その日が何曜日だったか覚えていませんが

家族全員家にいた

19:30頃の事

食事もすでに終わっていたような気がします。

 

唐突に 娘が

「ねこ 来ないね まだかな」

妻がそれに答えて

「ねこさん遅いね」

などと会話していました。

 

聞くと

何かのとどけものの再配達を待っているようなので

私もそれを察して

ああ、クロネコヤマトね。

はい はい

 

と納得したのですが、

妻が

「ちがうよ」 というのです。

いやいや だってねこでしょ?

 

「そうだけど・・・ヤマトじゃない」

 

「は?」

編集後記へ

************************

さて、本日の本題は

わたしのようにかつては

大学自体は腹部画像診断をサブスペシャリティとして

やっていたのに

市中病院での勤務に変わると

ジェネラリスト としてのスキルを

求められるようになります。

 

それが怖くて

大学にしがみついているという先生も

いらっしゃるように思えます。

 

気持ちは分からなくもありませんが。

教室の教授になるつもりでないなら

早く出てしまいましょう(ちょっと過激?)

 

逆に市中病院に長くいると(私も早13年です)

他の分野も面白くなり

自分のかつてのサブスペシャリティ分野に

ちょこっと弱点も出てきます。

 

先日 AIP(Autoimmune pancreatitis:自己免疫性膵炎)の症例について

あることを目的に文献をあたっていると

??? うん? 知らんぞこれ というのに

ぶち当たりました。

 

学会にしょっちゅう行かれている先生は

最先端に触れ続けておられるかもしれませんが

その世界からかなり遠ざかっている(今や総会と地方の会のみ出席)と

まずい点も出てきます。

前置き長いですが

 

AIPは実は国際的には I型 と II型が

あるんです。

え? と思いました。

知らないことだったからです。

 

I型AIPは、lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)を 1 型(type1 AIP)

II型AIPは、idiopathic duct―centric chronic pancreatitis(IDCP)を 2 型(type2 AIP)とします。

 

こんなこと書かれてもですが

とりあえず、置いておいて

 

病理学的な分類の仕方ですね。

 

ただし、日本ではII型の実態は分かっていません。なので

日本膵臓学会と厚生労働省難治性膵疾患調査研究班で は,

ICDC International Consensus Diagnostic Criteria

=自己免疫性膵炎の国際診断基準

の精神を尊重しつつ,

わが国の実状に即して

1 型 AIP を対象とする改定診断基準を作成したようなのです。

 

AIP=IgG4 と考えられていましたが

本当のことを言うと AIPには2種類あって

IgG4と非常に関連のある日本人に多いAIPと

 

欧米では IgG4 関連の膵炎以外にも,

臨床症状や膵画像所見は類似するものの,

血液免疫学的異常所見に乏しく,

病理組織学的に好中球上皮病変(granulocytic epithelial lesion;GEL)を特徴とする

idiopathic duct―centric chronic pancreatitis(IDCP)を示すものを

自己免疫性膵炎として報告されているようなのです。

 

借りてきた言葉で

先生にも理解しづらいでしょうけれど

 

II型AIP は男女差はなく,比較的若年者にもみられ,

時に炎症性腸疾患 を伴い

それ以外の膵外病変の合併がなく

ステロイドが奏功し,

再燃はまれなようです。

特徴的な血清学的マーカーはありません。

 

が、前にも言いましたように日本では

その実態がよくわかっていないようで

AIPの日本の2011年発表の診断基準は

I型を主に診断するための

ものとなっています。

 

この診断基準は日本の臨床家が必要としている

膵癌とI型自己免疫性膵炎を鑑別するために

作られたもので非常に実用的なものです。

 

診断基準をすべてここで述べられませんが

画像所見にフォーカスすると

 

膵腫大(びまん性or限局性)、ERP上主膵管の不正狭細

がkeyとなっています。

 

A. 基本的にはびまん性膵腫大があり、IgG4が135mg/dl以上であれば、

ERPは不要で、膵外病変の有無にかかわらず確定診断です。

B. また、IgG4が満たしていなくても、膵外病変が画像上あればこれも確定です。ERPはいりません。

 

一方

限局性腫大の場合は膵癌との鑑別のために

ERPが診断基準に必須!となります。

 

C.  限局性腫大、膵外病変、ERPで所見あり  なら

上記のA, B同様に確定診断です。

 

それ以外のパターン

膵限局性腫大、膵外病変なし、ERP所見あり  あるいは

膵限局性腫大、IgG4満たさない、膵外病変あり、ERP所見あり

は準確定診断です。

 

これ以上は長くなるのでJPS2011 自己免疫性膵炎診断アルゴリズムをみてください。

 

えー! じゃあ、最初のテーマ的なII型AIPはどこいった?

となりますよね。

 

わかりました。

現状、II型はIgG4が上昇していない症例について

悪性腫瘍除外のためにEUS-FNA  = EUSガイド下生検がなされた中で

病理学的診断がなされるものの中に入ります。

 

なので、日本でIgG4上昇を根拠に診断をしている場合に

それがあがっていないけど、膵がびまん性腫大したり

また、膵外病変がない

限局性腫大していて、どうも膵癌とまで診断できないような

症例の中に存在する ということになります。

 

以上です。

簡単にまとめると

自己免疫性膵炎 AIPには実はI型とII型があり

日本ではII型はあまり意識する必要はないが

膵病変はびまん性腫大あるいは限局性腫大で、膵癌らしくなく

IgG4が上昇していない 膵外病変がない 場合に

診断するために必要なEUSガイド下生検で初めて病理学的に診断できるもの

 

普段は典型症例 例えば

基本的にはびまん性膵腫大があり、IgG4が135mg/dl以上であれば、

ERPは不要で、膵外病変の有無にかかわらず確定診断です。

また、IgG4が満たしていなくても、膵外病変が画像上あればこれも確定です。ERPはいりません。

もう一つ、限局性腫大の場合でも、膵外病変あり、ERPで所見ありなら 確定診断です。

本当に詳しいことは診断基準を見てみてください。

今日は以上です。

イチロウ拝

 

*************************

 

編集後記つづく

 

「え? だってねこだから クロネコヤマトの宅急便でしょ」

というと

 

娘が大笑い しています。

 

何言ってんの??

私はわけわからん 状態に・・・

 

すると妻から渡された

その伝票はたしかに

クロネコヤマト ではなく

 

佐川急便

 

つまり クロネコヤマトの宅急便を

待っていたわけではない

 

じゃーなんで

ねこさん を待ってるなんて

わけわからんこ と言うんやー!

 

というと ほら ここ見て

といって見せられた 伝票のそこを見るとー

 

「うーっそだーーーーー!」

 

となりました。

証拠写真2枚を掲載します。

佐川のねこさん

以下 佐川急便の ねこ さん

佐川のねこさん2

 

つまり、

妻は正しい

佐川急便のトラックの運転手の

 

ねこ  さん

 

を待っていたのですから・・・

 

PS.   さて、セミナーの募集を本日11月17日朝

に受付開始します。16日は準備がととのわずすいません。

もう一度言います。11月17日早朝から受け付けます。

あ、最後に 募集人数は 22人までです。

よろしくお願いします。

あ、セミナーの日時は 11月25日を予定しています。時間は14:30-16:30 頃まで

カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。