駅前のドトールより
イチロウです。
今日は
”けつが痛い少年” の話です。
今日の症例は 巡り合わないと
とにかく知らないものなので
一回は 聞いておくと
ためになることがあるかもしれません。
私も知らなかったので
もちろん探した限りでは
画像診断の教科書に書いていません。
それは 形成外科からの依頼
年齢はちょと忘れてしまったのですが
10代男性だったと思います
CTが依頼されていたと記憶します。
その依頼目的には聞きなれない言葉が・・・
Coccygeal pad
です。
えっ? なに???ですよね。
その依頼目的で
CTが撮像されました
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そこまで順調に午後の仕事を
こなしていた私の手は
ぴたーっと止まってしまいました
「し、知らない」
はっきりとした原因はわかっていませんが
要するに
Sacrococcygeal joint が
仙尾関節の急峻に後方に屈曲して
突出してしまっているので
そのことが 慢性的刺激をきたし
その背側皮下に線維性の腫瘤を
形成してしまうというもののようです
義務教育のかたーーい椅子に
座っていることがよくないようです
発症年齢は平均18.6才
幼稚園児から高校生まで初発
年齢は広いようで、
また、男の子の方が女の子より
多いと言われます(34:8) 4倍
J Dermatol. 2013 Oct;40(10):832-6. doi: 10.1111/1346-8138.12249. Epub 2013 Aug 6.
Developmental mechanism of juvenile coccygeal fibrosis (so-called coccygeal pad).
Hashimoto I, Shono Y, Ishida S, Nakanishi H.
とか
木下 栄ら。Coccygeal pad に皮膚腫瘤及び尾骨切除を行った1例
整形外科と災害外科。2016:65;569−571
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/65/3/65_569/_pdf
日本語論文には MRIが掲載されています。以下引用
当院の症例:病理学的証明はされていません。あくまでCTと臨床所見での総合診断です。
尾骨の屈曲が強く同部に軟部組織吸収域あり。
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juvenile coccygeal fibrosis
(so-called coccygeal pad).
まとめ
幼稚園児から高校生まで
平均年齢18歳で
男の子優位に発症する
仙尾関節の急峻な屈曲に起因する
慢性的皮下組織の刺激で
繊維性腫瘤を形成する疾患
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イチロウ拝