駅前のドトールより
イチロウです。
救急画像診断のアンケートを
お願いできればと存じます。
ちょっと今までのアンケートと比べると
反応が鈍い印象なのですが・・・
アンケートに答えて
登録すれば 松本先生との対談音声が聞けます。
実にユニークな人物でありながら
自分というものをしっかり持った先生だと
いうことがわかると思います。
https://jp.surveymonkey.com/r/DBJCP7R
さて、先日 救急系の出来事に遭遇し
しかも、えーまじでー という状況に陥りました。
教訓として先生にもシェアーしたいと思います。
普段 救急も読影し、IVRもなさっておられる
先生がいらっしゃったら ご意見等
いただけると幸いに存じます。
当日の朝、突然 電話がかかってきました
消化器内科医 からです。
電話の内容は 肝生検後に出血をしているようなので
TAE はできるのか? というものでした。
肝TAEくらいなら 私ごときでもできるので
可能です。 と答えると
これから ダイナミック造影をやります。とのこと
前回の 臀部出血のいやーな経験があったので
今度こそ絶対に救うぞ! という強い決意のもと
待っていると・・・
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間もなくして
70才台の患者様のCTが撮影されました。
その後 患者様と共にCT室にこられていた
消化器内科医が
私のPACS端末のところにやってこられました。
内科医から患者様の名前を告げられたので
PACS上で探し、
4相のダイナミック造影CTを並べてめくっていくと
一瞬で Extravasation は見つかりました。
生検部分(第8肋間)の肝外側に
明瞭な斑状の造影剤のプーリングが見られました。
しかし、、、 どこからもそれが連続しておらず
いったいどこから出ているのかが
今ひとつわかりずらかったのです。
でも、血管造影さえすれば
Extravasation はすぐにわかるだろうと考えて
CT室から直接血管造影室に向かうことにしました。
脳外科あるいは循環器がその部屋を
使うことがあるのですが ついていることに
その日はたまたま空いていました。
出血源は 肝動脈、肋間動脈辺りからではないかと思い
Aortography をやったのですが、薄くてよく見えず
まずは腹腔動脈から造影しました。
しかし、肝動脈は全体に狭小化しているものの
Extravasation は指摘できませんでした。
直ちに、第8、9、10の肋間動脈造影を施行しましたが・・・
何からもExtravasation は見られません。
そうは言っても、もし万が一ということも考え
肋間動脈なら詰めても大丈夫だろう
という考えから (万が一出ていたらまずいので)
塞栓しました。
ただ、肋間動脈は狭小化が見られていなかったことも考慮し
やはり肝動脈をもう一度見てみよう と
腹腔動脈から 造影すると
やっぱり 肝動脈は全体に
細いままでした。
親カテーテルを総肝動脈やや奥まで突っ込んで
再度造影してみたのですが
またもや肝動脈の狭小化のみで
Extravasation が見られません。
末梢は細くなっているために見えないのかもしれない
と思った私たちは 早く循環動態を安定させたい一心から
おそらく右肝動脈だろうと考えて、
Superselective には小カテーテルを入れられそうもないので
右肝動脈をやむなく
ゲルフォームでつめに行きました。
ただ
患者様の血圧は終始維持されていたのですが
脈拍が 100を切らないことに
違和感を感じた私たちは
もう一度ダイナミック造影CTをとることにしたのです
すると・・・
なんと 全く同じ部位にextravasation が残存
そして、術前に分かりにくかった
門脈から連続する extravasation に気づいたのです。
いうまでもなく、そこにいた依頼してきた内科医を
消化器外科医のもとに走ってもらいました。
さて、この病院にまる13年以上いるのですが
肝生検後の門脈出血は初めてでした。
次回 これについて文献を当たってみたので
お話しします。
以上 遠回りせざるをえなかった
緊急(救急)血管造影の話でした。
イチロウ拝
PS.
松本先生とのインタビューを聞きたい先生は
こちらにご登録を
http://medicaldirect.jp/archives/5641
アンケートで一言 言いたい先生はこちらを先にお願いします。
3分で終わります。
PTPEはよくやる手技なのですが、生検で門脈出血とはびっくりです。
その後の処置はどうされましたか?生検針のサイズや種類、回数、主疾患なども
気になります。
生検サイズ 18G 2回 穿刺 急性肝炎 で 原因不明 しかも、生検所見も診断が難しいようです。 HCV negative, HBV negative です。A型でもないです。
イチロウ 拝
①肝疾患症例の時点で、低下は十分考慮できるかと思いますが、背景の凝固能が気になります。
②肝外のpoolingとの事ですが、大量血性腹水内のExtravasation だったとすれば、穿刺部位も気になります。超音波手技は施行者に依存しますので、、。超音波では、穿刺瞬間の内筒先進部は確認できないことが多いと思いますので。
是非、損傷部位などご教授いただければと思います。