駅前のドトールより
イチロウです。
後期研修医には
私が直接リアルで教えなくても
丁度 medicaldirect.jp に
そのトピックにマッチしたビデオがあるので
それを見ておいてね。
と言ったのですが
結局 最後まで
私のサイトを見に行って勉強したり
メルマガを取ったり
褒めたりすることは ありませんでした。
全く使えない という感じでした。
というのも・・・・
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先日あるカンファランスというか
いつもの肝、胆、膵のカンファランスで
肝右葉の巨大腫瘍の症例を
一般消化器外科の先生から
肝・胆・膵を特に専門にされている
外科の先生へコンサルトがされていました。
どうやら症例はHCCの肉腫型か脱分化したもの
私には見えましたが、
あまりに大きく、切除すると残肝が
やばいこと(肝不全に陥る可能性)
になりそうでした。
実際、そういう感じで某大学病院がある患者さんを切って
不幸にも亡くなられたという話を聞いていましたし
その話はカンファランス出席者の多くが知っています。
今回の患者様はすでに 80歳を過ぎていましたが
お元気とのことでなんとか助けてやりたい
というのが臨床側の本音でした。
そこで 私は
「○○〇〇シンチをやっておいたほうがいいんじゃないですか?」
と言いました。その前には
内科の親分 が 大丈夫でしょ、きれんじゃないかなあ
と カン を働かせていましたが
私は カン ではまずいんじゃないかなと思った次第です
そこで その病院でもやってもいいんですが
どうやらルーチンでそのシンチグラフィを
施行したことがないようでした。
ということで当院に紹介となったわけです
それは もうお分かりでしょう
アシアロ シンチグラフィ です。
99mTc-GSA 185MBq
を使って肝の機能を見るわけですが
HH15という指標と
LHL15 という 2つの指標があります。
なんのこっちゃですよね。
手順としては簡単で日本メジフィジックス 99mTc-GSA 商品名アシアロシンチ®注
のページ http://www.nmp.co.jp/member/kakuigaku/inspect/06.html から参照
させていただくと
哺乳類の肝細胞にアシアロ糖蛋白 と得意的に結合する
受容体が存在し、99mTc で標識したGSA すなわち
99mTc-GSA を静注して
投与直後から3 分、15分の関心領域mp測定値から
HH3(クリアランス)=H15/H3
LHL15=L15/(H15+L15)
を計算します。
HH3は15分後にどれくらい心臓から
99mTc-GSAがなくなるか?
を見たものです。
つまり3分後の数値でで
HH3=H15/H3 すなわち
15分後の心臓の測定値を
3分後の測定値で割ったものであり
肝機能がよければこの数値は低くなり
つまり、15分後に心臓からRIは少なくなっていくのが
通常だからです。
この数値はカットオフちが 0.61と成っています。
正常者はこれより低くなる必要があります。
つまり15分後には3分後の時より
40%以上心臓から出ていかなければなりません。
一方、
LHL15 というのもありこちらは
LHL15=L15/(H15+L15) で表されます。
15 分後の心臓と肝臓に集積したRIの測定値のうち
肝臓分はどの程度の割合か? を見たものです。
ですから正常であれば15分後にはどんどん
肝臓に取り込まれなければならないため
数値は大きくなければいけません。
そのカットオフ値は 0.91 で
91%以上は肝臓に移行していなければなりません。
つまり 0.91 より大きいのが正常なのです。
ここまでをまとめると
アシアロシンチグラフィは
肝細胞が アシアロ糖たんぱくの受容体を有することを
利用し、アシアロ糖蛋白を99mTc と結合させた
99mTc-GSA を静注し
3分後の心臓の集積
15分後の心臓と肝臓の集積 の3つの数値を利用して
心臓に残存していないクリアランスで判断する
HH3 と
肝臓に15分後にどれくらい取り込まれたかを心臓+肝臓の総和のどれくらい集積したかを見る
LHL15 とが存在
HH3=HH15/HH3 <0.61 数値が小さくなるべき(心臓に残らないべき)
LHL15=L15/(H15+L15) >0.91 数値は大きくなるべき(肝臓に取り込まれるべき)
と2つある
さて、実は本題は次なんですが。
長くなったので 明日か明後日続きを言いますね。
イチロウ でした。
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編集後記続き
あの突如2012年か13年に登場した
あのサイトのおかげです。
もうご存知でしょう。
遠隔○○アップ〇ート
というサイトです。
かなり作りこまれ、
フェースブックページ
ブログを兼用にしたサイト
の戦略であっという間に
グーグル検索 でほとんどの
放射線科 キーワードで1位から3位
程度まで出てくる状態にした
あのサイトです。
そう当科の研修医も常に使っていて
(ほとんど論文引用なくても)
かなり信用しています。
私も利用したことは何度もあり
使えるな と実感もしています。
サイトの作りが上手ですし
まとめ方もうまく、
わかりやすい解説も素晴らしい
なので、出てきた当初は
かなり
かなり凹み(へこみ) ましたし、
自分の役割は終わったな とも思ったものです。
そして、1年間ローテーションした研修医も
私のサイトのビデオで勉強することは一度もなく
遠隔診断アッ○デー○のサイトへいって
どんどん
そこから勉強しています。
彼曰く「だって検索で出てきてしまうんですよ。
しかもよくまとまっているし分かりやすい。」
それも手っ取り早くていい方法ではあるのですが
気になるのは
やはり 論文を見つけて読もうとする考えが
毛頭ないことですね
昔は抄読会と称して
英語に慣れたり
原文では実際こう書いてあるんだと
もう一度 その論文が本当に言いたいことまで
もどって 勉強したものですが、
それを吹っ飛ばして
誰かが どこからかパクッて
わかりやすくした サイトから
さらにぱくっていくという 安易な方向に
行っている気がします。
サイトを作るとき私が気にしていたのは
パクリのパクリでは大変なことになるかも
やはり伝言ゲームの最初から聴かないと と
思っていたことです
しかし、役に立つ と人が言うサイトは
こちらの考えているサイトではなく
安易で便利なサイトなのだな とも
痛感しました。
また、
人に知られなければ、
いくらサイトを運営しても
意味がない! ということも実感。
さて、もう運営が始まって
かれこれ
8年も経過しましたが
ここいら で考え直さないといけません。
サイトを終了して引退するかを・・・
以上イチロウでした。
九州の某国立大学医5年の者です。
実習が始まってから画像を見ることが非常に好きになり、誰かブログで教育している方はおられないかな~と探してたどりつきました。
これから先生のこのブログで勉強してみようと思います。
また感想を書きたいと思います。
すごくうまくまとまっていてこれからも続けてほしいです。
訪問ありがとうございました。
お褒めのお言葉ありがとうございました。
ビデオはできるだけ最新文献を反映するように作っています。
お役に立てれば幸いに存じます。
イチロウ拝