Sclerosing hemangioma vs. Sclerosed hemangioma.
どっちがどっち?
駅前のドトールより
イチロウです。
前回 3/12に発行して以来
お久しぶりのメルマガになりました。
実は2月に開催された
横浜イメージングカンファランス
幹事会に5分ほど遅れて到着すると
なんかおかしな雰囲気が漂っていました。
みなさん深刻な面持ちで話しをされていたのです。
編集後記に続く
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さて、前回の続きで
横浜イメージングカンファランスの第3問目
5cm程度の腫瘍だったと思います。
ダイナミック造影で、ほとんど全体は濃染せず
辺縁のみドット状に濃染が見られていました。
まるで大きくて辺縁部分だけ考えると
血管腫だな という印象を抱きました。
MRIでは印象はT2WIでほぼ低信号で一部に
嚢胞性の高信号やそうでない淡い高信号も見られていました。
選択肢は
硬化性血管腫、CCC、転移、HCC、Complicated cyst
だったと思います。
ダイナミック造影CTでの第一印象をけって
Complicated cystにしてしまいましたが
結局 硬化性血管腫でした。
さて、この硬化性血管腫
Sclerosed hemangioma なのか
Sclerosing hemangioma なのか ですが、
一般的には完全に全体が繊維化、血栓化、硝子化
をきたす途中経過を見ているものが
Sclerosing で
ほとんどがその変化で占拠されると
Sclerosed hemangiomaと考えられているのが
一般的かもしれません。
しかし、もう何年も前に
中野雅行先生との朝のカンファランス前の会話で
そうではない というのを聞いていました.
今回、改めて調べると
秀潤社の黄緑ブック 肝胆膵の画像診断の
p162 Sclerosed hemangioma のに
WHO肝腫瘍分類第二版で
Sclerosing hemangiomaはSclerosing cavernous hemangiomaの事で
海綿状血管腫の 退行性変化つまり、血栓化、繊維化、硝子化したもの
でT2WIでわずかに高信号あるいは低信号を呈し血管造影ではpoolingを認めない とあります。
つまり、現状皆が考えているものです。
一方、Sclerosed hemangioma は静脈性血管腫から発生するもので
異なった疾患概念である という記載があります。
出典がわからないのですが
sclerosed hemangiomasは、広範な線維化が特徴であり、
その結果、硝子化および血管腔の著明な狭小化あるいは閉塞を呈する。
sclerosing hemangiomas,と比較して、病変全体がびまん性に硬化したもの
と言われ、あたかもsclerosing hemangioma が
時間の経過で硬化性部分が全体に及んだかのうようです。
そのためにsclerosing hemangioma の延長上にいるかのように
見えてしまったのかもしれません。
実際中野先生にお伺いすると
sclerosing hemangioma と sclerosed hemangioma とは違う
上記の通り
とのご見解でした。
そして病理の論文ですが
中野先生が
Sclerosed hemangioma and sclerosing cavernous hemangioma of the liver: a comparative clinicopathologic and immunohistochemical study with emphasis on the role of mast cells in their histogenesis.
を紹介されました。
画像的な話はありませんが
Sclerosing hemangioma は繊維化や硝子化などが
Sclerosed hemangioma より少ない と書かれています。
そして
sclerosed hemangiomas suggests a possible origin from infantile hemangioendotheliomas.
とあります。
ちなみに
AJR AM J Roentgenol. 2007 Jul;189(1):67-72.
Imaging features of sclerosed hemangioma.
Doyle DJ, et al.
はその考え方だと
Imaging features of sclerosing hemangioma. です。
つまりこの論文は
Sclerosing hemangioma の中で
繊維化、硝子化の強いものの画像パターンを述べています。
以上
イチロウでした。
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編集後記
さて、なぜそこまで深刻な面持ちなのか???
どうやら他の先生に聞いてみると
薬屋さんのサポートが
完全にこの夏の会を最後になくなるとのこと
え、ままじでー
ついこの間まで
やっている会の中でも重要な会です
と言ってたじゃないかーーー
実は大日本住友はいつもバブリーな会を開いていました。
- ●券はなんと参加者全員に配る
という大盤振る舞い
懇親会も豪華な崎陽軒でのおもてなし
とあって
食事を楽しみにという人もいたかもしれません。
否 会が面白かったから集まっていたと思います。
しかし、会社上層部の方針で
会そのものが売り上げとは無関係と考えたからでしょう。
そう判断をしたなら、そうなのかもしれません。
皮肉に米国では向精神薬であるラツーダが
売れに売れているとのこと
また、米国子会社のサノビオン社が
COPDによる閉塞性換気障害の長期維持療法に
用いられる ロンハラ マグネア
を発売 とのこと
皮肉にも3月末から株価は急上昇しています。
新薬発売とリストラ策を株主が好感したのでしょうか?
とにかく
20年以上にもわたって行われてきた会が
ついに終了となりそうで
会費を1万円で続けようという案も出されましたが
どうなることやら
講師への講演謝礼もどうするのでしょう
教授クラスは呼べません。
なので、次回を持っておそらく
YIC 関連の情報は出なくなります。
残念ですが・・・
イチロウでした。