4 pneumonia cases, what disease do you think? answer.

レジオネラ肺炎 Legionella pneumophila pneumoniae

iPad version  解答と解説編: 第一部 症例の解説とレジオネラ一般知識について

 

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iPad version  解答と解説編: 第二部 3つの文献解説と自験例の提示

 

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Key words: Legionella pneumoniae, レジオネラ肺炎、Lobar pneumonia pattern, 大葉性肺炎パターン、Segmental pattern、区域性パターン, Reversed halo sign, 逆ハローサイン, Consolidation, GGO, 高齢(60才代)、男>女、在郷軍人、エアロゾル(微小な水滴)、循環式風呂・温泉施設、Legionella pneumophila

Image pattern : イチロウが当院症例、文献の提示画像をみて考えたものです。特にこういう分類があるわけではありません。

必ずしも一つのパターンのみが生じると言うよりは病期のある時期を見ているのではないかと推察します。

1.区域性

Segmental pattern 83F もり1

 

2. 非区域性

Chest CT 1 key

3. 逆ハローパターン

20140911第一病日胸部CT psedo reversed halo3

4. GGOパターン

3332691 57M 初回CT1

 

5. DAD

3332691 57M ARDS状態CT1のコピー

6. Cavity :  免疫不全患者  自験例は経験例なし。

 

References:

1.Yu Hui, Higa F, Hibiya K, et al.  Computed tomographic features of 23 sporadic cases with Legionella pneumophila pneumonia. Eur J Radiol. 2010 Jun;74(3):e73-8.

23例孤発例のレジオネラ肺炎の臨床的、画像的検討がなされた比較的新しい論文です。

        • 男女比=20:3, 30-81才(平均60才)、7例は様々な背景疾患有する
        • 38℃以上の発熱は全例(平均:39.0℃)、WBC>10,000は15例(平均:13,843 )、CRPは高値(平均:29.30mg/dl)
        • 17例は改善、4例は死亡(4/21=19%)、2例は転機不明

23例のレジオネラ肺炎のCT所見を検討

      • コンソリデーションとGGOが主な所見
      • 大葉性のパターンの非区域性 19例
      • 気管支肺炎パターンの区域性 4例
      • 病初期は区域性で、進行すると典型的な大葉性になる
      • Air bronchogram 21例
      • 11例は単一の葉内(R:8, L:3)残りの12例は複数葉に浸潤し、6例は右あるいは左肺のみ
      • 胸水 14例(61%)
      • 肺膿瘍 1例(ステロイド投与中のUCの患者)
      • 病変は右下葉に多い

2. Sakai F, Tokuda H, GotoH,et al. Computed tomographic features of Legionella pneumophila pneumonia in 38 cases.  J Comput Assist Tomogr. 2007 Jan-Feb;31(1):125-31.

38例のレジオネラ肺炎の画像的検討で、肺炎球菌の画像と対比した論文

  • 38人 レジオネラ

–男:女=30:8 で男に多い(23例の検討と類似)

–27‐91才、平均62.7才

–32例治癒、6例死亡(AMI含む)

–14例は人工呼吸器を要した

  • 35人 肺炎球菌

–男:女=18:17 男女差無し

–34-88才、平均70.6才

–33例治癒、2例死亡(LC患者含む)

レジオネラ肺炎38例の画像所見エッセンス

      • 片側性あるいは両側性のコンソリデーションとGGO 35例では両方が見られた 2例はコンソリデーションのみ、1例はGGOのみ
      • 両側性は23例、片側多葉が10例、多発単葉2例、そして単発限局3例
      • 上肺野、下肺野の分布の優位性は無かった
      • 2例に reversed halo が見られた
      • GGO内の網状影は10例に
      • 小葉間隔壁肥厚は7例に
      • 胸水貯留は23例
      • 肺炎球菌との差はGGO内のコンソリデーションが境界明瞭なのがレジオネラ肺炎、不明瞭なのが肺炎球菌とのこと

3. Haroon A, Higa F, Hibiya K, et al. Organizing pneumonia pattern in the follow-up CT of Legionella-infected patients. J Infect Chemother. 2011 Aug;17(4):493-8.
レジオネラ肺炎のフォローアップ時(平均14日間)の画像所見にフォーカスを置いた論文。彼らは器質化肺炎と称したが、14日のフォロー程度で器質化と呼んでいいものか・・・

5例の検討

  • 治療前と治療後の画像を評価、治療後の器質化肺炎に注目
  • 平均の経過観察期間は14日間
  • エアーブロンコグラムのあるなしにかかわらずコンソリデーション、GGOの頻度が最も高かった 小葉間隔壁肥厚1例、胸水1例
  • フォローアップの画像では2つのパターンがみられた それは

胸膜下パターン(4例)あるいは気管支血管束周囲パターン(1例)

4. Kim KW, Goo JM, Lee HJ, et al.  Chest computed tomographic findings and clinical features of legionella pneumonia.  J Comput Assist  Tomogr. 2007; 31: 950-955

12例のレジオネラ肺炎の検討だが、12例中11例が何らかの背景疾患を有し、75%は免疫抑制状態の患者。たとえば、SLE, 多発性骨髄腫(multiple myeloma, 腎移植後の急性拒絶反応、Churg-Strauss syndrome, 脳転移、後腹膜線維症、リウマチ、骨髄異型性症候群、リウマチ性多発筋痛とCOPD合併、水疱性類天疱瘡 Bullous PemphigoidCOPD でたった1例のみ何も背景疾患無し  6例(50%)がステロイド大量投与がされている 
という特殊な患者群であり、男女比も 男5例、女7例 と通常の男性が多いパターンと異なる
なのでこの特殊な患者背景(免疫不全状態)の場合にどんなレジオネラ肺炎のCT画像となるか?を知るにはよい論文である。
その答えは、空洞形成 である。この12例の患者群のうち じつに4例が空洞を有した という
上記紹介の23例の Yu らの検討でも1例の免疫抑制状態の患者に 空洞が生じた というのと同様である

論文の結論も

 ほとんどのレジオネラのCT所見は多葉、多区域のコンソリデーションであった。空洞性、葉コンソリデーションは 高容量投与のステロイド投与患者に生じる。
有用サイト:
以上ですが、おまけとして時間のある先生へ 以下の動画も
どうぞ。
クローズアップ現代の動画引用: レジオネラの一般的な知識のわかりやすい解説です。14分間の動画をどうぞ。
“なぜ温泉には体を洗ってから入るべきなのか?”
先生はまさか 体を洗わずにいきなり温泉にはいっていませんか? そ、それはまずいです
なぜなら・・・

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