男性のMCN、おめでとうですって?

男性のMCN、おめでとうですって?

駅前のドトールより

イチロウです。
私はある病気で15年以上
働いてきた大学病院の某教授のもとに
通っています。

大学在籍時代は
彼からのコンサルトも
よく受けていたこともあり
患者と医師という関係だけでなく
医者同士の交流という関係も
あり、

丁度彼が65才になり教授退官時と
わたしが60才の還暦となり
一般の会社での引退の時期が節目的に
重なるため

一緒に退官ですね。
なんて昔 言っていたものです。

年3ー4回彼の外来を受診しているのですが
この前の今年3回目の受診の際

「無事 通りましたよかったですね。
最後に○○になれて」
と言われても
最初なんのことかピンときませんでした。

編集後記につづく。

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先日、読影していて
男性の膵嚢胞性病変が単純CT上
高吸収域を示していました。
男性だったので粘液性嚢胞腫瘍(以下MCN: mucinous cystic neoplasm)
の可能性は低いぞ!
と思いましたが

その前に、一体全体
男性の膵のMCNってどの程度の頻度なのかを
はっきりと把握していませんでした。
男性ではMCNの可能性を否定すべきなのか
いや、男性でも生じるので注意が必要なのか?

そこで文献に当たることにしました。
すると・・・

Ethun CG, Postlewait LM, McInnis MR, et al.
The diagnosis of pancreatic mucinous cystic neoplasm and associated adenocarcinoma in males: An eight-institution study of 349 patientsover 15 years. J Surg Oncol. 2017:115:784-787

です。
これは米国の8施設の共同研究という形で
発表されています。

なので、とんでもなくMCN の数が多いです。

母集団として1667例の膵嚢胞性病変切除例があります。
その中でMCNは349例もありました。
えっそんなにーですよね。市中病院では相当の膵の専門病院でない限り
年間1例か数例でしょう。

で、その349例のうちの内訳を
まずは知ることが本日のテーマです。
女性が310例、男性が39例です。
つ つまり
女性:男性=89: 11% であり
けっこう思ったより男性の頻度が高い!
ということがわかりました。
何せ最新2017年の大量検討での頻度です。

ただし、スタディの時期を2つの時期に分け
前半は2000年から2007年、後半を2008-2014と分けた場合
前半は15%だった男性の比率は
後半は7%となっています(後半で有意に減少)。

なので、実際には10%未満ということになります。

また、男女関係なく、発生部位でいうと
前半は膵頭部と膵頚部をあわせて22%だったのが
後半は11%と減少しており、これも有意差ありです

癌と高度異型を含むMCNの割合は
男性の39%に対して 女性では12%と
p<0.001 で有意差がありました。

時期での比較では早期には癌と高度異型を含む頻度は17%だったものが
後半は、13%であって、有意差はありませんでした。

しかし、男性は全体の時期を通して
癌と高度異型を含む割合は
39%でした。
また、癌および高度異型を含むMCNのうち
LN転移の割合は 男性57%、女性22% と P=0.039 と
P<0.05 とすると有意差有りでした。

以上よりまとめ としては
MCNが疑われるような男性例に関しては
その発生部位にかかわらず癌や高度異型を含む割合が有意に高いので
切除が推奨される

というものです。
いやはや日常診療で男性MCN否定的という
考えはとりあえず捨てなければなりませんね。

できれば大きな日本の施設での共同研究にてデータが出ることが
望まれます。

イチロウ拝

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編集後記続き

彼はもちろんある教室の教授(教室のトップ)です。
なので、
教授会議に出席します。

そこで
「満場一致で決まりました」と言われて
次に
「最後に教授になれてよかったですね」
と付け加えられたのです。

??? と一瞬 思い
あーあのことか と思い出しました。

それは、ここまで書けば察しのよい先生
であれば、特任教授とか、病院教授とかなんとか
名前だけの教授ね。 と

すこし見下した感じで 思うかもしれません。
なにせ、肩書きだけであり
なんの権力もパワーも人事権
も備わっていないのですから。

拝命ネームは “臨床教授” ですが
たしかに パワーも権力も権威もありません。

しかし、2つの点で 私は非常に
ありがたく感じていました。
ひとつは 現教授と ここに赴任直後からしばらく
あまり 良好な関係でなくなっていたことから
徐々にそれが 解消され

彼の教授晩年で 良好な関係に修復され
しかも、彼からの推薦 でそのような 名前を
いただけたことです。

もちろん 関係を修復するために
大学に できるだけ教育をしに行っていたことや
何年も 他のいくつかの出張病院は
(後期研修医は使えないのでいらんと)
受け入れていなかった
専攻医(後期研修医)を受け入れ
教育させていただいていたこと も
影響していたことも事実です。

おそらくそれもあって
彼からの 推薦 という形をいただけた
ということが嬉しいのです。

もう一つは、人は肩書きに弱いということで
“信用手形”を いただけたこと

放射線科医に限らず、医者なら “病院教授”というのは
単なる 名誉職でしょ と思っていますが
一般の人々は違います

権威ネーム に弱いのです。
肩書きにとにかく 心理的に弱い

単なる肩書きのない ○○先生よりは
准教授 だとか 教授 だとかの 肩書きが付いていると
潜在的に この人はえらい 人 と感じ
信用してくれるわけです。

その 信用 に値するものを
いただけたこと が第二の嬉しい話です。

こういうことを書いていると
何を自慢話 をしているの?
という先生もいらっしゃり
不快に思われるかもしれませんが

自慢するのが目的ではありません。

肩書きと 信用は 結びついていることを認識して
ある程度自分の価値を高く見せることも必要ですよ
と言いたいわけです。
たとえそこに実質的権威がなかったとしても です。
ただ、実力がないのに実力以上に見せかけすぎると
痛い目にあうかもしれないので注意は必要ですが・・・

それはさておき、教授の肩書きには
ただ、一つ大きな問題が発覚・・・
それについてはいずれ

ちなみに妻からは一言
え?どこの教授 ふーん・・・ でした(涙)。
え 笑顔でおめでとう は????
無し か。

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