現在放射線科診断専門医 の先生へ。今日は技師さま読まないでください。

駅前のドトールに行く暇もない
イチロウです。

さて、今回のメールは
放射線技師さんには
ほぼ関係のない話なので以下は読まない方がいいです。
時間の無駄かもしれません。

しかし、放射線科診断専門医をすでに
取得している先生には非常に重要な話です。

なぜなら、今年度2018年4月12日から15日まで
開催された第77回医学放射線学会総会から
日本専門医機構認定の放射線科領域講習(以下、領域講習)
や専門医共通講習(以下、共通講習)がスタートしたからです。

これ、とてつもなく複雑なのですが、大まかなところから
知っておく必要があります。

まず、大筋です。何しろ日本専門医機構(以下 機構 と略します)
の 放射線科領域専門医更新基準 はいきなり細かいところから
始まっています。なので
イチロウ流 で解釈し 書き直して説明します。
(個々人の質問は学会にお願いします)

まず、確認の確認ですが
今回これを読むべき先生は
現状 放射線診断専門医(管理加算が取れる資格ですよ)
(1次試験後である 放射線科専門医 の話ではありません)
のライセンスをすでに持っている
先生に向けてです。

専門医機構へ移行しないと 将来 おまんま が
食べられなくなるので 絶対に
機構の専門医 にならないといけません。
そうしないとおそらくですが病院で給与を取得して働けません。
なので、従来通り、放射線診断専門医として働いていきたい
のであれば、機構の 専門医にならなければなりません。

これが大大 原則です。

では一瞬で移行できるか? と言うとそれは無理です。
更新時期が皆異なるからです。
例えば、私であれば、来年5月1日から6月30日 が
更新受付期間です。
資格期間は8月末となっていますが、
更新申請期間は上記5月から6月であることも注意です。

では移行期間はどれくらいあるのか? と言うと
2018年度から2021年度のたった4年度です。
そして2022年度以降は 学会の専門医更新はできなくなるのです。

結果
2026年8月31日を持って、機構認定専門医 が唯一の
専門医 資格 となるようです。
それ以降は放射線科の専門医は機構に認定された人
のみが 管理加算の対象者 となるのでしょう
(そのようには記載されていませんが)

私の場合、今年の学会の前には詳しいことは
あまりわからない状況で、

とにかくグリーンの色のJRSマークの付いた
講習をできる限りとるようにしてみました。
勉強不足で何もわからなかったからです。

例えば、朝8:00-9:00 までの教育講演です。
とりあえず、土曜日と日曜日で合計5単位取得しました。

この単位については次回  話していきますが

移行期間が長そうで短いので
たとえば、来年更新予定の私の場合
実はとんでもないことに気づいたのです。

機構が認定している 専門医更新には主に
①勤務実態の証明
②診療実績の証明
③講習受講

を持って行うのですが
①、②については通常の放射線科業務に携わっているなら
無理なく 最大単位である10単位は取れますので
残りの40単位を③で取得していくわけですが
③の中は
i) 専門医共通講習
ii) 放射線科領域講習
iii) 学術業績・診療以外の活動実績

から構成されています。

その中のi) 専門医共通講習には専門医 と名のつく
全ての専門医が受講しなければならにものなのですが
最低でも3単位いるのです。

10単位まで取れますが
どちらかといえばつまらい単位に相当するこの講習は
最低単位である 3単位とるので十分でしょう。
その3単位は医療倫理、医療安全、感染対策の3つです。

で、その必須講習は もし前回更新年が3年とか4年とか
前の場合、すでに放射線学会総会などで
受講し終わっている先生(何を隠そう私がそうです)も
いらっしゃる可能性があるわけですが
実は・・・

今まで放射線学会で受けてきた
「医療安全・放射線防護」
「医療倫理」
「医療の質:診断」受講歴 は

機構認定に全く使えません。
日本専門医機構の共通講習ではないのです。

ま、マジーー!
つまらないと思いつつ(講師の先生ごめんなさい)
受講してきたあの時間はなんだったのーです。
時間を返せーですよ。

今日のまとめです。
①なんだかんだ言っても、今後も放射線科医としてメシを食うには
日本専門医機構 の専門医を取得するしか 道はありません。
②一瞬で皆が移行していくのは難しいので更新を迎える人から
順次移行してもらいます。その移行期間は2018年度から2021年度
のたった4年度(4回のチャンス)です。
③2022年度以降は 学会の専門医更新はできなくなるのです。
④自動的に2026年8月31日を持って、機構認定専門医 が唯一の
専門医 資格 となる
専門医更新には主に
●勤務実態の照明
●診療実績の照明
●講習受講 があり
⑤診療実績10単位と講習受講40単位を取得する
⑥講習受講の中には全ての科の専門医に共通する 3つの必須講習がある それは
医療倫理、医療安全、感染対策 の3つ
そして似たような名前で今まで学会で受けてきた
「医療安全・放射線防護」、「医療倫理」、「医療の質:診断」受講歴 は
全て無駄になる

でした。

以上 イチロウでした。

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現在放射線科診断専門医 の先生へ。今日は技師さま読まないでください。 への9件のコメント

  1. 放射線診断専門医 M先生 より:

    イチロウ先生、いつも貴重な情報をありがとうございます。
    大学病院でも基幹病院でもない病院勤務の情報弱者の放射線診断専門医としては、
    先生からの情報にいつも大変助けられています。

    今朝の先生のメールマガジンを見て、驚いて飛び起きました!
    私は今年専門医更新なのですが、2021年までは、従来の方法(学会認定)で専門医を更新して、
    その次2023年から機構の単位をとれば何の問題もないと聞いていたので、
    先生のメールで移行の機関が2018年度から
    2021年度のたった4年度(4回のチャンス)とお聞きしびっくり仰天しました。
    今後ともいろいろと情報をいただけたら幸いです。

  2. ichirou より:

    M先生 メルマガ購読ありがとうございます。

    まず、大まかな部分からの話なのでびっくりさせてごめんなさい。

    日本専門医機構認定新専門医制度FAQ のQ10に以下のような質問がございます。以下引用

    10. 質問:今年度に診断専門医を更新することになっていますが、放射線科専門医を機構認定に移行するための単位が取得できそうにありません。
    今回、機構認定に移行できないと、専門医資格が消滅してしまうのでしょうか。

    回答:今回、機構認定のための単位を満たすことが出来ない場合は学会認定で放射線科専門医の更新を行うことができます。
    次回5年後の更新時までに機構認定の基準を満たすように単位を取得頂ければと思います。
    今回、機構認定に移行できなくても、何ら不利益を被るものではありません。

    とあります。なので、先生の考えていることで問題ございません。
    私の場合は、来年2019年に更新なので あと1年弱の猶予がございますので
    今回の総会 である程度単位を取得し、共通講習も受けて
    機構認定に移行するつもりなのでそうしました。

    先生は今回は学会認定で行って大丈夫ですが
    次回つまり2023年に更新するときに機構認定単位が満たされていれば
    問題ないはずです。

    私の書き方が悪いので申し訳ありませんでした。
    今回の更新から機構認定に移行する場合ということです。

    よろしくお願い致します。

    イチロウ拝

  3. ネモリーノ より:

    イチロウ先生、いつも楽しく拝読しております。

    ひとつ質問なのですが、学会参加で最大6単位とれると書類に記載があったのですが、専門医ホームページのFAQでは3単位しか取れないとあります。どちらが正しいのでしょうか?
    それと青色のJRSマークのみがついている講演には出る必要はないのでしょうか?

    よろしくお願い致します。

  4. 匿名 より:

    今回は機構専門医になることは見送って、放射線学会専門医は更新しておくのも悪くない選択肢だと思います。また10年以上診断をやってれば加算については取得できます。他の学会ではイーラン二ングで単位が取得できるようにしてるところもあるので単位取得方法についても変わる可能性があります。

  5. ichirou より:

    ネモリーノ先生

    質問にお答えします。
    昔は参加しただけで総会は15点もらえたものです。しかし、機構専門医は厳しくなります。
    参加はどんな会に何回参加したとしても、参加 という意味での点数は合計6点が5年間でマックスです。

    例えば、総会に2回参加すると3点と3点の合計6点です。これで参加ということに対する単位は頭打ちです。
    しかも、参加のみは認められず、例えば、参加はしたが、CT、MRIなどの機器展示だけ見て終わった
    というのは3点すらもらえません。何らかのセミナーを聞く必要があります。

    はい、次の質問ですが、ブルーのJRSマークですが、これは学会の専門医、診断専門医の認定のためのものです。
    ちなみにグリーンが機構認定のものです。
    また、今回の趣旨とは異なり、余談ですが、今年診断専門医は受ける先生は学会認定のみです。
    機構認定の診断専門医(いわゆる二階立て部分と言われているもの)というものが存在しないからです。

    イチロウ

  6. ichirou より:

    匿名先生  今回見送る勇気もありなのでしょう。これはオフレコですが、某Dr.が学会に聞いたところ
    今回、機構認定を見送っても何ら不利益はない と言われたそうです。
    これについては イチロウ 自身も確認したいと思います。

    また、管理加算の部分のコメントはありがとうございます。
    忘れていました。

    管理加算 の施設基準の中に

    画像診断を専ら担当する常勤の医師(専ら画像診断を担当した経験を10年以上有するものまたは当該療養について、
    日本医学放射線学会が行う医師の専門性に関する認定を受けた当該療養に係る医師、以下専門医という)に限る。

    とありました。
    確か、脳外科の先生などはある意味放射線科医に頼らず、専ら自分たちで画像診断していましたから。
    放射線科医のいない脳外科専門病院で画像診断管理加算2を取っているところもありましたね。

    イチロウ

  7. 2022年度更新組 より:

    共通講習の必修3単位は先日の秋季大会でも感染対策が出たので抑えられた方も少なくないでしょう。でも、「更新基準」によると、領域講習の中にも「放射線診断」および「放射線治療」の必修講習2単位があると書かれています。しかもこれらはまだ開講されていないのではないでしょうか???

  8. 匿名 より:

    領域講習の中の「放射線診断」および「放射線治療」については指導医講習会のときに理事の方へ質問がなされていました。
    現状は、通常の診断あるいは治療の領域講習の受講でよいという回答をもらっています。
    診断医は治療、治療医は診断の領域講習を1単位以上受けておいたほうが無難かと思います。

  9. ichirou より:

    コメントありがとうございます。 イチロウ拝

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