今日は回答編をお伝えいたします。

回答は HCC でした。正答率は56% と半分以上の先生が正解しています。

境界明瞭で丸い腫瘍ということでかなり絞られてきます。よくよく見ると隔壁らしい構造もありそうです。おそらく肝細胞相のみでもかなり迫れるほどの特徴所見が出ています。

これは難しい問題だと思います。回答は血管腫です。正答率はたったの27%でした。

中心部はもしかするとクレフトと言って少し大きい血管腫に特徴的な中心の液状壊死部分かも知れません。腫瘤そのものは内部が基本的には非常に均一です。そして内部は実は濃染していると思います。なので、胆管癌や通常のHCCでは異なるし、1個なので、メタもあり得ますが、ここでは一番可能性という意味からは除外し、血管腫とFNHと迷うもののFNHはもう少し背景に比べて濃染すると思います。

これも相当に難しいし、もしかしたら正解は出ないのかも知れません。1箇所(腹側)にくびれが存在することに気づくと、やや肝細胞癌、血管腫、FNHは除外されやすくなるでしょう。しかし、末梢胆管癌か転移性肝癌は近い方という意味では前者になるので、転移性が消えます。なので、末梢胆管癌で正解となりそうですが、実はそうではなく、直腸カルチノイドのメタでした。実は他の部位にも類似病変があります。ふざけるな!と言われそうですが、くびれを見つけられれば繊維化を伴うことのある病変ということで、胆管癌、メタ、その他の腫瘍で迷うことでしょう。これは正解できなくて当然、つまり肝細胞相のみで正解することができない病変ということになります。

これは52%の先生がHCCと回答してくださいました。いわゆる肝細胞相で濃染するHCCです。辺縁に被膜があるのもわかりやすいです。モザイクです。ということで正解が多かったです。

これはなんの変哲もない2つの結節なので、一番近いのはメタということになります。原発巣は膵癌です。

ひねりなしと考えられれば、メタとなりそうですが、②や③を回答した後だと迷いが生じるのかも知れません。正答率は37%でした。その他の腫瘍と思われた先生も35%もいらっしゃいました。

これはとてつもなく正解が多かったです。肝細胞相で濃染する結節の代表例です。正答率は71%にも達しました。中心部に濃染がないのがきもです。中心瘢痕です。

 

以上、なんでこんなことをしたのか?ですが、

EOB-MRI を改めて見直してみようと思ったからです。問題を作ってみて、先生方の答えを見ていて自分でも勉強になりました。

ありがとうございました。

今日はここまでです。

PS.

私の行ったところは以下の写真に答えがあります。

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