません。

超古い論文ですが、1989年のAJRに掲載された論文で、若い頃に読んだ記憶があります。

Choi BI, Han MC, Park JH, Kim SH, Han MH, Kim CW. Giant cavernous hemangioma of the liver: CT and MR imaging in 10 cases. AJR Am J Roentgenol. 1989 Jun;152(6):1221-6. doi: 10.2214/ajr.152.6.1221. PMID: 2718858.

https://www.ajronline.org/doi/10.2214/ajr.152.6.1221

しかし、個人的に違和感を感じたのはそれではありません。

前回の質問1の答えは  血管腫 ですが、

質問2の違和感の回答は、血管貫通です。

先生はどう思われますでしょうか?

hepatic cavernous hemangioma, vascular penetration

でPubmed 検索ではでてきません。

ご経験のある先生はおられるでしょうか?

前回メルマガで 明らかに血管貫通している自分の肝臓に発生した腫瘍を血管腫と信じたかったという先生の

お話をしましたが、その読影を頼まれた超読影早い先生は30年のご自分の放射線科医の歴史で見たことがない

とおっしゃっていました。

 

ちなみに、その先生の診断をされていたのは最終結果としては

Cholangiolocarcinoma (CoCC)でした。

結局は血管貫通の代表例の一つでした(リンパ腫と胆管癌は言うまでもありません。)

イチロウでした。

PS.  今更聴けないEOBについて 以下   CoCCのまとめも動画で見れます。

何を今更 EOBなんて勉強するんですか?

 

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