一般病院にまで忍び込む Ai ・・・

駅前のドトールより

by イチロウ

以前お願いしたAiアンケートの結果をお話しますね。

 

当施設をあわせて合計27施設の先生

回答いただきました。

かなり低い回答数だったことは遺憾でしたが

一般病院の先生に限り というのも

影響したのかもしれません。

 

その中にあって

お忙しい中答えていただいた

先生には大変感謝いたします。

 

今回のアンケートの前には

私は一般病院にはあまりAiは

浸透していないのではないか

と思っていました。

 

しかし・・・

蓋を開けてみると

 

図1の結果のようにAiを実施している施設は

既に63%もあり、

その他 があるものの

(その他は全部施行されているという個別回答でしたので)

既に行っている施設は合計74%となり

行われていない施設は26%  約1/4しかありませんでした。

図1

 

せいぜい半分くらいに思っていたからです。

これは日本医学放射線学会が

大学病院とその分院に行ったアンケートでの51%

と比較してはるかに多い数字なのです。

 

 

次の質問は施行されている場合に

その頻度をお伺いしました。

すると

 

1週間に1回が32%、1か月に1回が26%(図2)

個別回答には2日に1回という高頻度

で行われている一般病院もありました。驚きです。

日本医学放射線学会には頻度の設問がありませんでしたので

比較対象が有りません。ちなみに

当院ではこの半年で4件なので近い数値かもしれません。

図2

 

一方、施行するモダリティに関しては

予想通りの

CTがメインという形(図3)で

CTのみという施設が 86%と大半を占めていました。

さすがにMRIのみという施設はありませんでしたが

 

CTとMRIを行う施設は2施設有りました。

日本医学放射線学会のそれは

CTが71%、次に単純写真の18%というものでしたので

類似した結果です。

図3

 

撮影者についてもこれも予想通りで

放射線技師さんが95%でした(図4)。

びっくりな 臨床医というのが有りましたが

もしかするとご自分の(CTを有する)開業施設でしょうか。

図4

 

日本医学放射線学会のアンケートでは73%が放射線科技師さんで

放射線科医が施行している というのもあったようですが

さすがに一般病院では稀少な放射線科医が撮影までするのは

有りませんでした。

 

放射線科医にとって最も

仕事として入って欲しくない(私だけ?)

Aiの読影については

 

放射線科医の読影がルーチン化しているのが

48%と約半分有りました(図5)。

図5

 

その他の中での個別回答として

「基本は、臨床医が読影をしますが、臨床医が放射線医に読影依頼をする場合がある。」

「診療放射線技師に意見を求める場合もある。」

「通常の検査と同様に読影依頼する医師としない医師に分かれる。」

「読影報告書は作成せず、担当医に口頭で説明するのみです。」

「撮影はしているが、読影レポートはなし」

「臨床医だが放射線科医にコメントを求められることが多い」

 

さすがに病理医が読影するという

施設は1件もありませんでした(笑い)。

 

一方、日本医学放射線学会のそれは

放射線科医というのが今回の結果と類似し47%と

奇しくもほぼ同じ数値となっています。

びっくりするのは病理医の読影が2%あることですが

さすがに一般病院では病理医はお一人というところが多いため無理でしょう

 

ご遺体について感染措置をする施設は

ルーチンに行なっているところは

27%しかありませんでした。適宜を合わせて4割で

感染措置を行わない施設が61%です(図6図6)。

 

日本医学放射線学会の大学、分院のデータでは

感染措置のアンケートはありません。

 

経済面では

お金は患者様からいただくという施設は少ないようで

58%は病院の持ち出しのようです(図7)(患者から→遺族から に訂正)。

図7

日本医学放射線学会のアンケートも

ご遺族の負担は26%しかなく、

病院負担が医局の研究費も含め58%と類似した数字でした

医師会の結果も52%が病院持ち出しと同様です。

 

今回受領金額についてはアンケートしませんでしたが、

日本医学放射線学会実施アンケートでは

15,000円から200,000円と開きがあり

最も多い回答は50,000円とのことでした。

日本医師会のでは10,001~20,000円が最も多かった(54%)

ようです。

安すぎですね。

 

今 未実施の施設については

このまま未実施で行く施設が7割で(図8)

図8

ニーズが高まって急速にAiが広がりを見せている

といった印象ではありませんでした。

日本医学放射線学会のアンケートでは

今未実施だが、症例実施する予定の施設が60%いたのと対照的です

 

一般病院では

やっているところは既にやっているし

やらないところは今後もやらないといった感じです。

 

総合的な感想ですが

個人的には一般病院にはAiはまだ普及していない

と考えていたのが

十分忍び込んでいるなと感じた次第です。

以上 もし、管理者から言われた時の

一般病院データとして参考にしてください。

 

冒頭近くで書いたように私の施設は 秘密裏

ですが、この6月26日までの

半年間に 4人 が施行されたのみでした。

 

公式には病院としてはやらない方針で

当直帯や 病棟急変などで

やむなき場合はやっている といった感じで

この頻度です。

 

しかし、あまり増えてくるようだと

放射線科としての指針を打ち出す必要があると

思っています。

今回のご協力は大変参考になりました。

ありがとうございました。

 

なお、大学病院主体のAiのアンケートは

PDF直接リンクができないので

“Aiアンケート 日本医学放射線学会” でぐぐっていただき(google検索)

トップにでてきた死亡時画像診断に関するアンケート調査結果

をクリックしてください。

 

また、日本医師会も平成21年3月にアンケートを実施しています。

http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20090401_4.pdf

 

他にも放射線技師さんの作られたガイドライン

Ai における診療放射線技師の役割 – X 線 CT 撮像等の …

日本放射線技師会 理事の北村先生が作られた

Aiにおける診療放射線技師の役割

http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000iyxn-att/2r9852000000iyzy.pdf

 

最後に日本医学放射線学会の2008年に出された意見書が参考資料となります。

http://www.radiology.jp/member_info/guideline/20080331.html

 

ご参考になさってください。

 

by イチロウ

カテゴリー: アンケートのご報告   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。